こんにちは、培養部門です。

胚盤胞と良好胚盤胞はなにが違うのかご質問を受けることがあります。

胚盤胞の評価方法について

受精卵が順調に成長すると4~6日目に胚盤胞になります。

胚盤胞とは胞胚腔が存在する胚の状態を指します。受精卵から胚盤胞になる割合は通常60~70%と高い割合ですが、良好胚盤胞となると50%程度になります。

胚盤胞と良好胚盤胞はガードナー分類で評価され、当院では3BB以上を良好胚盤胞と定めています。( クリニックによっては1BBや2BBも良好胚盤胞としているところもあります )

最大のポイントは良好胚盤胞は胚盤胞に比べて妊娠率が圧倒的に高いところです。保険適用で胚移植を行う場合は回数制限がございます。( 治療開始時の奥様の年齢が40歳未満の場合は6回、40歳から43歳未満の場合は3回、出産により回数はリセットされます )回数制限内で治療を行うためにはより妊娠率の高い治療を行うことが必要です。

 

 

良好胚盤胞を多く得ることが妊娠、出産率を向上させるために重要です。

しかしながら、良好胚盤胞でなくても妊娠が確認できれば妊娠後の予後は良好胚盤胞と変わらないという報告があります。

胚盤胞の評価は周産期転帰( 妊娠期間や出生体重 )に影響しない

 

良好胚盤胞を移植することが治療回数・治療期間を短縮することに繋がります。良好胚盤胞をより多く得るためには、卵胞を育てる・卵子を採取する医師の技術、採取された卵子を受精し、受精卵を育てる培養士の技術が高いことが前提条件です。

 

当院では生殖医療専門医はもちろんのこと、複数の認定胚培養士( 卵子学会・エンブリオロジスト学会の両方から認定 )が在籍しております。胚培養士にご相談したいことがありましたら、Webセミナーの質問コーナーにご参加していただくことや診察の際に医師にお申し付けいただければご対応させていただきます。

不安を少しでも解消できましたら幸いでございます。

 

 

お知らせ

 

当院の初診について

当院の不妊外来を初めて受診される際にお電話での予約が必要な理由

 

当院は不妊治療に関わる先進医療を行なっております。

当院の不妊治療に関わる先進医療の種類と効果

 

大垣市在住のご夫婦を対象として、自費診療でAMH( 抗ミュラー管ホルモン )検査、精液検査を実施した場合に大垣市から助成金を受け取ることができる制度が開始されました。

当院で行うことができます。お電話にてご予約をお願い致します。

大垣市在住のご夫婦を対象に妊活検診費( AMH検査・精液検査 )が助成されます

 

当院はPGT-A実施施設として日本産科婦人科学会に承認されています。

PGT-Aを行うことによって、複数回の妊娠不成立や流産を繰り返す方に妊娠率の向上と流産率の低下が期待できます。

↓詳しくはこちらをご覧いただければ幸いです。

PGT-A( 染色体異数性検査 )の要件が変わりました

 

※PGT-A対象者の方で当院に胚盤胞を凍結保存している場合、採卵を行わずに保存してある胚盤胞を用いてPGT-Aをすることができます。

 

当院でPRP療法を行うことができます。

PRP療法とは再生医療の一つです。

様々な医療分野でPRP治療は行われており、不妊治療分野ではPRP療法を行うと子宮内膜が厚くなるという報告が専門の学会から報告されています。

子宮内膜が厚くなると、移植した胚の妊娠率、出産率が向上します。

 

先進医療、PGT-A、PRP療法をご希望の方、ご興味がある方は当院の不妊外来診察を受診ください。

 

文責:培養部門

 〔生殖医療専門医〕古井憲司