以前、自分の記事 「『食』 と 『セックス』 の話(6)」 のところで、「うつ消しごはん」 の話を取り上げました。
うつ消しごはん
これは、アメブロに書かれている 「藤川徳美」 という精神科医の先生が書かれている本で、「タンパク質と鉄をたっぷり摂れば心と体はみるみる軽くなる!」 というもの。
日本人に不足している、「鉄分」 と 「タンパク質」。
この先生は、どうやら、日本人の 「鬱(うつ)」 の発症と相関していると確信しているわけで、タンパク質の摂取と併せて、特に女性には 「鉄分」 の摂取を薦めている本です。
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うつ消しごはん―タンパク質と鉄をたっぷり摂れば心と体はみるみる軽くなる!
1,430円
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食事療法だけで治れば苦労しない
しかし、最近では、次のような記事も書かれています。
しかし、相談された医者が、このように回答したとしても、それは当然と言えるでしょう。
医学的には、きちんとした実験とデータに基づき、統計的にも有意な関係が見られるかどうか科学的に検証し、また、その仕組みについても学術的に明らかになるか、多くの人たちの経験値が積み重なって、はじめて定説となるものです。
まだ、一般的な知見とななっていない状況下において、この先生が確信している 「兆候」 に耳も傾けなければ、「興味」 も示さない医者に、いくら相談したところで、返ってくる答えは、そのようなことは 「学術的には証明されていません」 あるいは 「理論的には裏付けられてはおりません」 という答えのみだからです。
そして、聞かれた側の医者にしてみれば、仮にそれがひとつの要因ではあったとしても、「栄養剤で治るなら苦労しない」 というのが本音でしょう。
原因があると 「鬱」 ではない?
自分は、医師ではないので、正確に表現できるか分かりませんが、自分が認識している範囲で話しますと、
以前は、「悩みごと」 とか 「トラブル」 とか、「鬱(うつ)」 の原因となる理由のようなものがあると、医者には、「それは鬱(うつ)ではありません」 と言われましたが、最近の医者は、その原因と目される原因があっても、「それは鬱(うつ)です」 と言います。(笑)
とても可笑しな話なのですが、しかし昔は、特に原因も見当たらないような漠然とした不安のようなもの。原因が見当たらない不安を 「鬱(うつ)」 と呼んでいたわけです。
要は、原因が分かっている不安なんか、誰にでも定常的にあるのだから、それは 「鬱(うつ)」 病ではないということです。
では、最近の医者はなんで逆転したのか?
今でも、「鬱(うつ)症状」 と 「鬱(うつ)病」 は、区別されていると思います。
しかし、患者の方は、「鬱(うつ)だ」 とか 「鬱(うつ)っぽい」 とか 「憂鬱だ」 と先生に症状を訴えます。しかし、先生に 「それは鬱(うつ)ではありません」 と言われると、患者は訳が分からなくなります。
患者にしてみれば、診断名が 「鬱(うつ)」 であろうがなかろうが、楽になれば良いのです。(苦笑)
医師ではありませんので、単なる想像に過ぎませんが、昔は、海外は海外、日本は日本という独自色を出す傾向が強かったのですが、昨今は、WHO など海外での定義に合わせる傾向が出て来ているということです。
現実問題としては、原因が分かっている不安であっても、それが高じて鬱(うつ)的症状を呈する場合は少なくないでしょうし、病院に訪れる患者は、うつ的な症状が酷く辛いから、病院のドアをノックしているわけですから、「それもまとめて治療対象にしましょう」 的な 「方針転換」 のようなものが、あったのではないでしょうか。
食事療法の適用
この本を買って読んだわけではないので、あまり偉そうなことは言えないのですが、そもそも紹介に至った理由は、女性の 「鉄分」 不足と 「鬱(うつ)」 を絡めた話があったためです。
この先生の仮説が正しく、その人の 「鬱(うつ)」 が 「鉄分」 と 「タンパク質」 不足を原因のひとつとしているのであれば、その 「うつ症状」 は改善するのでしょう。
食事やサプリメントで、改善が見られるのであれば、それは儲けものです。
しっかりと栄養を取り、気力を充実させることが、そもそも悪いはずもありません。(笑)
漢方ではありませんが、即効性は期待出来なくても、食生活が改善されるのであれば、それに越したことはないわけです。
クスリを飲んでも治るはずがない
では、現代の精神医療においては、原因のあるうつも、「鬱」 として扱うということにしましょう。
そこで医師が処方するのは、「お薬」 です。
眠れなければ睡眠薬。不安が強ければ 「抗不安薬」。とにかくありとあらゆる症状を緩和するお薬が処方されますし、「胃が痛い」 となれば、検査をして潰瘍の有無とか、胃酸の状態を調べて鑑別診断し、それに対する処方薬を出すという流れ。
つまりは、「対症療法」 なわけです。「対症療法」 ですから、症状は緩和されますが、しかし、虫歯を放置して、鎮痛剤を飲んだり、麻酔の注射を打っているようなものですから、原因がそのままの状態では、いつまで経っても治るはずがありません。
そして、心療内科や精神科で処方する薬の大半は、「対症療法」 で用いている、症状を緩和する薬に過ぎないのです。
もし、原因が明らかな問題があるのであれば、それを解決しない限りは、治らないわけです。
最近の研究では、「うつ」 などの長期ストレスによって、脳が委縮したり、脳細胞が傷付くことが分かって来ています。症状の緩和も大事ですが、それと共に長期化させないような方策が求められるのです。
では、どうやってその 「問題」 を解決したら良いのか?
