アメリカの政権交代の中、伊藤光晴先生のこの本が出版されて、奇しくも先生の趣旨に反する結果を目の当たりにして、我々はどこに行くのかという命題を与えられました。

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冒頭、伊藤光晴先生は、自らの集大成としての本書を書くにあたり、ケインズとシュンペーターに続いてこの本を書くことを生涯の目標としていました。欲を言えば、フランス経済について書くことも目標とされてましたが、これが先生の最後の本となるでしょう。

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アメリカが世界の中でも特殊なくにである、という事実はこの労働供給曲線の考え方の違いばかりでなく、トランプ現象にも現れています。アメリカは開拓者の国であり、自ら開拓した土地を自らので守ることを宿命づけられた特殊な国で、銃規制の考え方やオバマケアの否定も宿命なんですね。

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伊藤光晴先生の本は、わたしがたまたまポストケインジアンの端くれに帰属してから、プラザ合意を経て、バブル崩壊リーマンショックを経験して長いデフレとマイナス金利政策を目の当たりするという、歴史を体現していることを強く意識させてくれます。