事故を防ぐのは、心の安全から。
心の安全設計室
心の安全コンサルタント
安田伸也です。

楽しい時間ほど、私たちは「まさか事故なんて起きない」と感じてしまうことがあります。
しかし、海上保安官として数多くの事件事故の現場に立ち会ってきた中で、ほんの一瞬の気の緩みが、その後の人生を大きく変えてしまう場面も見てきました。
今回は、洋上で起きた事故の事例を通して、楽しいときほど忘れてはいけない「安全」と「気の緩み」についてお伝えします。
この記事の目次
たくさんの事件事故の現場に立ち会ってきました
わたしの現役時代は、たくさんの事件事故の現場に立ち会いました。
事故の多くは、誰も起こそうと思って起こすものではありません。しかし、ほんの一瞬の悪ふざけや気の緩みが、取り返しのつかない結果につながることがあります。
※本記事では、関係者のプライバシーおよび守秘義務に配慮し、事故防止という目的に必要な範囲で事例を抽象化して紹介しています。
楽しいクルージング中に起きた事故
洋上でクルージングを楽しむグループがありました。
船上では楽しい時間が続いていました。
その航行中、船首付近では乗船者同士がふざけ合っていました。
しかし、その悪ふざけが、取り返しのつかない事故につながってしまいました。
乗船者の1人が、海へ落水してしまったのです。
航行中の船から落水することは極めて危険です。
船体後部には高速で回転するプロペラがあり、状況によっては接触して生命に関わる重大事故につながります。
一瞬の悪ふざけが取り返しのつかない結果につながる
この事故では、幸い命は取り留めましたが、その後の人生を大きく変えかねないほどの大怪我を負いました。
それまで楽しかった時間が、一瞬にして悲しい事故現場へと変わってしまったのです。
覚えていて欲しいのは、どんなに楽しくても、どんなに嬉しくても、舞い上がって羽目を外してはいけないということです。
非日常は、とても楽しいです。
ついつい羽目を外したくなるのも分かります。
しかし、実際に羽目を外してしまうと...
取り返しのつかない現実が訪れるかもしれません。
緊張感が解けたときほど気を付けたい
よく言われるのは「家に着くまでが遠足」。
人は緊張感が解けると、ふと気が緩みます。
しかし、そんな時ほど「安全」に気を付けなくてはなりません。
安心と安全は別物
安心と安全は別物なのです。
「楽しいから大丈夫」「みんなが笑っているから大丈夫」と感じているときにも、危険そのものがなくなったわけではありません。
これは海の上だけではなく、仕事の現場や日常生活でも同じではないでしょうか。
慣れているとき、順調なとき、そして緊張から解放されたときほど、一度立ち止まって「今、安全だろうか」と確認することが、事故を防ぐことにつながります。
まとめ
事故は、特別な人だけに起こるものではありません。
楽しい時間や慣れた状況の中で生まれる、ほんの一瞬の悪ふざけや気の緩みが、大きな事故につながることがあります。
だからこそ、気持ちが緩みやすいときほど安全を意識する。
「安心していること」と「安全であること」は同じではない。
海上保安官として事故現場を見てきた経験から、このことを一人でも多くの方に覚えておいていただけたらと思います。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が、楽しい時間や気の緩みの中にある危険に気づき、事故を防ぐための「安全」について考える切っ掛けになれば嬉しく思います。
筆者プロフィール|安田伸也
心の安全設計室代表・心の安全コンサルタント。元海上保安官・潜水士。海上保安庁に約35年間勤務し、潜水士、巡視船航海士、巡視艇船長などを経験。海難救助、転覆船や沈没船の捜索、領海警備、密漁船や密輸船への対応など、3,000件以上の事件・事故に関わってきました。
在職中には職場の人間関係やコミュニケーションに悩み、約20年間メンタル不調を繰り返しました。退職後に心理学やコーチングを学び、現在は安全大会や企業研修で、ヒューマンエラーと事故防止、心理的安全性、コミュニケーション、メンタルヘルスなどをお伝えしています。
「自死ゼロ・事故ゼロの世界を創り、笑顔で働く人を増やす」ことを使命に活動しています。

