こんにちは、培養部門です。

 

クリニックママでは先進医療としてザイモートスパームセパレーターを導入いたします。

ザイモートスパームセパレーターは特殊な膜構造によってDNAの損傷がない精子を選別することができます。

前回のブログ→精子DNAの損傷は年齢の上昇や生活習慣によって増加しますでは、精子DNAの損傷があると、妊娠率や出産率を低下させてしまう恐れがあることを報告しました。

よって、これまでに顕微授精を行っても移植可能胚が得られなかった方や胚移植を行っても妊娠に至らなかった方は精子DNAの損傷が疑われます。

 

 

ザイモートスパームセパレーターは精液をデバイスに入れて、インキュベーターの中で30分保管することにより、精子を選別することができます。従来の精子の選別方法に比べて精子に非常に優しい方法です。

 

実際に論文によると精子DNAの損傷が著しく、胚移植を行っても妊娠に至らなかったカップルにザイモートスパームセパレーターを使用したところ、正常な染色体数を持つ受精卵がこれまでより多く得られること、妊娠継続率が上昇したことが報告されました。

 

顕微授精を実施して、なかなか妊娠に至らない方にザイモートスパームセパレーターの使用は有効である可能性が高いです。

当院では保険適用の治療と併用して先進医療としてザイモートスパームセパレーターを使用することができます。当院の不妊治療に関わる先進医療の種類と効果

ぜひ、ご希望の際は医師、看護師、培養士にご相談ください。

 

参考:A Parrella et al. A treatment approach for couples with disrupted sperm DNA integrity and recurrent ART failure. J Assist Reprod Genet. 2019

 

クリニックママのホームページ

 

お知らせ

 

 

当院の初診について

当院の不妊外来を初めて受診される際にお電話での予約が必要な理由

 

当院は不妊治療に関わる先進医療を行なっております。

当院の不妊治療に関わる先進医療の種類と効果

 

大垣市在住のご夫婦を対象として、自費診療でAMH( 抗ミュラー管ホルモン )検査、精液検査を実施した場合に大垣市から助成金を受け取ることができる制度が開始されました。

当院で行うことができます。お電話にてご予約をお願い致します。

大垣市在住のご夫婦を対象に妊活検診費( AMH検査・精液検査 )が助成されます

 

当院はPGT-A実施施設として日本産科婦人科学会に承認されています。

PGT-Aを行うことによって、複数回の妊娠不成立や流産を繰り返す方に妊娠率の向上と流産率の低下が期待できます。

↓詳しくはこちらをご覧いただければ幸いです。

PGT-A( 染色体異数性検査 )の要件が変わりました

 

※PGT-A対象者の方で当院に胚盤胞を凍結保存している場合、採卵を行わずに保存してある胚盤胞を用いてPGT-Aをすることができます。

 

当院でPRP療法を行うことができます。

PRP療法とは再生医療の一つです。

様々な医療分野でPRP治療は行われており、不妊治療分野ではPRP療法を行うと子宮内膜が厚くなるという報告が専門の学会から報告されています。

子宮内膜が厚くなると、移植した胚の妊娠率、出産率が向上します。

 

先進医療、PGT-A、PRP療法をご希望の方、ご興味がある方は当院の不妊外来診察を受診ください。

 

文責:培養部門

 

 〔生殖医療専門医〕古井憲司