533.音圧ではない
一般的な奏者の演奏というのは、音色で聴かせるのではなく、音圧で聴かせているのだと思います。このことに気が付くか否かで、その人のピアノ人生が大きく違います。現状の日本のピアニストや教育現場では、音圧で演奏され、またそれが良い演奏だという固定観念が根付いており、誰も疑うことなく行われているのです。従来の奏法で、しっかり弾くことにより、音圧は増しますが、倍音は減り、響きが無くなります。つまり、音が伸びるどころか、どんどん詰まっていくのです。オーディオに例えると、品質の劣る製品で聴くほど、音圧がばかりが強く、広がりが出ないのと同じことです。音圧で弾く演奏には、確かに、ある種の上手さが存在し、ある意味で説得力があります。しっか り弾いているという手ごたえとでも申しましょうか。でも、その演奏は残響の多いホールや大きなホールでは、残念ながらその手ごたえは伝わりません。音色で弾く演奏には、そのような空間でも、自由に、そして無限に広がる創造性を掻き立てる魅力が存在すると思います。超一流の演奏とはそういう類の演奏だと思います。どちらのピアノ人生を選ぶかは個人の自由です。ですから、気迫で聴かせる音圧奏法で人に訴えるのか?それとも、音色奏法で変幻自在な表現で人を魅了するのか?初心に帰ったつもりでご自身の演奏や、教育指導法を見つめなおしてみることをお勧めします。にほんブログ村