事故を防ぐのは、心の安全から。

 

心の安全設計室
心の安全コンサルタント

 

安田伸也です。

 

安田伸也

 

建設・建築業や製造業で行われる安全大会。

 

その安全大会で「事故防止」をテーマにした講演に初めて登壇したのは、2022年でした。

 

事故防止というと、

 

「ルールを守る」
「決められた手順を守る」
「一人ひとりが安全意識を持つ」

 

といったことが、まず頭に浮かぶと思います。

 

もちろん、それらも大事です。

 

でも、事故防止について講演を続ける中で、僕がより強く感じるようになったことがあります。

 

事故防止の基本、そして根本にあるのは、やはり人と人との信頼関係なのではないか。

 

そして、その職場が働く人にとって「安心安全の場所」になっているかどうか。

 

つまり、心理的安全性のある職場づくりが大切なのだと思うに至りました。

 

 

安全大会で事故防止講演を始めたきっかけ

僕が講師の仕事をいただけるようになったのは2019年からです。

 

当時は新人研修や高校生の模擬面接指導、地元の大学でコーチングなどを教えていました。

 

そんな時に研修会社の方から勧めていただき、事故防止についてのコンテンツを作ったんです。

 

そして、市民講座や大学でその講義をしたのが始まりでした。

 

その後、現在講演のお仕事をいただいているシステムブレーンさんにも登録。

 

ただ、コロナ禍もあったため、実際に安全大会で最初のご依頼をいただいたのは2022年でした。

 

そこから建設・建築業や製造業などの安全大会で、事故防止についてお話しする機会をいただくようになりました。

事故防止講演の内容は毎年少しずつ進化しています

実は、講演の基本的な内容は最初の頃から大きく変わっていません。

 

しかし、毎回、毎年、細やかな修正を加えています。

 

スライドや伝え方については、最初の頃とは丸っきり別物と言っても良いくらい変化、いや、進化しています。

 

なぜなら、事故防止について考え続けるほど、

 

「ルールや手順を守るだけでは足りないのではないか?」

 

と思うようになったからです。

事故防止に必要なのはルールだけではない

事故防止というと、ルール・手順の確認、安全意識などが頭に浮かぶと思います。

 

もちろん、それらも大事です。

 

でも、どれだけルールや手順が整備されていても、職場の人間関係が悪く、

 

「こんなことを言ったら怒られる」
「余計なことを言わないほうがいい」
「報告したら責められるかもしれない」

 

と思ってしまう環境だったらどうでしょう。

 

必要な情報が共有されなくなってしまいます。

 

つまり、報連相(報告・連絡・相談)が滞るんです。

心理的安全性がない職場では報連相が滞る

「それじゃダメじゃないか」
「キチンと報告すべきだ」

 

という意見もあるでしょう。

 

その通りなんです。

 

だけど、実際に報告した時に、

 

「遅い」
「もっと早く言ってこい」

 

などと言われてしまうと、次回からは報告したくなくなりますよね。

 

人間って、責められるのは嫌なので、どうしても口をつぐんでしまいます。

 

だからこそ大切になるのが、心理的安全性です。

 

自分の意見を言っても、頭ごなしに否定されたり、批難されたりしない。

 

何か気になることがあれば、

 

「これ、ちょっと危ないんじゃないですか?」
「いつもと少し違います」
「念のため確認してもらえませんか?」

 

と言える。

 

そんな安心安全の場所であることが、事故防止にもつながっていくのだと思います。

「報告しろ」と言う前に自分の受け答えを振り返る

でも、こうしたことを僕たちは日常的に、しかも無意識にやっていないでしょうか?

 

職場に限りません。

 

友人や家族と話していて、

 

「そんなのおかしい」
「それは間違っている」

 

と、自分の正しさを押しつけていたり。

 

また、

 

「ホントなの?」

 

と最初から疑ってみたり。

 

何も、全て「良いよ」と許せというわけではありません。

 

間違っていることは間違っていると言わなければいけない場面もあります。

 

だけど、自分の価値観は自分の価値観として持ちながら、相手の話や主張をまずは否定せずに聴く。

 

その積み重ねが、職場や家庭を「安心安全の場所」にするのではないでしょうか。

心理的安全性のある職場は「聴くこと」から始まる

人の話を聞いた時、自分がどんな受け答えをしているか。

 

ぜひぜひ、それを意識してくださいませ。

 

僕自身、産業カウンセラー養成講座では、まずクライアントが気持ちよく話せる場所を作ることが大切だと教わりました。

 

どれだけ良いアドバイスを持っていても、相手が安心して話せなければ、本当に必要な情報は出てきません。

 

これはカウンセリングだけではなく、職場でのコミュニケーションにも通じるものがあると思います。

 

「何かあったら報告してください」

 

と言うだけではなく、

 

「この人なら報告しても大丈夫」

 

と思ってもらえる関係を日頃から作っておく。

 

それが結果として報連相を活発にし、ヒヤリハットや小さな異変の共有につながり、事故を防ぐことにもつながっていくのではないでしょうか。

安全大会で伝えたい「正しさよりも思いやり」

安全大会で事故防止についてお話しするようになってから、僕自身も「安全」について考える機会が増えました。

 

そして現在、事故防止の根本にあると考えているのが、

 

「人と人との信頼関係」

 

です。

 

ルールを守る。
手順を守る。
安全意識を高める。

 

もちろん、全部大切です。

 

そのうえで、気づいたことを安心して言える職場を作る。

 

ミスや異変を隠さず報告できる関係を作る。

 

そのためには、普段から相手の話を否定せず、まずは聴くことが大切なのだと思います。

 

安心安全の場所作りに大切なのは、

 

「正しさよりも思いやり」

 

なのです。

まとめ

事故防止というと、ルールや手順、安全意識に目が向きがちです。

 

けれど、その土台にあるのは、気づいたことや小さな異変を安心して伝えられる人間関係なのではないでしょうか。

 

「報告しなさい」と求めるだけではなく、「この人になら報告しても大丈夫」と思ってもらえる関係を作る。

 

そのためにも、相手の話をまず否定せずに聴くこと。

 

「正しさよりも思いやり」を大切にした職場づくりが、心理的安全性を高め、報連相や事故防止を考えるうえでも大切なのだと思います。

 

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

この記事が、職場での報連相や心理的安全性、そして事故を防ぐための人間関係について考える切っ掛けになれば嬉しく思います。

 

筆者プロフィール|安田伸也

心の安全設計室代表・心の安全コンサルタント。

元海上保安官・潜水士。海上保安庁に約35年間勤務し、潜水士、巡視船航海士、巡視艇船長などを経験。海難救助、転覆船や沈没船の捜索、領海警備、密漁船や密輸船への対応など、3,000件以上の事件・事故に関わってきました。

 

一方で、在職中には職場の人間関係やコミュニケーションに悩み、約20年間、うつやパニック障害などのメンタル不調を繰り返しました。退職後に心理学やコーチングを学び、現在は安全大会や企業研修で、事故防止、心理的安全性、職場のコミュニケーション、メンタルヘルス、傾聴などをお伝えしています。

 

「自死ゼロ・事故ゼロの世界を創り、笑顔で働く人を増やす」ことを使命に活動しています。

 

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