ロシアによる侵略 〔ルドルフ・シュタイナー〕 | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

 “かつてギリシア-ローマ的なものがゲルマン的なものに面して自衛したように、スラブ的なものがゲルマン的なものに対して自衛するにちがいありません。ギリシア-ローマ的なものからゲルマン的なものへの移行が上昇的進化のなかで行なわれました。ゲルマン的なものからスラブ的なものへの移行は下降的進化のなかで行なわれます。第五文化期の本来の使命はゲルマン的要素から受け取られました。このゲルマン的要素は、本来のキリスト教を地球進化のなかにもたらします。

 ゲルマン的要素がローマ的要素に打ち負かされていたら、最大の不幸が起こっていたことでしょう。そうしたら、第五文化期に生じたものが発生していなかったでしょう。ゲルマン人は、個人の努力によってさまざまなものを獲得する必要がありました。いつか、スラブ的な要素がゲルマン的な要素に打ち勝ったら、それは最大の不幸です。この相違に注意してください。”(P143~P144)

 

 “……人びとは副次的なものを主要事に結び付けることを怠りました。大きな線を見失わないこと、地球進化を越えていく流れのなかに本質的なものを見ることが大事です。地球進化が私たちに示すものから学ぶとき、私たちの最も本質的なものにいたります。ポスト・アトランティス時代の一連の文化期についての教えを真面目に受け取るときには、主要事を見ることのできない狭い視点を乗り越えるべきです。

 

 例を一つ挙げます。だれかが今日、「私としては、ゲルマン世界とスラブ世界との衝突が目前に迫っている、ということを疑わない。オリエント、特にトルコをとおして、また、オーストリアにおける少数民族の争いをとおして衝突が生じることを疑わない。その戦いにおいて、ロシアが一方の指導権を握ることを疑わない」と言うとしましょう(カール・フォークト「フリートリヒ・コルプに宛てた政治に関する書物」(一八七〇年))。この発言について考えてみましょう。この力は、すでに準備されています。ロシアの新聞はドイツに対する敵愾心を燃やしています。ドイツの新聞は、すでに警告を発しています。クリミア戦争後にロシアがまとまってから長い年月が流れました。いまペテルブルグで、オリエント問題を再び取り上げることが適切と思われています。

 フランスが見栄を張って地中海を「フランス海」にするというなら、ロシアはもっと現実的に黒海を「ロシア海」に、マルマラ海を「ロシア池」にする意図を持っています。コンスタンチノープルをロシアの町にし、ギリシアをロシアの属国にするというのが、共通の宗教と汎スラブ主義を支えの梃子にするロシア政治の確固とした目的です。ドナウ川はロシアの遮断機によって鐵の扉で閉じられていたことでしょう。

 だれかが、そう言ったとしましょう。そうすると、「そのように語る人は、いま起こっていることから学んだのだ、戦争を欲したのは中欧であり、東方によって準備されたのではない、と力を込めて説教する者たちが正しかった」と、人々は言うかもしれません。しかし、いま紹介したのは一八七〇年に書かれたものです。今日起こっていることの原因を、長期にわたって生成中の力のなかに探さないのはいかに愚かでしょう。この言葉は一八七〇年、普仏戦争中に書かれました。どんな衝動も東方からはやってこないと思うのは、歴史を無視しており、有益な力すべてを誤認しています。

 いま起こっている出来事の発端が数ヶ月前に初めて形成されたかのように、人々やジャーナリストが判断するのを、精神科学によって阻止しなければなりません。人々が精神科学によって修練されて、「大きなことは小さなもののなかで用意される。小さなものは大きなものからのみ判断可能である」ということを知るなら、通常の生活にとっても、精神科学は何かを達成します。精神科学をとおして私たちが体験するものが、通常の生活のなかで準備されます。

 

 私はきょうの講演会で、現代が体験していることについて語ろうと思いました。精神科学が世界をどう判断し、私たちが世界に対してどのような位置にいるべきかを話さねばなりませんでした。「精神科学が提供しようとするものを真剣に受け取ること。そして、世界の出来事を精神科学的な意味で明らかにする生活と、ふたたび他の人びと同様に日常に没頭する生活という、一種の二重生活を送ろうとはしないこと」という警告を繰り返し与える必要があります。”(P155~P157)

 

 “私たちが他の人々を説得しようとし、私たちの意見を他人が受け入れるべきだと思うなら、私たちの態度は精神的ではありません。精神世界を直接的に体験・把握すると、人類が将来発するべきオーラがもたらされるでしょう。