カウンセリングの重要性
昔の医者であれば、「それはわたしの専門ではありません」 の放り出していたかも知れませんし、気の良いお医者さんであれば、患者の相談にも乗ってあげていたことでしょう。
今は、それゆえに、保険診療の対象ではないかも知れませんが、「診療心理士」 という民間資格を取得し、こういった相談に対応されている方々もおりますし、昨今では、国家資格として 「公認心理士」 という資格も検討されているようです。
個人的には、国家資格が 「公認心理士」 で、民間資格が 「診療心理師」 というネームの逆転現象が、笑えて笑えて仕方ないのですが (苦笑)
思い当たる原因がない状態で鬱(うつ)的症状を呈するのが 「うつ病」 ですが、人は現実を生きていく上で、たくさんのストレスを抱えて生きているわけです。
そして、これらのストレスが 「鬱(うつ)」 の要因となっている場合は、「適応障害」 と診断されるわけですが、その場合も、単に 「仕事」 や 「会社」 あるいは 「職場の問題」 とひとつに決めつけられるものではなく、「家庭の問題」 が複合的に掛かってくる場合もあるかも知れませんし、また、鬱(うつ)的症状を呈することによって新たに、「家庭」 や 「社会」 に問題が波及する場合もあるわけですし、突き詰めていくと、問題が自分に内在している場合も、あるかも知れないのです。
仕事や職場の悩みばかりではなく、家庭問題にしても、介護問題にしても、結婚離婚の問題にしても、浮気の問題にしても、子供の教育にしても、全てを 「相手のせい」 にしたところで、気持ちは楽になるかも知れませんが、問題は何も一向に解決しないのです。
結局は、「心」 と 「環境」 が複雑に絡み合っている状態を、丁寧に解いていかないといけないのです。
「鬱」 を乗り越える三本柱
「食事療法」 を入れると、四本になってしまいますが、女性は特に 「鉄分」 も 「タンパク質」 も不足気味ですから、食事療法は前提として話をしますと、大事なことは、① 「薬の処方」、② 「カウンセリング」 と、もうひとつ ③ 「マッサージ」 があげられます。
① の薬の処方は、症状を緩和し、毎日の生活の質を改善していく上で必要になります。薬で症状を緩和した余力で、現状の問題を一歩一歩、解決していかなければならないわけです。
② の 「カウンセリング」 は、現状の問題を整理し、その進捗や効果を見ていく上で、大変重要な役割を担います。患者が直面する問題に応じて、適切なアドバイスを投げかけることが出来ず、自分が出来る範囲のことだけを無難にこなしていれば良いのかというと、本来は、そうではありません。
中には、切って捨てた方が良い、ボロボロに錆びた 「ブラック」 な環境もあるかも知れませんが、絡み合った 「心」 も 「環境」 も、どちらも切って捨てることが、出来ないからです。
自分が対峙している環境に対しても、自分の心に対しても、どちらにもきちんと寄り添ってくれて、適切なアドバイスをくれる信頼できるカウンセラーの存在は、とても重要です。
① の投薬で、症状が緩和され、② のカウンセリングによってはじめて、「生活の改善」、「環境の改善」 が見込まれるわけです。
しかし、この二つだけでは、多くの場合、気力や身体が着いて来れないのです。
薬で無理矢理、症状を緩和していることもあるかも知れませんし、環境的心理的には、一向に問題が解決していないわけですから、当然と言ってしまえば当然なのですが、身体はことごとく弱っているのです。
本来であれば、しっかり食べて、しっかりとお風呂に浸かって、しっかり寝れさえすれば、次の日には回復されているはずであろう 「疲労」 がなかなか抜けないのです。
だるいし、眠いし、食欲もない。
例えばセロトニンなど、鬱(うつ)症状に伴うホルモン分泌の乱れなどもあるかも知れません。
こういう身体的症状に効果があるのが、身体に溜まった老廃物の排出を助け、身体の緊張を取り、身体の神経のバランスを整える、「鍼(はり)」 などの、③ 「マッサージ」 であったりするのです。
(つづく)
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