昨日の記事 「『緊縛』 の基本 - 安全(2)」 の続きです。

 

前回は、「腕の神経の構造」 と、神経損傷時の 「症状」 および 「応急処置と治療」 について簡単に説明致しました。

 

痺れや 「神経麻痺」 と聞いて、「そんな大事になるなら」 と恐れ戦(おのの)いた読者の方もいらっしゃったかも知れませんが、腕の 「橈骨(とうこつ)神経麻痺」 には、「ハネムーン症候群」 とか 「サタデーナイト症候群」 という別名があるように、「橈骨神経」 というのは、「腕まくら」 で神経を損傷してしまうほど、デリケートであるということ。

 

では、「緊縛」 において、このようなトラブルをどのように防いだら良いのか、について説明します。

 

 

縛り手側

 

「縛り手」 に求められることは、正しく安全に縛れる 「技術」 と、「受け手」 に対する配慮。この二つに尽きます。

 

(1) 胸縄の位置

 

まず、胸縄を這わす位置に気を付ける必要があります。

 

「橈骨神経」 は、上腕骨の周囲を外側から内側に回るように走っている神経で、上腕の肩と肘の中間あたりで、背中側から腕の裏側に入り込んでいます。

 

 

丁度その位置が、肩についている 「三角筋」 と、「力こぶ」 に当たる 「上腕二頭筋」 の境目となっており、少し窪んでいるところがありますが、ここに縄が掛からないようにすること。

 

 

胸縄は、上縄は肩についている 「三角筋(Deltoid) の一番太いところに、下縄は、この窪みを避けて、「力こぶ」 に当たる 「上腕二頭筋(Biceps Brachii)」 の裏側にある、通称 「二の腕」 と呼ばれる部分、「上腕三頭筋(Triceps)」 に掛けるようにします。 

 

(2) 縄のテンション

 

また、このときに重要なのが、縄の 「テンション」 です。

縄が肉にガッツリと食い込むように縛りたくなる気持ちは、分からなくもありませんが、身体と縄の間に指1本が入る程度の遊びは必要です。

そして、縄を留めた後、身体と縄の間に指を入れ、指を身体の周りに滑らせるように縄をしごくことによって、縄全体のテンションを均一にし、縄を身体に馴染ませます。

指1本すら入らないようでは、きつ過ぎるということ。

 

胸縄だけでは、「受け手」 が姿勢を変えたり動いたりすると、どうしても縄の位置が動いてしまったりします。

縄が緩んだり、動いたり、外れたりしないように、必要に応じて 「留め」 や 「閂(かんぬき)」 を入れます。縄が動かないように、「テンション」 強く縛るのではなく、縄が緩まないように、あるいは、動いたり外れたりしないようにするのが基本です。

 

(3) 小手(手首)の結び方

 

手首に限りませんが、自己流による適当な縛りは、縄に力や体重が掛かったり、縄の引っ張りによって、縄が強く締まったり、あるいは、縄の結び目が手首の裏などに強く当たり、鬱血や痺れ、神経損傷の原因になったりすることがあります。

何よりも怖いのは、自己流です。

手首や足首は、「本結び」 や 「巴結び」 といった、緩まず、締まらない結び方で縛るのが基本です。

 

本結び(Hon-musubi)

 

巴結び(Tomoe-musubi)

 

また手首や足首は、鬱血したり神経が圧迫されるほど、ガチガチに縛らないことです。胸縄や足縄で、腕や足の稼働は抑えられていますので、多少緩めでも、外れることはありません。

 

 

受け手側

 

(1) 腕の組み方

 

後ろ手で腕を組む場合は、神経が縄に圧迫されないよう、手首の内側同士を重ねるようにします。

互いに腕を手で持つような形でも構いませんが、5指を付け、手のひらを伸ばすようにすると、綺麗に映ります。

あと、縛られるときは、背筋を伸ばして姿勢良く。(笑)

 

 

腕が疲れたり痺れを感じる場合は、腕の上下を入れ替えたりします。

 

(2) 痺れや違和感を感じたら、相手に伝える

 

しかし、テンションが普段より、きつめに感じたり、辛く感じる場合は、セーフワードを言って早めに緩めて貰うのが肝要です。

イザと言うときには、縄を切りますが、縄を解くのにも、それなりの時間が掛かります。

与えられた責め苦に耐え堪えることが、「受け手」 の役割であると誤解されている方もたまにお見掛けしますが、いっぱいいっぱいになるまで堪えるのが必ずしも 「受け手」 の役割ではありませんし、「縛り手」 が意図しない想定外の苦痛が、生じてしまう場合もあります。

 

あまりにも神経質になって、ギャーギャー騒ぐ必要はありませんが、「自分さえ我慢すればいい」 みたいな、日本人の可笑しな美徳は捨てて下さい。(笑)

 

(つづく)

 

―――

 

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