 「いま私たちが流血の時代の下で体験していることの意味は、まったく新しいものが文化のなか、人類のなかで示されるときに明らかになる」と、繰り返し言わねばなりません。

 精神的な思考を行なう心魂を有する人々がいると、新しいものが芽生えます。戦争が過ぎ去って、平和の太陽がふたたび輝くときに生まれる雰囲気のなかに、精神的な思想が流れ込むにちがいありません。そのとき、高みから下方を見る心魂たち、戦場で身体を捨てた者たちは、何のために戦死したのかを知るでしょう。

 精神科学的に努力するときにのみ、この時代を正しい意味で生きることができると人智学者は思わねばなりません。心魂が精神的な意識のなかで思いを精神の国に送ると、私たちの流した血から、未来の人類進化のための光が上ってくるでしょう”(P160~P161)

 

(ルドルフ・シュタイナー「シュタイナー 天地の未来 地震・火山・戦争」(風濤社)より)

 

 “シュタイナーは、ロシア人(スラブ人)はアトランティス文化の名残として霊性への傾倒を強く持ったモンゴル人と対決しなければならず、ロシア、東方は三五〇〇年頃まで、中部ヨーロッパとの結びつきをとおしてキリスト衝動を意識的に受け入れるという課題を有しており、ロシアの民俗魂は、中部ヨーロッパで準備されたものを受け入れて、のちにヨーロッパ文化と共同するという課題をもっている(『時代考察』、一九一四-一五年)という考えを持っていた。東方(ロシア)で準備されるものは、中欧で自我の力と認識力がキリスト衝動と結びつくことをとおして、価値を有するようになる。そして、紀元後数世紀までに西欧でキリスト教を受け入れた魂がロシア、東欧に再受肉している、とシュタイナーは見ていた。”

 

(松澤正博・西川隆範共著「いま、シュタイナーの「民族論」をどう読むか」(イザラ書房)より)

 

*昨日2月24日でちょうど1年になりましたが、ロシアのウクライナへの軍事侵略は、決してプーチンただ一人によって引き起こされたものではありません。現在のロシアは悪魔的な力に支配されており、彼はそれに動かされているだけです。他の国々が侵略をやめさせようとしても、どれほど厳しい経済制裁を課しても、たとえプーチンが失脚したとしても、ロシアは他国を巻き込みながら自ら破滅の道を突き進んで行くはずです。もはや人間にはどうしようもなく、救いは『高次の世界からの介入』以外にはありません。

 

*シュタイナーは、『スラブ的な要素がゲルマン的な要素に打ち勝ったら、それは最大の不幸です。』と述べていますが、西川隆範先生の「シュタイナー用語辞典」(風濤社)には、『ロシアにとって最大の不幸は、第一次大戦に勝利して、時代に逆行することである。』とも書いてあります。シュタイナーは1925年に亡くなっているのですが、彼の死後に起こった第二次世界大戦でスターリン体制下のロシア(ソ連)が、再びドイツに勝利してしまったのは、全世界にとって、そしてロシア人自身にとっても、もはや取り返しのつかないほどの最大級の悲劇であったと思います(かといって、ナチス体制下のドイツが勝利すれば良かったというわけでもありません)。ロシア人は、もともと霊的に優れた民族であったはずなのですが、共産主義の背後にいる悪魔的な存在によって(シュタイナーは「レーニンはルシファーに憑かれていた」と言っています)、スラブ民族はゲルマン的な霊性を受け取ることができなかっただけでなく、これまでスラブ民族が守り続けてきた霊性までもが破壊されてしまいました。これは単に人類の霊的な進化が阻害されたということだけでなく、進化が逆行、つまり霊的に退化させられる流れになったということで、まさに最悪の事態です。しかし、これらのことはすべて前もって予言されていたことでもありますし、カトリックの聖人の方々によると、「最後の時、聖母マリアが介入される」ことになっており、さらにインドの聖者スワミ・ヴィヴェーカナンダも「シュードラの時代の後は再びバラモンの時代が来る」と予言しています。既に多くの霊魂が、この「時の終わり」の時代のために生まれ変わって来ているようですが、神の救済の計画が実現されるために、我々には改心すること、再び神に立ち返ることが求められています。神の力が地上に顕われるためには、我々の側の応答が必要であり、エドガー・ケイシーも言っていたように、恩寵は『いわば相互的な反応』なのです。

 

