両手に地球を持った女神  | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

・大地の金神、金勝要神(きんかつかなめのかみ)  「二代さまの神格」

 

 “きんかつわ ちきゆうのへそにたんざして

 きようももつれのいとお とくなり

 きんかつわ ちきゆうのへそにたんざして

 もつれのいとお とくどうれしき

 きんかつわ ちきゆうのへそにたんざして

 もつれのいとのはたお おるなり

 

 綾部・長生殿の左側「白梅殿」では、毎年三月三十一日に二代教主さまのお作品が展示される。ご昇天の日に二代さまのお徳を偲ぶ神祭事の一環である。そこには、きまって次の半切のお歌が掲げられる。

 しよわ に十ごねんの十いちがつの 

 みつかわすみこうれしきひなりけり

  信徒は、そのお軸の前で両手をつき、姿勢を正して拝見する。が、このお歌がどのような意味であるのか、お判りではなさそうである。八年間梅松苑にお仕えしていた私は、お軸をおもちの井上恭子さんからことのいきさつを聞き、私のあと梅松苑管事となった吉田豊秋さんからも教わって、ご参拝の方にご案内していた。

 それは、昭和二十五年十一月三日、綾部市の市制一周年記念の祝賀行事として市民総参加の仮装行列があり、大本は「七福神の宝の入り船」を披露し、見事、一等賞に選ばれたのである。そのときの模様を井上さんは平成十六年十一月号の「おほもと」誌に発表された。その記事は『金勝要神が地球を受け取った』の見出しであった。

 「仮装した七福神の宝船は、世界の宝を山ほど乗せて梅松苑内に入り、彰徳殿(綾部町の体育館で、いまの緑寿館のあたりにあった)の前にいらっしゃった二代さまに献上したのです。その数々の宝の中に、ひときわ目立って大きな地球儀がありました。その地球儀を抱えられた二代さまは『金勝要の神が地球を受けとった』と、それはそれは大層なお喜びでした。そして

『私の生涯で、今日ほどうれしいことはない』

とおっしゃったのです」 となっている。記事には地球儀を抱かれたお姿の写真が添えられていた。このエピソード、人はいぶかれずにはいられないであろう。

 金沢に帰っていた私は、十一月号の「おほもと」誌を読んで綾部に電話し、井上さんからまた新しいエピソードを聞くことができた。

 さきにも紹介した梅田ヤスさんが、何か大きな敷物のようなものに、どっかとお座りになった二代さまに気付き「二代さま、何のうえに?」とお尋ねした。「はァ、これな」と二代さま。ご返事をまつまでもなく分かったのは、大型の世界地図であった。

 この世界地図の話はどなたからと聞かれましたか、と井上恭子さんに尋ねた。ご尊父、井上六合晴(くにはる)さんからだという。父は「梅田ヤスさんから聞き、文書にして本部に差し出したはずです」と。お座りになっていた場所は天恩郷の瑞生館の一室、おそらくは「聖師ご昇天の間」ではなかったか。

 「きんかつわ……」のお歌や地球儀のエピソード、さらに世界地図にどんとお座りのところを梅田ヤスさんにお見せになったのは、大地の金神、金勝要の神のご神格の片鱗をお見せになったのでは、と私は拝察する。ご昇天一年ほど前の「わしは、金勝カナメの神やぜ」と同様である。

 聖師は、大正八年十一月号の神霊界「随筆」に、

 「日本国の臍(へそ)なる世継王山に昇りて言霊の實習を成す」と、さらに進んで「日本は世界の中心(まんなか)」というお示しもある。

 ヘソは母体から生命を受け入れる急所、綾部は天地の神が降り上がりなされるところ(後述)とされるから、そこは綾部と答えるのが地球のヘソの真解ではなかろうか。”

 

(三ツ野眞三郎「そこは地球のへそ」(天声社)より)

 

*艮の金神様のお示しでは、皇道大本は「雛型経綸」の場であり、出された「型」がいずれ実地に廻ってくる、未来においてはるかに拡大した規模となって現実化するとされています(また、「大本神諭」や「霊界物語」に必ず日付が入っているように、日付にも重要な意味があります)。ならば二代さまが地球儀を受けとられたのも何かの型であるということになりますが、『私の生涯で、今日ほどうれしいことはない』とまで言われたとは、いったいこの「型」がこれからどのようなかたちで現実世界に顕われるのかが気になります。

 

 

・聖母マリアが望まれたこと  〔聖カタリーナ・ラブレー〕

 

 “シスター・カタリナはだんだん弱ってきて、死の日が遠くないことを感じました。けれども、マリアさまから託された願いがまだひとつかなっていないことが気にかかりました。両手に地球を持ったマリアさまの像をつくることです。マリアさまのことばを全部聞いてもらったアルデル神父さまはもう亡くなっていました。いったいだれに許可をもらえばよいでしょう。

 カタリナは長上のシスター・ジャンヌ・デュフスにこのことを話し、マリアさまとの出会いについても打ち明けました。

 「あなたにはすばらしいお恵みがあったのですね」とシスター・ジャンヌは感動して言いました。

 「わたしはマリアさまの道具にすぎません。何も知らないわたしをお選びになったのは、ほかの人ではマリアさまを疑うかもしれないというお考えだったのかもしれません」

 「シスター・ジャンヌ、両手に地球を持ったマリアさまの像をつくらなければなりません。お母さんが子どもを抱くように、マリアさまは世界のすべての命を神さまにお見せしているのです。イエスさまがこの世界を愛されたように、わたしたちも世界を愛するように、新しい世界を築くようにとおっしゃっているのです」

(「聖カタリナ・ラブレ」(ドン・ボスコ社)より)

 

*「不思議のメダイ」と、聖母マリアからそのメダイ作製の啓示を受けたフランスの修道女、聖カタリナ・ラブレのことはカトリック信徒でなくとも御存じの方は多いと思います。しかし、そのご出現のときに聖母マリアが、メダイの啓示とともに「地球儀を持った姿の聖母の像」をつくるよう望まれたことはほとんど知られていません。そして、聖母が望まれたということであれば、おそらくそこには何らかの重要な意味があるはずです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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