前回も書いたとおり、僕が以前勤めていた会社で“うつ病”と診断された同僚が数名おりました。彼らは無断欠勤しては業務に大きな支障をきたしました。昔ならば「即刻解雇」となるはずですが、今は違います。うつ病(病気)だから解雇するというのは不当解雇として訴訟を起こされる可能性が高く、訴訟されれば企業として大きなダメージを受けることになります。
ですから企業は危機管理の項目のひとつとして「社員がうつ病になった場合の対処」をあらかじめ考えておく必要があるのです。これも事業継続の重要な問題のひとつです。
うつ病は周囲に多大な支障を与えます。たとえばグループで仕事をしていた場合にうつ病で誰かが欠勤した場合、グループの同僚が、欠勤した人間の分まで仕事をこなさなければなりません。仕事量が増えた同僚は、過労で同じくうつ病になる可能性があるそうです。うつ病の感染ですね。
むろんうつ病はインフルエンザのような感染症ではありませんから“感染”という表現は変ですが、あたかもインフルエンザが感染するようにこの厄介な病は潜在的に拡大していくのです。
うつ病の原因のひとつとして「過剰労働によるストレス」があります。過労が現実であれば、訴訟となる可能性が高く、勝訴されれば企業側は不利な状況に立たされます。
経営者は通常から社員の労働状況を把握しておかなければなりません。「部門責任者に任せてあった」では済みません。経営者が社員の労働状況を知らないというのは裁判で大恥をかくことになります。
訴訟となれば提出できるデータを提示しなくてはならないので、証拠としての労働状況データの記録は重要です。普段からのデータ蓄積は重要です。
上司や同僚の「いじめ」も裁判では不利になるでしょう。いい年をして幼稚な「いじめ行為」に走るのは社会人としてどうかと思います。
うつ病は立派な病気です。患者は治療につとめる必要があります。治療もせずに無断欠勤を繰り返すのは「怠け病」と言われても仕方がないと思います。これはあくまでも私感ですが・・・。うつ病だからと言って無断欠勤するというのは言語道断であると思います。
被害者は、ある境界線を起点に加害者となる場合が多々あります。これはうつ病に限った事ではありません。
外国のつまらない慣習を模範とすることによってデジタルなものに汚染されたばかりか成果主義や合理主義に傾いてしまった日本社会全体に「感染の源」を孕んでいる気がします。