*シュタイナーは、『ロシア人は将来モンゴル人と対決する』と言っていますが、これはモンゴルと言うよりも、中国のことを指しているようです。中国もまた、悪魔的な力に支配されておりますので、いずれ海峡を越えて進攻を始めるのでしょうが、最初はロシアと共闘しつつも、後に対立して互いに戦うようになるのかもしれません。しかし、どのようになるにしても、出口王仁三郎聖師の「いったん共産主義が天下を取るのや。それから神様と共産主義との戦いや」という言葉が気になります。たとえ『いったん』であっても、ロシアや中国のような独裁国家が天下を取ってしまったら、日本もただでは済みません。既に日本のマスコミやすべての野党、さらに自民党の多くの議員達までも共産主義勢力に取り込まれており、出口聖師は70年以上も前に、「知らず知らずであろうとも、泥に落ちれば泥まぶれとなる」「最後の時は、悪魔も悪あがきをするもんじゃ。それに惑わされる者は餌食じゃ」「世界の中で日本が一番酷い目にあう。三分どころか二分も残らん」と警告されていたのに、すべてが闇の勢力の思うがままになってしまったのは残念です。戦後、日本の雛型である大本教団に多数の活動家が入り込み、内部から壊れ始めて遂には分裂してしまったように、日本もまた内部から壊れつつあるように思います。シュタイナーは、悪魔アーリマンに対抗するためには意識的でなければならず、「『私たちは精神科学について何も知りたくない』という不精な人たちはみな、アーリマンの魔力に負けてしまうのです」とも言っていましたが、既にほとんどの日本人はアーリマンに取り込まれてしまっているのかもしれません。

 

・エドガー・ケイシー

 

 “問4 「ヨーロッパの政治経済情勢の流れに、どのようなことが予想されますでしょうか」

 

 答4 「ヨーロッパは崩壊した家のようなものだ。何年か前に、他の権利を顧みず少数者の欲望を満たすために、力ある人々が踏みにじられた。この人々は今再び生まれ変わりつつある。彼らはヨーロッパの政治財政的国家にとって、肉に刺さったトゲのような存在である。だが、その中から『もし50人の義人がいれば救われるでしょうか。いや、10人の義人がいれば救われるでしょうか』と、主に向かって叫んだアブラハムのような嘆願する祈りを通して……ああ、おまえの上にヨーロッパの希望はかかっているのだ!おまえはロトと同じ道を歩むのか、ソドムとゴモラの道を歩むのか!」

 

 問5 「その国の名は?」

 

 問6 「ロシアである。」

(3976-8、1932年1月)”

 

(林陽「1998年エドガー・ケイシー 世界大破局への秒読み」(曙出版)より)

 

*さらにケイシーは、『ロシアの宗教的発展が世界の希望である。これは共産主義ではない。人間一人一人が同胞のために生きるという自由である。』と言っており、そのためにはアメリカとロシアが友好的な関係を築かねばならないとも説いています。

 

・ファチマの聖母マリア(ルチア(聖母の御出現を受けた三人の牧童の一人)へのインタビュー)

 

 “一九四六年の面会において、ルチアは、ロシアをマリアの汚れなきみ心に捧げることが、重要な問題であると強調したことについての質問に次のように答えた。

 「聖母が望まれることは、パパ様と全世界の司教たちが、ロシアをある特定の日に、聖母の汚れなきみ心に献げることです。もし、彼らが実行するなら、聖母はロシアを改宗させて、世界は平和になるでしょう。もしそうでなければ、ロシアの謬説が世界の全ての国々に広まり、続くでしょう。」

 質問 「あなたの考えでは、それは全世界の国々が例外なく共産主義に支配されるだろうということですか」

 答え 「はい、そうです。」

 その後ルチアは、面会者アッフェルトにも全く同じことを言った。彼は、もう一つの戦争があるだろうかと、彼女に尋ねたので、ルチアは、「大切なことは、パパ様が全司教と一つになって、ロシアをマリアのみ心に奉献することだと私は思います」と言って、黙ってしまった。アッフェルトは重ねて、

 質問 「あなたは、ロシアの改宗は世界に平和をもたらすと確信しますか」

 答え 「はい。聖母は、それを約束なさいましたから」

 

(「ファチマの聖母の啓示 ルチア修女の手記」(ドン・ボスコ社)より)

 

*ローマ教皇による「ロシアの聖母マリアの汚れなき御心への奉献」は既に果たされました。あと聖母が我々に求められているのは祈りと犠牲、「汚れなき御心」への信心などです。聖母マリアはファティマの牧童たちに、「毎日ロザリオを唱えるなら、あなたたちを助けることができる」と告げられましたし、ガラバンダルの少女達にも同じことを言われています。またメジュゴリエでの聖母のメッセージの中には「祈りと断食で戦争をも阻止することが出来る」というのもあります。私は大本の古い信者さんから、「日頃から『霊界物語』を音読しておれば、まさかの時には何をしたら良いか内流によって教えていただける」と聞いておりますが、とにかくキリスト教であれ神道であれ仏教であれ、神仏にすがりついてさえおれば、為すべきことを教えていただけるはずです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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