フォードVSフェラーリ('20年1月 MOVIX京都) | Que amor con amor se paga

Que amor con amor se paga

映画・本などのネタバレメインのブログです
日常で気になったコトや動画も載せてます。

原題名:FORD v FERRARI

やっと書けた~。

カーレースの絶対王者・フェラーリに、フォードが'66年24時間ル・マン耐久レースの優勝をかけて挑んだ実話の映画化。

車マニアのブログ主としては

F1を題材とした話の映画化は難しいだろうけど
『RUSH』が映画化されたのであれば、何故この話は映画化されないので?

…と内心長いコト思ってた。

いや~、良かったです!

アラフォーやアラフィフで、人生に迷いが生じている人や、ビジネス、マーケティングに興味のある人には、共感が貰えるのではと 思ったりもします。

その理由は『顔は好みじゃないけど、出演する映画は好み』という主演のマットちゃんのコメント動画を見て下され。



え?ブログ主の好みだろうって?

誕生日(12日)に観に行った映画が、ドストライクに好みだったという、この嬉しさよ(ニンマリ)

カーレースが題材ってだけでなく、
『X-ミッション』『アメリカン・ギャングスター』の様に、
相反する境遇、性格の男たちが共通の目的に向かって、いがみ合いながらも立ち向かうという話?
これがツボなのよ。

皆で仲良しこよしの内輪映画とか
『ハイ、ここで笑ってくださいね~怖がってくださいね~』ってのが用意されている、今風の映画でない所もツボだった。

朝一番にジム→プール→映画で、上映時間に間に合うかどうか判らなかったので、券をネットで買わず劇場に30分前に入って購入しようと思ったら。

ほぼ満席状態(滝汗)ギリギリセーフ

…大作映画は、たいてい上映終了間近に観に行くので、こんなコトなないのだけど(おい)
上映第一週に観に行ったからかもしれん…

最前列なので遮るモノないんすが、お腹にドンドン響く、ド迫力で観てきました。

主演は『ジェイソン・ボーンシリーズ』でお馴染み、マット・ディモンと

カメレオン俳優として知られ、前作『バイス』から○キロ減量して今回の役に挑んだクリベことクリスチャン・ベール。

既に名声を確立しているディモンとクリベが、自らのキャリアを投影するかの様に、新たな境地を切り開くべく挑んだともいえる初共演。

監督は『LOGAN』『ナイト・アンド・デイ』のジェームス・マンゴールド。

脚本は『ジェームス・ブラウン~』のジェズ&ジョン・バターワース兄弟

撮影は『フェノミナン』『スーパー・チューズデイ~』の、フェドン・パパマイケル

衣装は『トランボ~』『ウォルト・ディズニーの約束』『フロスト×ニクソン』のダニエル・オーテンディ。

そんなワケで、予告編こちら、あらすじいってみる。



時は'62年米国。

レーシングドライバーのキャロル・シェルビー(マット・ディモン)は、ル・マン24時間耐久レースで優勝したものの、担当医のグランガー(ワランス・ランガム)から心臓病の悪化を警告され引退。

引退後は『シェルビー・アメリカン』を立ち上げ、フォード車からエンジン提供を受けながらコンセプトカーを作る日々を送っていた。

自分の名前で、ある程度車は売れるが、車を買いに来るのは

車をオシャレの一部としか思わない小金持ちばかり

かつての自分の様に、車の本能を引き出せる魅力ある顧客に出逢えない日々を送る事に飽きてきたシェルビーは、メカニックのフィル(レイ・マッキントン)に悶々とした思いをぶつけていた。

時同じくして、自らの整備工場を営む元レーサーのケン・マイルズ(クリスチャン・ベール)は、英国で功績を挙げ渡米。
MGの販売代理店として看板をあげ、整備工場を持ったものの、口減らずの偏屈ものである事が災いし、客は減る一方。

この日も、レーシング仕様の車のチューンナップを頼みに来た若造に

1速を高めに仕上げておいたからな

と、イヤミな調整をし、お代も取らずに追い返してしまった。

妻のモリー(カトリーナ・バルフェ)は、夫のメカへの純粋さ故の行動とはいえあきれ果て、
息子のピーター(ノア・ジュプ)は、父親の見果てぬ夢の唯一の応援団だった。

'63年、シェルビーは、コンセプトカー『ACコブラ』で、SSCAレースに参戦。

そんな彼の目に映ったのがマイルズだった。

大きすぎるV8エンジンを積み車のトランクが閉まらなくなり、検査員(エヴァン・アーノルド)に失格を告げられてもまだ喰い下がろうとするマイルズ。

フィルをはじめとするシェルビーのスタッフやドライバーは『よらぬ神に祟りなし』を貫く中、シェルビーはマイルズの中に、メカに対する純粋さを感じ取り、検査員に交渉を持ち掛け、マイルズの失格を取り消して貰う様配慮する。

