トイレの神様 (金勝要神(きんかつかねのかみ)) | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

・「便所にはとても美しく、尊い女神さまがいらっしゃる」

 

 “国祖の大神様が開祖様に

 「直よ、こんどの大望なご用をつとめあげてくれたら、どんな御礼でもするが、その方に望みはないか」

と申されたとき、開祖様が

 「せんち虫にしていただきとうございます」

と申されると、さすがの大神様も

 「直よ、えらいことを申す」

と驚かれたということです。

 「開祖様は、一代どん底におってというおもいで申されたのであろうが、せんち虫は便所のようなどん底におるが、やがて人の頭にもとまるようになる。これほど出世大将はない」

と開祖様は申された。

 苦労することは神に近寄ることである。立派な家を建てるには大きな基礎がいる。どん底に落ちてはじめて人生の味を悟る。どん底に落ちてはじめて物の有難さ、天地のご恩、天地の冥加を悟り、感謝の念がわいてくる。これすなわち神の御心に近寄ることを意味する。

 悪神から押し込められた神は、三千年の長き年月をカゲからご守護くださった。神はお宮に安定しておられるのではなく、みろくの世をつくるためにご活動くださっている。

 おかげとは、その神のみそばに近寄り、ご恩と御心を悟って、神の手足となって実行するところにある。

宮居が信仰礼拝の対象となってはいけない。神は物質的に立派なもののみをこのみたまわず。だから苦労も実地体験せねば、その真の味がわからない。

 二代様から以上のようなお話をうかがったことがある。

 この天地をおつくり下さった尊い偉大な大神様は、世におちて永い間ご苦労、ご艱難をされた。

 霊界物語第六巻に、次の国魂神、

     真澄姫神 純世姫神 言霊姫神 竜世姫神 高照姫神

 この五柱を総称して大地の金神、金勝要神というと示されている。金勝要神は、二代様のご神格としての神霊です。この大神様のご守護、おはたらきによって、私たちは幸福に生きさせていただいておるのです。

 「この大神は、雪隠の中に落とされた神」とあるように、これほど尊い大神様が、この世で一番汚い便所に落ちて、苦労、艱難をなめつつご守護してくださっていたのです。

 二代様は、

 「わしはな、便所へ行くと泣けて泣けてしょうがないのやで」

とよく申されていたことがあります。

 また開祖様も

 「尊い神さまが守っていてくださるのやから、便所に行っても、たんやつばをはいたり、はなをかんでほかしたり、そんなもったいないことを絶対にしてはなりません。なかでも、特に女の人はけがしているのじゃから、その気で感謝し、お掃除を充分させていただいておりたら、シモの病気はわずらわないのです」

と申されたことがあります。”

 

    (「愛善世界」1991年10月号 佐藤尊勇『苦労なしに花は咲かんぞよ』)

 

 

 “不思議に堪へずして、自分は金色燦爛たる珍玉(ちんぎょく)の明光を拝して、何となく力強く感じられ、眺めてゐた。次第々々に玉は大きくなるとともに、水晶のごとくに澄みきり、たちまち美はしき女神の御姿と変化した。全身金色にして仏祖のいはゆる、紫摩黄金の肌で、その上に玲瓏透明にましまし、白の衣裳と、下は緋の袴を穿ちたまふ、愛情あふるるばかりの女神であつた。女神は、自分の手をとり笑を含んで、

 『われは大便所(かはや)の神なり。汝に之を捧げむ』

と言下に御懐中より、八寸ばかりの比礼を自分の左手(ゆんで)に握らせたまひ、再会を約して、また元のごとく金色の玉となりて中空に舞ひ上り、電光石火のごとく、九重の雲深く天上に帰らせたまうた。

 その当時は、いかなる神様なるや、また自分にたいして何ゆゑに、かくのごとき珍宝を、かかる寂寥の境域に降りて、授けたまひしやが疑問であつた。しかし参綾後はじめて氷解ができた。

 教祖の御話に、

 

 『金勝要神(きんかつかねのかみ)は、全身黄金色であつて、大便所に永年のあひだ落され、苦労艱難の修行を積んだ大地の金神様である。その修行が積んで、今度は世に出て、結構な御用を遊ばすやうになりたのであるから、人間は大便所の掃除から、歓んで致すやうな精神にならぬと、誠の神の御用はできぬ。それに今の人民さんは、高い処へ上つて、高い役をしたがるが、神の御用をいたすものは、汚穢所(きたないところ)を、美しくするのを楽んで致すものでないと、三千世界の大洗濯、大掃除の御用は、到底勤め上りませぬ』

 

との御言葉を承はり、かつ神諭の何処にも記されたるを拝して、奇異の感に打たれ、神界の深遠微妙なる御経綸に驚いた。”

 

   (「霊界物語 第一巻 霊主体従 子の巻」『第八章 女神の出現』)