昨日の記事 「結婚相手や恋人の選び方(6)」 の続きです。
再度、おさらいの意味で、数学における 「秘書問題」 を整理してみます。
「秘書問題」 のおさらい
秘書を1人採用したいと考えている会社があったとします。
会社は一人一人面接していくわけですが、面接が終了したら、面接者はその場で応募者に採用か不採用を告げなければなりません。
会社は、応募者の中で一番優秀な人を採用したいと考えているのですが、その場合、採用者をどのように選んだら良いでしょうか、というのが 「秘書問題」 です。
つまりはこの問題を、数学の 「確立論」 で、どのように解いたら良いか、という問題なのです。
この問題の解法はここでは詳しく説明しませんが、興味のある方は、「運命の人と出会う確率」 をご参照下さい。
そして、この問題ぼアレンジをちょっと変えてみると、次のような 「お見合い問題」 や 「結婚問題」 にも化けるわけです。(笑)
そして、この 「秘書問題」 を解くと、最も優秀な秘書を採用する確率、あるいは、最高の男性と結婚できる確率は、下の図のような分布を示し、37人(100/2.718=36.791758)を見送るとき、これらの確率が最大となることが分かっています。
「秘書問題」 を応用する
「秘書問題」 は純粋な統計的な数学の問題ですが、これを実際に現実の問題。例えば 「結婚」 であったり 「恋人」 の選ぶのに、どのように応用したら良いのかについて、今までいろいろと議論してきました。
また、この 「秘書問題」 に基づいて 「出会い」 というものを考えた場合、「見送り」 を続けて行くと、どのような状況に陥るのかというものを、考察してきたわけです。
あらためて、「秘書問題」 の 「結婚」 や 「恋愛」 その他への適用について、整理してみたいと思います。
(1) 過去の異性の取扱い
既に交際が終了している異性は、どのように扱ったら良いのでしょうか。現在の視点で評価する場合は、過去にスルーした(見送った)人として、過去の視点に戻って評価する場合には、その遡った時点で既に交際を終了している人は、過去にスルーした人として、遡った時点より後に交際を始めた人については、それ以降に出会う人として取り扱います。
また、異性と交際するに際しては、必ずしも目的やゴールが明白になっているとは限りません。そのような場合は、例えば 「結婚」 について評価してみる場合は、過去に交際した人全てを時系列に登場させる必要はなく、自分の主観で構いませんので、少なくとも自分はその相手との 「結婚」 を当時意識していたか。意識することがあったかどうかで、列に加えたり、列から除いたりしてみて下さい。
「秘書問題」 を 「結婚」 に適用する場合は、自分が少なくとも 「結婚」 を意識するか、あるいは、「結婚」 を前提に会っている人の時系列な 「リスト(列)」 を、「恋愛」 に適用する場合は、少なくとも自分が好意を抱いており交際に至った人の 「リスト(列)」、そして 「セフレ」 に適用する場合は、一夜限りのラブアフェアなどの場合は、加味しても意味がないような気がしますが、二人の間の感情の如何にかかわらず、「セックス」 を共にした人の 「リスト(列)」 を作成して、「秘書問題」 に適用します。
「セフレ」 という表現が不愉快だという人は、「セックス」 という表現でも構いません。
「結婚」、「恋愛」、「セックス」 という視点あるいは観点から、過去に出会った人、そしてこれから出会う人を評価する評価軸であると理解して下さい。
(2) 母数 N は状況に合わせて可変
「秘書問題」 においては、母数 N は既知の数値として扱いますが、現実の問題に適用する場合は、過去に出会った人、現在会っている人に、これから会う未知の人を含めた数が 「総人数」 となります。
このため、母数は既知の固定値ではなく、例えば、現在4人をスルーしている状況下では、「秘書問題」 における目標値としての母数は、12 であるけれども、37人スルーした場合は、「秘書問題」 における母数が 100になる、といったように、これからの仮定を含めた 「仮の固定値」 という位置付けになります。
もちろん、「秘書問題」 に適用するにあたっては、出来るだけ少ない母数、つまりは出来るだけ少ない人数の中で、最良の人。自分が 「これだ!」 と言える人に出会えることであり、いたずらに母数を大きくすることが目的ではありません。
(3) 評価基準、評価尺度
「価値観」 もそうですが、異性の 「評価基準」 や 「評価尺度」 といったものも、やはりいろいろと経験し、成長するに連れて、変わってくると思います。