余計な事はするなと言わんがばかりにマイルズはトランクの内側から叩き、無理やりトランクを閉め、手に持っていた片目片穴レンチをシェルビーに向かって投げつけた。

レンチはシェルビーに当たらず不運にもマイルズのエントリー車のフロントガラスの3分の1を砕いてしまった。



『息子が哀しむ顔がみたいのか?』シェルビーに言われ、我に返るマイルズ。
しょげている息子を見て、壊れたフロントガラスをガムテープで修理し、レースにエントリー。

マイルズは破天荒ながらレースに優勝するものの、工場は国税局の差し押さえにあってしまった。

このレースでシェルビーにエンジンを提供していたフォードの宣伝部長アイアコッカ(ジョン・バーンサル)は窮地に立たされていた。

フォードは、ハコ型のファミリーカーを作って売り出したものの、'60年代の高度経済成長期には慢性的は赤字が続いていた。

現社長のフォードⅡ世(トレイシー・レッツ)は、創業者の祖父からバトンを託された時には、会社は既に赤字で打つ手はなく、抜本的対策が練れていない状態だった。

役員会議でアイアコッカは、これからは車の実用性よりもライフスタイルやイメージを先行させて売るべきだと主張。

フォードはモーターレースで優勝したこともなければ、ハリウッドスターが欲しい車も作っていない、この2つを実現させているのはフェラーリだ。

フェラーリはモータースポーツへの巨額の投資がかさみ、今やマイルズ・デイビスなどの大物ジャズマンや、ハリウッドスターへの売れ行きよりも上回り、赤字となっている。

そこを狙い、米国でのフェラーリの販売網を約束する代わりに、24時間ル・マンやインディの出場権をフォードが握るという提案を出そうとする。

だが創業者のエンツオ・フェラーリ(レモ・ジローネ)は、自社のアイコンでもあるレーシング部門にケチを付けられたと激昂。

フォードは一生ハコ車を作っていろと一蹴。

あてつけの様に、レース部門で援助する事を約束したフィアットとの買収に応じた事がフォード本社に伝わり、フォードⅡ世は、アイアコッカに

金はいくらでも出す、フェラーリを打ちのめせ

と、レース部門設立へのゴーサインを出した。

アイアコッカは、その手始めとしてエンジンを提供していたシェルビーを引き抜く事を決意。

現場の知識があり、企業を相手にした状況でも自分をコントロールする事が出来るシェルビーは、元レーサーである為、名前も売れていたので、フォード側としても扱いやすかった。

だがシェルビーが参加する条件として付けくわえた事にアイアコッカは難色を示す。

シェルビーは、ドライバーとしてマイルズを起用しようと思っていたのだ。

マイルズは場末のダイナーにマイルズを呼び出し、フェラーリを3カ月で打ち負かすのに協力してくれないかと話を持ち掛ける。

200年?300年かかるんだろ?それを3カ月?

マイルズは全くもってシェルビーを信用していなかったが、背に腹は代えられず完成したプロトタイプのシェルビー・デイトナを見せられ、ドライバーとして契約する事に。

シェルビーとマイルズの、24時間ル・マンへの道がはじまったかに見えたが、そこには大きな壁が立ちはだかっていた…

以下ネタバレです。

いくら社長の鶴の一声で『レース参入』ったって、役員全員も諸手あげて賛成してるとは限らないんですよ。

その代表格が副社長のビーブ(ジョッシュ・ルーカス)で。

レース反対派で、あの手この手で、シェルビー+マイルズを追い出そうとします。

元々フォードそのものが国民車で、冒険する車会社ではないので、判らないでもない+
あんまりリスキーな車を作ったり、リスキーなプロジェクトを社内でやると銀行から融資降りなくなるという事かもしれないですよね。
オトナの考えで言うと。

この映画では、そうした『オトナのフツーな考えを持つ人→冷めたクソ野郎』みたいに描かれてるので、ジョッシュ・ルーカス、まぁまぁ好きな役者なだけでに、最後の最後までソンな役だなぁと思いました。

