打倒。安倍政権? | 秋山のブログ

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議題になるようなニュースを探していたら、初期に取り上げたこともある松尾匡氏が朝日新聞に「問題だらけの経済政策」という記事を書いていた。よい内容でもあり、それを題材にしようと考えたが、有料でそれ以上進められないので、ネットで似たようなものを探していたらより面白いものを見つけたのでそれを紹介することにする。1年半程前のものであるが、現在でも通用する。氏の書籍と同名の講演「この経済政策が民主主義を救う  安倍政権に勝てる対案」である。

 

 

これは実に分かり易くほとんど正しい。また、安倍政権を倒すためという切り口が実に面白い。

安倍政権に賛成であれ、反対であれ、経済政策においてどうすべきか分からない多くの国民や経済政策を考えねばならない政治家に是非見てもらいたいと思う

 

内容を簡単に説明すれば、

○安倍政権の政策のうち、どの政策でどのような効果があったか、データで説明している。

○安倍政権の経済政策を批判するなら、悪いものを批判すべきで、良いものを批判してはならないが、現実には野党は逆のことをやっている。

失業があるうちは、増税せずに、日銀が無から作った緩和資金で労働者を雇用するというのが正解である。

といったことだ。

 

この動画を見て、気がついたことがある。右とか左とかに拘って考えることの愚かさである。例えば、両者の特徴として、小さな政府を志向するとか大きな政府を志向するとかいう話をよく見かけるが、これはイメージに基づく判断であって、物事を判断する上で適切な方法ではない。また、右的、左的と分けることで、どちらも間違っているわけでなく嗜好の問題であるといった誤解も生まれるだろう。私に限らず、自然科学畑から政治経済に首を突っ込んだ人間には、自分が右か左かの意識はないし、その分類を必要ともしないだろう。動画では、スティグリッツ教授を左派だと紹介していたが、その著書から判断する限り、左派とレッテルを貼られることは嫌っている。レッテル貼りも、貼られたレッテルから判断することも、愚かなことであるのは間違いない。左とか右とかの話は止めて、エビデンスによって事実だけを追究すべきである。

 

やや蛇足だが、細かいポイントも見てみよう。本題とは若干ずれるものもあるが気になったところが3つある。(さらに細かいことを言えば、他にも異論はあるが指摘して混乱させる害の方が大きいので指摘しない)

 

中国は固定相場制なので、米国の引き締めで自国も引き締めになってしまう。→確かにその通りになっている。留意すべきポイントであろう。→しかし固定相場性の宿命というのは違うと考えられる。マレーシアの例もあり、変動相場制の作法で固定相場を維持しようとするから起こることであり、またそうであっても、国内に財政政策等様々な方法で貨幣を供給することによって回避できる。

 

株価はほぼ100%円相場で決まる。→このグラフは素晴らしい。昨日株価について書いたことを裏付けている。嘗てより、最近になってより一致するようになったのは、ITの進歩に伴う自動の最適化がベースにあると推測する。

 

少子高齢化で供給力不足の時代が来る。→これは生産能力の増大をワークシャアリングで対応し、失業率を下げているという日本の状況に対する理解不足があるように思える。誤りだと思われる。