弘法大師空海 (アントロポス的存在) | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

 “司馬遼太郎氏は『坂の上の雲』の準備をしていた時期に空海全集を読んでいたという。空海について、「空海だけが日本の歴史のなかで民族社会的存在だけでなく、人類的な存在だったということがいえるのではないか。山鹿素行も本居宣長も平田篤胤もやはり日本の何某であり、かれらをアフリカの社会に住まわせて通用させることができず、西郷隆盛も内村鑑三も吉野作造も、その時代における日本的条件のなかでかまけざるを得ず、人類的人間に飛躍できなかった」「のちの世にあらわれる親鸞も道元も思想家的性格がつよく、本来持つべき宗教家的性格はその思想によって不覚なほどに透明になりすぎ、ざっと言えば、古代的な神秘性を失っていた」と彼は評し、空海の出家は「平安王朝の中期以後にあらわれるところの、一陣の無常の風に見舞われてにわかに世をはかなみ、頭を剃り、人間であることをやめ、山林に隠れてひたすら来世を冀うというふうの厭世的出家ではまるでなかった」と書いている。

 確かに、空海は日本文化史上随一の天才である。いつあれほどの異能を身に付けたのか、普通に考えたら、不思議としかいいようがない。

 神智学では、一二人の菩薩的存在について語っている。西洋にイエス(ゾロアスターの生まれ変わり)とローゼンクロイツ(かつての福音史家ヨハネ、のちのサン・ジェルマン)、東洋にクートフーミとモーリヤ。それから、ヒラリオン、セラピス、そして、ヴェネチアのマイスターと呼ばれる人物がいるという。この七名が繰り返し地上に現われて活動し、残りの五名は天界にいるとされる。

 さらに神智学は、五〇〇〇年ごとに人間段階から天使段階に移行する人物がいる、と考えている。釈迦がそうであったし、その次は弥勒である。釈迦の成仏の五〇〇〇年後に弥勒菩薩が仏になるというのは、一般に言われる弥勒下生=五六億七〇〇〇万年後とは齟齬が生じるが、印度や中国では数を誇張する文飾の風習があるというのである。日本の宗教思想・社会思想においては、近未来の理想世界として「みろくの世」が希求されてきた。

 これに近い発想が「水瓶座の次代」である。その時代は、黄道を一二等分したものを一つの宮とすると一五六〇年あまり先になり、各星座の大きさを考慮すると、まさに今がその開始時期だ。そのときには、西洋の知性と東洋の霊性が融合すると言われる。”

 

(日本心霊科学協会「心霊研究」2010年2月号 西川隆範『瞑想と儀式-その由来・発展・未来像を探る(肆拾漆)』より)

 

*今年は空海生誕1250年にあたり、真言宗各派では様々なイベントが企画されているようです。確かに日本の宗教史上、空海ほどの特異な人物はおらず、神通力を駆使して、時空を超えて今なお衆生一切の救済の為に活動しておられるのは、他には役行者くらいではないでしょうか。また真言宗は、大日如来を根本仏とする一方で、寺院によっては不動明王や観世音菩薩などを本尊としており、その多様な信仰形態はあらゆるものを包み込み、同化することができるようになっています。

 

*空海の幼名「真魚(まお)」は、『魚』を象徴とするキリストを連想させますが、真言密教とネストリウス派キリスト教(景教)の関連については古くから指摘されています。また、入定されるときの御遺言は「慈氏(弥勒菩薩・マイトレイヤ)下生を待つ」で、さらに鞍馬の大天狗・鞍馬山僧正坊は空海の孫弟子であったという伝承もあります。もしかしたら弘法大師空海そして真言密教を神智学的に解釈することによって、新たな発見が得られるかもしれません。

 

*西川隆範先生は、印度や中国の『文飾の風習』について述べておられますが、「大本神諭」には、「末法万年をちぢめて神国に立て直す」とあります。明治の言霊学の大家、大石凝真素美師は、五十六億七千万年の「年」を「念」と解釈し、予言的な「弥勒出現成就経」なるものを書き上げられました。そして、出口王仁三郎聖師の言葉には、「『霊界物語』は『弥勒胎蔵経』なり」とあり、さらに聖師は「(「霊界物語」は)新たな神を生むためもの」とも言われています。

 

 

 “空海(弘法大師)と役の行者は艮の金神の生まれ変わりだ。(昭和十九年二月)”

 