話を戻す。

マイルズは、フォードが新車・マスタングを発表する日に挨拶するから来てくれと言われるんすよ。

彼は『そうか~、挨拶の席でオレの事褒めてくれるんだな~』と大いなる勘違い(トホホ)をして、息子ピーターを連れて、きったないカッコして新車の展示会に行くのです。

展示会会場に付くと、周りは皆背広姿の人ばっかり(ガビーン)

ピーターは新車のマスタング見てペタペタ触るんですが、そこにビーブがやってきて

『汚いから触るな』みたいなコト言うんですよね~
ムカツク男だな~と。
で、マイルズが、ジロっとにらみつけて

『秘書が乗るみたいな車だな』

と、新車のマスタングを一瞥するのです。
マイルズから見れば

性能もルックスも510ブルーバードみたいなハコ車
なのだから。

仰々しく『触るな』と言えるシロモノでもないわけで。

でもって、スピーチの為にシェルビーが登板するんですが、登板の仕方が派手。

空からプロペラ機で、『トップガン』のOPよろしくアクロバット飛行しながら、飛んでくる。

マイルズは、その後に、フォード社の重役連中に自分の音を総会してくれるのかな~と、オトナなのに、おめでてーコトを考えているのですよ。

が、シェルビーは、『フォード社のために全力尽くします』って、『ホントは思ってないんだけど建前』なコメント言っちゃう。

マイルズはアホらしくなって息子つれて帰っちゃうんだけど、その日の晩、シェルビーに、デイトナのプロトタイプを見せられ

『これでも専属ドライバーやらないの?お金困ってるんでしょ?』

…と弱いトコロをつかれてしまい、契約
後で奥さんのモリーにバレて『ウソついたわね!』とトンデモな目に遭ってしまうという。

マイルズは専属ドライバーになったのだから、これでレースに参戦出来ると喜び、シェルビーやフィルの作った車のテストドライバーとして毎日の様に付き合い、ここを改良した方がいいと、シェルビーお抱えのフィルだけでなく
フォード社の主任メカニック、チャーリー(ジャック・マクマーレン)にも臆することなく意見を言うのです。

ル・マンのレギュレーションはフランス語で書いてあるのですが、全員『フランス語よめねぇぇぇ~』と放置してて(滝汗)
アレで大丈夫なのかとも思いましたが。

仕上げには、もう少し調整が必要だという時に、'65年のル・マン24時間耐久レースを迎えるのですが、ここでビーブの嫌がらせが入り、マイルズはドライバーから外されてしまうのです。

