ニュースを斬る いざなぎ超え | 秋山のブログ

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思いついたアイデアがあれば途中に入れていくとして、しばらくニュースをネタに書いてみようと思う。

今回のネタは、NHKニュースの「いざなぎ超え データで探る中間層の実像」である。

 

ニュースの内容は、

『日本の景気は4年10か月にわたって拡大』、いざなぎ景気より長いという政府の発表があった。

ところが国民の実感として景気の回復の実感を感じられないのでデータを見たところ、

*年収の中央値が下がってきており、全くそれが上昇していない。

*世帯収入の中央値も、(共働きが激増しているのに)減少している。

といった内容である。

 

このニュースを読んで出せる結論は、景気は回復していないということである。少なくとも、安倍総理の経済学者集団が提示した経済の好循環は起きていない。

 

政府の発表した景気拡大は、間違った指標を根拠にしている。

その指標とは、企業の経常利益の拡大内部留保の拡大株価の上昇である。

それらは景気がよいことを示すと信じている人も少なくないが実際のところは正しくない。単純な形で説明してみよう。

○企業の利益→企業の利益は、全てが完全な競争下にあるならばゼロになるはずである。そうならないのは、参入にはそれなりの障壁があり、独占的な立場で商売ができるからだ。人を雇うことに関しても、とても最大限の賃金を払う程の競争状態にはない。→企業の利益の拡大を引き起こしているのは、独占性の増大と賃金の低下に他ならない。

○企業の内部留保→企業が内部留保を増やした金額は、国が借金を増やした金額と家計が貯蓄を切り崩したか金額(輸出入は無視しておく)の合計に等しい。→折角の国が赤字を作っての財政政策が、内部留保で効果を損ねられている。

○株価の上昇→円安になれば、日本株がより買いやすい債券になり、外国から買われ上昇する。企業の業績等は今回は関係がない。

 

では好景気とはどんなものを言うべきか提示しておく必要があるだろう。

好景気とは働きたいと思った人間が、十分な賃金の職業にいつでもつけるような状態であり、最大限生産しても売れるような状態である。低い賃金でワークシェアリングしていながら、人手が足りないなどと言い出す状態とは違うのだ。

ということで、記事の現在が不景気であるという判断は正しい。

 

ところが記事の最後の部分に拙い部分がある。マインドの問題であるという主流派経済学者特有の誤りだ。主流派経済学者の多くは、需給曲線とそのスライドで考えるために、マインド次第でいくらでも買うことができるという発想に陥るのだ。現実は、収入がないので買えないのである。『成熟した先進国共通の悩みで、特効薬は見当たらない』などというのは、無能力な主流派経済学の言い訳に過ぎない。実際は特効薬はあるのである。