こんにちは、培養部門です。
胚盤胞はガードナー分類に基づいて評価されており、評価の高い胚盤胞ほど妊娠率・出産率が高いことが分かっています。胚盤胞の評価方法について
では、胚盤胞の評価によって周産期のリスクは変動するのでしょうか。
多国籍、多施設で大規模に胚盤胞の評価は出産率や周産期転帰( 妊娠期間や出生体重 )にどのように影響するか調べた論文があります。
良い胚盤胞 ( AA、AB、BA )、普通の胚盤胞 ( BB )、悪い胚盤胞 ( AC、CA、BC、CB ) として分類し、出産率、周産期転帰について比較しました。
すでに知られている通り、出産率は胚盤胞の評価が良いほど高いことがわかりました。一方で、妊娠期間や出生体重は胚盤胞の評価に関わらず差がないことがわかりました。
胚盤胞の評価が低くても周産期に有害なリスクは高まらないことが示唆されました。胚盤胞の評価が低くても妊娠期間や出生体重には影響しませんが、胚移植あたりの出産率を高めるには高い評価の胚盤胞を移植する必要があります。
私たちは卵子や精子に良い環境を模索し続け、出産率の高い胚盤胞を得られるように日々努力をしてゆきます。
参考:H Zou. Blastocyst quality and reproductive and perinatal outcomes: a multinational multicentreobservational study. Human Reproduction, Volume 38, Issue 12, December 2023
お知らせ
当院の初診について
当院の不妊外来を初めて受診される際にお電話での予約が必要な理由
当院は不妊治療に関わる先進医療を行なっております。
大垣市在住のご夫婦を対象として、自費診療でAMH( 抗ミュラー管ホルモン )検査、精液検査を実施した場合に大垣市から助成金を受け取ることができる制度が開始されました。
当院で行うことができます。お電話にてご予約をお願い致します。
大垣市在住のご夫婦を対象に妊活検診費( AMH検査・精液検査 )が助成されます
当院はPGT-A実施施設として日本産科婦人科学会に承認されています。
PGT-Aを行うことによって、複数回の妊娠不成立や流産を繰り返す方に妊娠率の向上と流産率の低下が期待できます。
↓詳しくはこちらをご覧いただければ幸いです。
※PGT-A対象者の方で当院に胚盤胞を凍結保存している場合、採卵を行わずに保存してある胚盤胞を用いてPGT-Aをすることができます。
PRP療法とは再生医療の一つです。
様々な医療分野でPRP治療は行われており、不妊治療分野ではPRP療法を行うと子宮内膜が厚くなるという報告が専門の学会から報告されています。
子宮内膜が厚くなると、移植した胚の妊娠率、出産率が向上します。
先進医療、PGT-A、PRP療法をご希望の方、ご興味がある方は当院の不妊外来診察を受診ください。
文責:培養部門
〔生殖医療専門医〕古井憲司