判ってくれという顔でシェルビーはマイルズを説得するんですが、マイルズは『そんな事判るけぇ』という顔で執務室を出ていきます。

これはマイルズが言ってた事なのですが

レースはレスリングじゃない。
バレエだ。

マシンを乱暴に扱うな
マシンは野蛮なお嬢さんだと思え。

マシンと美しく繊細なダンスが踊れるかどうかで、レースの勝者が決まる


マイルズは、今だったらセルゲイ・ポルーニンの様な『野蛮な繊細さ』をレーシングマシンの中に感じ取らない輩は優勝出来ないと思っていたんでしょうねぇ。

マイルズ役のクリベのインタブーがこちら。

どっちかっつーと、ブログ主は、マットちゃんよりも、ずけずけ物言いのクリベのインタブーの方に共感しちゃうw



当然の事ながら、書面で会社の運命が決まると思ってる重役連中に話が通じるはずもない。

'65年のル・マン耐久レースの時は工場でラジオの実況を聞いていたマイルズ。
そんな彼に夜食を持ってくる奥さんのモリー。

マイルズが出場しなかったこのレースはトランスミッションの故障で惨敗。

なんつーても

24時間耐久レースの間に、9000回のシフトチェンジ。

ブレーキパットが摩耗し、いつ発火するか判らない。

ガソリンタンクは助手席にあるというロケットの様なレーシングカーに命がけで乗っていた時代


ギアを丁寧に扱わなければ壊れてもおかしくない。

勝利できなかった為、社長に呼び出されたシェルビーは、レース途中で故障して火を噴かなかったのは唯一ブレーキだけだ。

ブレーキから火を噴いたらドライバーの命の保証はなかった。
次のレース、デイトナでマイルズを出場させて欲しいと直談判するのです。



肝心のマイルズは、すっかりやる気なくしてます。

そりゃーそうで。

アイアコッカから、フォードのレーシング部門の責任者にビーブが立候補したという話を聞かされたからです。

ビーブは自分が立候補して、何かあったらレーシング部門をツブそうとしていたワケなのです。

ま~、会社の副社長というポジションなので、なんとでも出来ると思ったんでしょうねぇ。

やる気ゼロのマイルズに、シェルビーは、『お前を出走させる為に、オレがどんなに苦労してるのか判ってるのか』とつっかかり、マイルズは 『出走させると約束したくせに、'65年のル・マン出れなかったじゃなねーか、今年もどうでそうだろ?謝れよ』と、ケンカ吹っかけるのです。

で、お互い取っ組み合いのケンカ。

しかもマイルズの家の真ん前なので、奥さんのモリーは、喧嘩してる2人を玄関先に椅子だしてみてる『バッカじゃないqqqqこの2人』って感じで。

ジェイソン・ボーンとバットマンも、これじゃーなぁqqqq



ビーブが社長連れて現場の視察に来ると言い出したのです。

しかも視察の日の前日にマイルズがテストを重ねたフォードのテストカー・GT40のブレーキから火を吹いて、マイルズは、かろうじて脱出。

まさかの、レースに使うプロトカーが1台しかない事態の時に、社長+副社長が現場に視察に来るというサイアクの事態に。

さすがのマイルズも『どうする?』とシェルビーに相談するとシェルビーは『イチかバチかの賭けがある』というのです。

そのイチがバチかなんすが。

視察に来たビーブを工場に案内するフリをして執務室に閉じこめ、社長をプロトカーの助手席に乗せてシェルビーがテストコースを運転するという、トンデモなモノ。

社長は、ギャーギャーわめくし、閉じこめられたビーブは『ここから出せ』と執務室でわめく。

のでメカニックのチャーリーは、周りに気づかれない様に、そこらへんにある車のエンジンを片っ端からかけるのです。
一緒に視察に来てる社長にバレたら大事ですからwwww



でもって、戻ってきた社長は、一言

『父に見せたかった』

売上ばかりを気にして顧客の顔色を伺う車を作らざるを得なくなったという現状や、創業者である祖父から会社を継いだものの、胃癌で命を落とした現社長の父を偲んでの事だったかもしれません。

感慨に浸る社長に、シェルビーは'66年の24時間ル・マン耐久レースのメインドライバーをマイルズにする事と、もしもフェラーリを追い抜けなかった場合は、自分の会社、シェルビー・アメリカンの権利を譲渡すると約束するのです。

シェルビーがここまで粘り強く交渉して、やっとこさ、マイルズは'66年ル・マン耐久レースの前哨戦と言えるデイトナのドライバーズシートを確保する事が出来ます。

それでも、まぁ、ビーブは圧力かけてくるんですけどねwwww
メディア相手に

レースで(ドライバーが出す)スピードも、RPM(エンジン回転数)も私が決定する

…と鼻タカなコトをヌカすんですよwwww

エエっ( ゚д゚)ポカーン

オバホもした事ねぇだろっ!お前!
呆れてツっこめねぇって領域だし

ビーブは何としてもマイルズのマシンにスピードを出させまいと、現場のメカニックに命じて、エンジン回転数を落とせとボードで指示させようとするのです。

ここぞという時に、追い抜かないマイルズのマシンを見て、おかしいと思ったシェルビーは、ビーブの指示を真に受けているメカニックを押しのけて、チョークでボードに手書き

マイルズはシェルビーが『7000RPM』とボードに掲げているのを見て、ブっ飛ばし、ガンガン追い抜いていき、デイトナで勝利をおさめます。

そして迎えた'66年ル・マン24時間耐久レース。

いきなりマイルズの前の車が事故って、宙を舞い跳ね返ってくるのです(予告にもあるアレ)

間一髪でよけたものの、ドアが閉まらなくなり、急遽ピットイン。

ハンマーでドアをガンガン叩いて、出走し直すのですが、周回遅れになり、飛ばして追いつこうとします。

当然のコトながら、ビーブに予定と違うとツっこまれるシェルビーですが、シェルビーは『予定なんか変わるもんだ』と平然としてるのです。



フェラーリと並ぶレースチーム・ブラバムの
デニス・ホルム(ベン・コリンズ)らと競り合った後、バンバン飛ばしたマイルズは、あと少しでトップを独占するフェラーリを追い越せたという所まで来るのですが、ピットイン。