(木庭次守編「出口王仁三郎聖師玉言集 新月のかけ」より)

 

 

・十二人の救世主

 

  「…あなたはキリストの再臨に就てお出になつたといふ先達のお話しでしたが、私は世界各国を廻りましたが、印度にも支那にも日本にも露国にも又南米、メキシコにも救世主が現はれてをりますよ。何れどつかの或地点に救世主がお集まりになつて国会開きをお始めにならなくては真の救世主が人間としては分らないと思ひます。あなたは何う思ひますか」

 「兎も角世界の救世主が一所へお集まりになり、其中で最も公平無私にして仁慈に富める御方が真の救世主と選ばれるでせう。イスラエルの十二の流れから一人づつ救世主が出るといふことですから、其中から大救世主が出現されることと思ひます」

 

(「霊界物語 第六十四巻上 山河草木 卯の巻」『再転』より)

 

 

・天恩郷の「月の輪台」

 

 “真言宗の開祖・弘法大師(空海)は生前、高野山の秘壷に「古川のほとりに一人の神人あらわる、月の輪、萩の山」と記して「みろく菩薩」の下生を予見し、後世に遺したとの言い伝えがある。昭和の初めに天恩郷に来苑した真言密教大僧正・山岡瑞円師は、萩の咲く「月の輪台」を拝して驚嘆。出口王仁三郎聖師こそ“みろくさま”と確信したという。

 この「月の輪台」は天恩郷において、聖師による最初でまた最後のご造営所。聖師は大正8年末、亀山城跡を入手、同14年「天恩郷」と命名、神苑建設の第一着手として月照山(船岡山)の整地にご専念になり「月の輪台」を築造。また第二次大本事件後も、破壊し尽くされた天恩郷の再建を「月の輪台」の石積みから始められた。昭和21825日、石積みは完了。ところがその翌日から体調をくずされて1年あまりのご静養の末、昭和23119日にご昇天。出口すみこ二代教主は同年正月の夢で、聖師居室から、大きな美しい月が「月の輪台」に移るところをご覧になっている。” 

 

(「大本教学研鑽誌 まつのよ」第八号より )

 

*丸山貫長師や山岡瑞円師以後、残念ながら大本と真言宗との関係は薄れてしまったようですが、もはや慈氏(弥勒菩薩)が下生され、「みろくの世」に移行するための変動が始まりつつあるのであれば、今後真言宗の内部からも何らかの動き、変化が起こってくるのではないかと思います。

 

 

・ホワイトブラザーフッド(白色同胞団)について

 

〔ルドルフ・シュタイナー〕

 

 “霊的な人物はともに働きます。彼らは無駄に同時代に生まれるのではありません。人類進化の偉大な衝動は混ざり合って働きます。”

 

        (ルドルフ・シュタイナー「輪廻転生とカルマ」水声社より)

 

〔エドガー・ケイシー〕

 

問 ホワイトブラザーフッドの大師はどの程度までエドガー・ケイシーの活動を指導していますか。直轄している大師は誰ですか。

答 恵みの御座そのものから、より高き力からの使いです。

(254-83)

 

問 直轄しているのは誰ですか。サンジェルマンは、

答 (質問半ばで)主の主、王の王、あなた方が父と一つになれるために生まれた方の使いです。

(254-83)

 

問 サンジェルマンは中にいますか。ハラリエルとは誰ですか。

答 どれもいと高き方の使いにすぎません。ハラリエルは初めから天軍の一指導者であり、アリエルと共に打ち破り、理解の手立てとはいえ重苦しい道を作ってきた使いです。

(254-83)

 

問 サンジェルマンは中にいますか。

答 必要なときに。

(254-83)

 

 ギザの建造物はホワイトブラザーフッドの秘伝の宮となるべきものでした。(中略)この同じピラミッドの例の場所で、大秘伝者は、彼の先駆けと共に、ブラザーフッド最後の位階を得度されたのです。(5784-5)

 

 これは主の日の到来を叫んだ人ヨハネです。着衣で彼とわかります。彼の衣は雪のように白くなります。罪が緋のように赤い人も洗われて羊の毛のようになるのです。その足は粘土でも真鍮でもなく黄金のようです。ヨハネは当時も今もホワイトブラザーフッドの指導者の一人です。(587)

 

   (林陽編訳「エドガー・ケイシー名言集 知恵の宝庫」中央アート出版社より)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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