こんにちは、培養部門です。

近年、体外受精や顕微授精の成功のカギは卵子側が大半を占めていると思われてきましたが研究が進むことにより精子側にも大きな要因があることが明らかになりました。

年齢の上昇や不健康な生活習慣( 飲酒・タバコ・ストレス )は精子DNAを損傷させることがあります。精子DNAが損傷すると、受精率・妊娠率・出産率低下する可能性があります。



卵子( 受精卵 には本来DNA修復機能があります。よって、精子DNAが損傷していたとしても卵子側がレスキューすることにより妊娠・出産に至ることが多いです。

しかしながら、精子DNA損傷が大きいと卵子はDNAを修復するために多くのエネルギーを必要とし卵子の質が低下( DNA修復機能が低下 )している場合は、十分にDNAを修復することができず、受精卵の成長が途中で止まること、妊娠率・出産率の低下につながります。

精子は74日間( 約3カ月 )かけて精巣からつくられます。治療にあたる際は、3カ月前から健康的な生活習慣に取り組むことで、治療の成功率を大幅に向上できる可能性があります。

 

参考

Y Jiang et al. The impact of female BMI on sperm DNA damage repair ability of oocytes and early embryonic development potential in intracytoplasmic sperm injection cycles. Front Endocrinol (Lausanne). 2023


お知らせ



当院の初診について

当院の不妊外来を初めて受診される際にお電話での予約が必要な理由


当院は不妊治療に関わる先進医療を行なっております。

当院の不妊治療に関わる先進医療の種類と効果


大垣市在住のご夫婦を対象として、自費診療でAMH( 抗ミュラー管ホルモン )検査、精液検査を実施した場合に大垣市から助成金を受け取ることができる制度が開始されました。

当院で行うことができます。お電話にてご予約をお願い致します。

大垣市在住のご夫婦を対象に妊活検診費( AMH検査・精液検査 )が助成されます


当院はPGT-A実施施設として日本産科婦人科学会に承認されています。

PGT-Aを行うことによって、複数回の妊娠不成立や流産を繰り返す方に妊娠率の向上と流産率の低下が期待できます。

↓詳しくはこちらをご覧いただければ幸いです。

PGT-A( 染色体異数性検査 )の要件が変わりました


※PGT-A対象者の方で当院に胚盤胞を凍結保存している場合、採卵を行わずに保存してある胚盤胞を用いてPGT-Aをすることができます。


当院でPRP療法を行うことができます。

PRP療法とは再生医療の一つです。

様々な医療分野でPRP治療は行われており、不妊治療分野ではPRP療法を行うと子宮内膜が厚くなるという報告が専門の学会から報告されています。

子宮内膜が厚くなると、移植した胚の妊娠率、出産率が向上します。


先進医療、PGT-A、PRP療法をご希望の方、ご興味がある方は当院の不妊外来診察を受診ください。


文責:培養部門

 〔生殖医療専門医〕古井憲司