以前から問題視されていたブレーキを交換します。

そこですかさず、フェラーリのメカニックたちがブレーキの交換はシャシーの一部の交換になるからレギュレーション違反だとツっこむのです。

シェルビーにしてみれば、うっせー重役だけでなく敵側までツっこむのかよ~、めんどくせーなーなんですが。

彼は『オトナの対応+オコチャマな倍返し』をセットでやりますw
シェルビーはフェラーリ側に

ブレーキはパーツの一部だと『限りなく黒に近い事を真っ白にするような言い訳』をした上、
渋々納得したフェラーリのメカニックを見送った後
フェラーリのピットからストップウォッチをパチり
向こうのピットに小さなナットをポイ捨てし、メカニックをパニくらせるというイケズまでするqqqq


メカニックのフィルが後から気づき、えええええええ?そんな事していいのん??という顔をしています。

そ、それでもまだ、フォード側には、ビーブという、疫病神がおるんですよ!

メカニックもビーブから『オレのいう事は社長命令なんだから、何かあったら逐一報告しろ』と言われているので、シェルビーに通す前に、彼に報告してしまうのです。
その為に、マイルズはいつまでたっても本領が発揮できない。
上司に恵まれない部下みたいです。

ピットには本部に繋がる内線電話があるのですが、シェルビーは、メカニックたちに

その電話はビーブに繋がるから出るな!

と、指示。

シェルビーからの指示をえて、やっと水をえた魚の様になったマイルズは、トップを走るフェラーリNo.21のドライバー、ロレンゾ・バンディーニ(フランチェスコ・バウコ)を捉えます。

この時のフェラーリのメカニックは、

ブルース・マクラーレン

現在もトップに輝くレーチングチーム『マクラーレン』創業者なのです。

フォードからしてみれば、マクラーレン『本人』在籍当時の絶対王者フェラーリからトップの座を奪い取るというのが、どれだけ無謀な賭けだったかという事になります。

'66年のル・マンはフォードにとってラッキーだったのか、どうか判らないのですが、バンディーニのマシンはマイルズと競り合った結果、エンジンブローを起こしマイルズがトップに踊りでます。

このままブっちぎりトップでマイルズがゴールかと思うんす、がっ!

またもやビーブがジャマをするんですよ(涙)

フェラーリのマシンが全滅して、1~3位までフォード社が独占してるので、1~3位まで横並びでゴールすればどうかと、バカな提案してくるのです。

シェルビーは、今更なんだー!とこの時ばかりは、ビーブに喰いかかります。
そりゃそうですよ。
観客からはマイルズコール起こってるし、全員が認めているのに

認めていないのはショボい保守派の論客だけ

だからフォードって会社は赤字になったんだろ?ええっ?ってヤツなんですが。

最後のラップはマイルズが出走する事になってるので、マイルズは休んでいます。

シェルビーは、とぼとぼとマイルズの元に行くのですが、この頃になるとマイルズも『なんかマズい事言われたんだろうな』という察しがつくのです。

ビーブがあんなコトを言ってるけど、従うかどうかはお前に任せるよとマイルズに言います。

マイルズは、出走しブっ飛ばしていき、ラップタイムを縮めていきます。

ビーブはピットで青ざめてるのですが、シェルビーは動じません。

最終コーナーを前にしてマイルズは自己記録を更新した後、後ろを見ると誰もついてきていないことに気づき、徐々に速度を落とします。

TVで、レースを見届けていたマイルズの息子ピーターは、モリーに『どうしてスピードを落とすの』と聞くのですが、モリーは、大人になった夫の判断を喜ぶのです。

ここで、マイルズが1位で、万々歳だと思うでしょ?

違うんすよqqq

マイルズよりも少し後から出走したフォードのクリス・エイモンが1位で、マイルズは2位だったのです。

エイモンはフォード専属のドライバーで、ビーブからしてみれば、今後の会社経営の為には融資を受けられるからとか、簡単な言葉で言えば

大人のやましさ?汚さ?

