こんにちは、培養室です。
先週は、採卵してから2、3日目の胚評価方法を説明しました。(当院オリジナルの胚評価方法(F Score))
今回は、胚盤胞の胚評価方法を説明します。
採卵してから4、5、6日目に胚が成長して胚盤胞になります。
胚盤胞まで成長すると将来赤ちゃんになる細胞や胎盤になる細胞を区別できるようになります。
オレンジ色の円に囲まれた塊に見える細胞が将来赤ちゃんになる細胞で、周りにあるうろこ状の細胞が将来胎盤になる細胞です。
胚盤胞の評価方法
当院では胚盤胞の評価方法としてGardner(ガードナー)分類を採用しております。
ガードナー分類とは
胚盤胞の大きさ、将来赤ちゃんになる細胞、将来胎盤になる細胞の3点で評価を行う方法です。
胚盤胞のグレードと妊娠率は相関しており、将来胎盤になる細胞のグレードが高いと妊娠率が高く、将来赤ちゃんになる細胞のグレードが高いと妊娠継続率が高いと言われています。
次にどのようにして将来、赤ちゃんになる細胞と胎盤になる細胞を評価しているのか説明します。
下図をご覧ください。
将来赤ちゃんになる細胞が大きくはっきりと見えるとグレードが高く、小さくぼんやりと見えるとグレードが低くなります。
将来胎盤になるうろこ状の細胞がまんべんなく多く見えるとグレードが高く、全体的に少なくつるつるしたように見えるとグレードが低くなります。
このように胚盤胞のグレードを評価して胚移植をする際の優先順位の決定に役立てています。
当院では、今回紹介した胚盤胞のグレード評価だけでなく、タイムラプス搭載のインキュベーターを用いて受精から胚盤胞までどのように成長したかも加味して評価を行っています。
タイムラプスを用いた胚評価方法も掲載予定です。
培養室
〔理事長〕古井憲司