変わるのは構わないのですが、1回の 「秘書問題」 の適用評価においては、同じ 「評価基準」、同じ「評価尺度」 を用います。
場合によっては、以前は 「リスト(列)」 に記載されていた人が除外されていたり、あるいは、新しく追加されているかも知れませんが、これは、「価値観」、「評価基準」、「評価尺度」 の変更に伴う修正になりますので、それは問題ありません。
評価時の注意点
新たに 「お付き合い」 が生じたら、「結婚」、「恋愛」、「セックス」 といった評価軸に応じて個々に評価し、スルーした(見送った)人たちの中での最高点と比較をし、もし、新たに 「お付き合い」 した人の評価値が、その最高点よりも高いようであれば、少なくともその 「秘書問題」 の母数の中では、最良である人である可能性が高い、ということになります。
(1) いたずらに母数を大きくするのは危険
つまり、それまでに4人をスルーしている状況であり、今回の人が5番目の人だとしたら、少なくとも、まだ会っていない7人を含めた12人の中で、最良である可能性が高いということです。
これは逆に言えば、もし、この人を見送ってしまった場合、次にもっと良い人に出会うためには、母数が 15人になるので、最悪の場合、最長で 10人と会わないと、出会うことが出来ないということになります。
もちろん、「確率論」 である以上、必ずその人が 「最良の人」 になるということではありません。
大切なことは、ただいたずらにスルーするのではなく、数学的に算出されるリスクというものもきちんと認識した上で、誠意をもって、目の前にいる人に真摯に対峙することだと思います。
(2) 行列を意識する
行列というのは、これから面接を受ける 「面接者」 の列のことです。
「秘書問題」 においては、少なくとも、秘書に応募したいという意識があること。また、秘書を担うにあたって最低限求められる条件は満たしていることが前提となりますが、「結婚」 や 「恋愛」、「セフレ」 といった現実問題に 「秘書問題」 を適用するにあたっても、これと同じことが言えます。
そして、そのときに注意することは、「今現在、行列には何人の人が並んでいますか?」 ということです。
次の面接までに、1週間から1ヶ月を要するとしたら、その分、出会うまでに時間が掛かるようになります。
時間の問題だけなら、まだ良いのですが、あまりにも条件がきつ過ぎて応募が少ない場合は、一向に面接が進みませんし、もしかしたら、最後まで応募者が現れないかも知れません。
例えば、自分の 「結婚」 相手に 「大卒」 であることを望む場合、4年制でおよそ50%、短期大学で 5%ほどですが、難関大学となるともなると 15% に激減します。
性差も考えれば、短大を含む大卒で 28%、難関大学卒で 7%という数値になります。
この上にまた、年齢とか年収とか身長とか、いろいろとまた条件が付くことでしょうし、それをクリアした上で、あなたに関心を寄せる人達が応募するわけです。
「秘書問題」 上は母数が 6 だったとすると、1/6の確率で存在する 「一番良い人」 を選ぶ程度の比較的小さな問題に見えるわけですが、しかし実質的には、28%の確率で存在する人達の中での 1/6 ですから、4.67%。もし、難関大学卒であれば、7%の確率で存在する人達の中での 1/6 ですから、1.17% という選択を行っていることになるわけです。
その辺をきちんと意識せず、条件を付けるのは、タダだからと言って、あまり最初から多くの条件を付けてしまうと、行列にほとんど人が並ばず、それでは 「開店休業」 の状態に陥ってしまい、活動が停止してしまいます。
それでは、「出会い」 がないわけですから、そもそも 「婚活」 の意味がないということ。
自分が相手に望む条件があまりに多岐に渡る場合、たまにはその条件を満たす誠実な人も応募してくるかもしれませんが、寄ってくるのは 「真面目」 な人ではなく、「ダメ元」 で飛び込んで来る輩であったり、あるいはそうでなければ、「嘘つき」 の方が多いかも知れません。(苦笑)
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道端アンジェリカも、結局は、年収4000万を越える人は並んでくれなかったか、あるいは、年収4000万を越えて、かつ、彼女のいろいろな要求を満たす人が存在しなかったのでしょう。
(つづく)
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