そういうモノなんでしょうねぇ。

シェルビーは『てめぇ!ハメやがったな!』とビーブに、突っかかります。

茫然とするマイルズですが、空を見上げた彼の目線の先にあったのは

マイルズに敬意を贈るフェラーリ会長の姿

勝利のダシに使った企業の重役よりも、敵に認められる方が、よっぽどスカっとしますよね。

シェルビーとマイルズは、あほらしー、帰ろ帰ろqqqq
次は、どんな車つくろーかー
とサーキットを後にします。

2人のコンビは永遠に続くのかと言われば、そうではないのであって。

マイルズは、その年の8月、テストドライブの最中にブレーキの故障で車が爆発。
息子ピーターの前で帰らぬ人となってしまいます。

それから半年後。

シェルビーは、元の様に車を売る仕事に戻っているのですが、やる気ゼロなのです。

フォードで活躍した事から、なおさら自分の名前が売れたのですが、客は彼の名前で買う小金持ちばかり。

夫婦で1台ずつ購入するというお得意様が現れても

1時間も試乗しないで車買うのかよ

…と、執務室で毒吐きしてるのです。

フィルは、そんな彼をみて

もう(マイルズが死んで)半年になるんだぞ。

とたしなめます。

判っちゃいるのだけど立ち直れない。

この映画、シェルビーが、'59年、アストンマーチンに乗ってル・マン24時間耐久レースに出場する所から始まるのですが

エンジンから発火し、耐火スーツに燃え移っても、まだ続けると言い張るシェルビーの姿が映ります。

ですがそれは、彼のレーサー生命の終わりを意味し、この後のシーンで、彼は持病の心臓病の悪化からレーサーとしてのキャリアを絶たれてしまうのです。

昔の名前で車を売るセールスマンに成り果てた彼の前に現れたのがマイルズ。

そして絶対王者に挑戦するチャンスを与えてくれたのがフォード。

その両方を失った彼は、もぬけの殻の様になってしまったのです。

40代という人生の節目で、賭けるものを失ってしまった上に、相棒と思えるマイルズも失ってしまった。

シェルビーは、仕事を抜け出し、マイルズの家の前まで行きます。

もうマイルズはいないのに。

後ろからピーターが自転車でやってきて、声をかけ、去っていきます。

残されたシェルビーが、涙をこらえ車を走らせる所で映画は幕を閉じます。

最近の映画って、なんつーのか

ここで笑って~ここで泣いて~みたいに、決められてるじゃないですかqqqqq

でもって『こういうストーリー展開になったのは映画配給会社(どことは言わないけど、あっちこっちの会社買収してるディ○ニーとか)の 圧迫受けてるんだろうなぁqqqq』という気がしないでもないってのが見え隠れしたり。


そういうのじゃなくて、CGに極力頼らず、ロケを中心にして、セットを作り、ストーリーも人間関係にきちんと絞った所が、グッドだと思う。

レース場は、わざわざあのセットを作ったらしいし、フォードの工場もわずかなシーンしか出てこないのだけど

あのシーンで製造されている車(フォード・ファルコン)をネットで『同じ年代のモノ』を20台探して→バラして→塗装しなおして→

あたかも工場で今作ってます、って感じに仕上げた、というこだわりよう。

いやはやまいったね。

ブログ主の様な車ヲタだったら、ごまかせば
なんだコリャ違うじゃねーかよ(激怒)
モノであり、車に何の興味もない人なら
この手のシーン、どうでもよいのだろうけど、あえてゴマかさなかった所がナイス。

ちなみに、劇中のレースカー、

塗装だけで100万ドル(1億3000万円)で、

フェラーリの落札価格は、一台46億円


だったらしいよ…。

この映画、実際のレースシーンは

'66年ル・マンに出場していたレーサーの息子

たちがスタントダブルとして出ている所がツボです。
彼らもレーサーもしくは、元レーサーなので。

このレースに出走したダン・ガーニーの息子はアレックス・ガーニー
彼がオヤジさん出走シーンのスタントダブルをしたそうで




ル・マンで3度の優勝経験を持つレーサー、フィル・ヒルの息子デレク・ヒルもスタントダブルとして出てますね。

こちらはジェームス・ハントの息子フレディ・ハントと共に出ている動画ですが。



金も手間暇も惜しげなくかかった映画で、ブログ主としては、久々にお腹満腹映画でした。

時代背景や、映画の作風として、マイルズの様な破天荒な人間をどうやって生かしていこうかとする周りの人間の描かれ方?
そういうのも好みでしたね。

ホラ、今って、コネがありそうな人に『よろしくお願いしまぁす(ペコリ)』と下手に出る人が何でもいい様に言われるじゃないですか。

そういう人に鉄拳食らわせるような作りになってるのもツボでした。