心の安全設計室代表 心の安全コンサルタント
安田伸也です。
先日Facebookへも投稿したのですが、とある方の講演会に参加して、ゲストで来られていた斉藤りえ(斉藤里恵)さんとお会いしました。
斉藤りえさんといえば、「筆談ホステス」の著者としてご存じの方も多いのではないでしょうか。
1歳の時に病気で聴覚を失い、その後、銀座のクラブでホステスとして活躍された方です。
その経験をもとにした「筆談ホステス」は、2010年に北川景子さん主演でドラマ化され、大きな話題になりました。
その後は東京都議会議員などを経て、現在は衆議院議員として活動されています。
今回は、そんな斉藤りえさんとお会いして、改めて感じたことを書いてみたいと思います。
この記事の目次
「筆談ホステス」斉藤りえさんとの出会い
今回参加した講演会の主催者の方と斉藤りえさんがご友人とのことで、ゲストとして来られていたようでした。
斉藤りえさんは、2026年5月には衆議院厚生労働委員会で、音声読み上げソフトを使って質問されたことでもニュースになりました。
耳が聞こえないという障害がありながら、銀座のホステスとして活躍し、その後は政治の世界へ。
障害がある方が、このように活躍されるまでには、人並みならぬ努力があったと思います。
そして、こういう方を見るたびに思い出すことがあります。
それは、以前のわたしだったら、こういう素晴らしい人を見て自分自身を責めていたということです。
「もっと頑張らないと」と自分を責めていた
「いったい自分は何をやっているのか」
「もっと頑張らないといけない」
以前のわたしは、すごい人や成功している人を見るたびに、そんなふうに考えていました。
もちろん、「自分も頑張ろう」と思うこと自体は悪いことではありません。
でも、わたしの場合は少し違いました。
「それに比べて自分は……」
と、自分を責める材料にしていたんですね。
そして結局、責めるだけで終わってしまう。
具体的に何をすればいいのかがわからないので、行動することもできず、結局同じところに留まっていたように思います。
今考えると「自分を責めても何も始まらない」んですよね。
むしろ自分を責めれば責めるほど、「自分にはできない」という気持ちが強くなって、動けなくなってしまうこともあります。
では、どう考えればいいのか。
そこで思い出したのが、アドラーの考え方です。
アドラーの「与えられたものをどう使うか」という考え方
またアドラーの話になりますが、こんな考え方があります。
「何を与えられたか」ではなく「与えられたものをどう使うか」が重要である。
わたしたちは、つい自分に「ないもの」を見てしまいます。
身長が低い。
足が遅い。
人前で話すのが苦手。
頭が良くない。
才能がない。
お金がない。
人脈がない。
そして、人と比べて自分が劣っているところを見つけると、
「だから自分には無理だ」
そんなふうに考えてしまいがちですよね。
でも、「ないもの」を数えていても、なかなか前には進めません。
大切なのは、今の自分に与えられているものを見つけて、それをどう使うかなのだと思います。
「ないもの」ではなく「今あるもの」に目を向ける
斉藤りえさんは、耳が聞こえないというハンデを持っています。
でも、「筆談」という方法によって人とコミュニケーションを取り、それが「筆談ホステス」として知られるきっかけにもなりました。
もちろん、そこまでの道のりを簡単な言葉で片づけることはできません。
わたしには想像できないような苦労も、努力もあったと思います。
だからこそ、以前のわたしだったら、
「こんなに大変な状況でも頑張っている人がいるのに、それに比べて自分は……」
と考えていたと思います。
でも、今は少し違います。
自分を責めるのではなく、
「今自分にできることを頑張ろう」
と思えるようになりました。
誰かの成功を見て自分を責めるのではなく、「じゃあ自分には何ができるだろう?」と考える。
この違いは、とても大きいと思います。
自分を責めるより「自分にできること」を探してみる
無い物ねだりをしても、仕方が無い。
現状を嘆いても何も変わらない。
だったら、とにかく今有るモノを使って、どう世の中の役に立てるかを考えてみる。
もちろん、無理をする必要はありません。
人にはそれぞれ得意なこともあれば、苦手なこともあります。
置かれている状況も違います。
だから、誰かと同じように頑張る必要はないと思うんです。
「あの人にできるのだから、自分にもできなければいけない」
ではなく、
「今の自分にできることは何だろう?」
と考えてみる。
そうすると、今まで「自分には何もない」と思っていた人でも、意外なものが見えてくるかもしれません。
人の話を聞くことが得意かもしれない。
自分が経験した失敗が、同じことで悩んでいる人の役に立つかもしれない。
仕事では当たり前にやっていることが、他の人にとっては価値のある知識かもしれない。
「こんなこと、誰でもできる」と思っていることほど、実は自分の強みだったりします。
「こんな自分にも出来ることがある」と思えたら少し元気になれる
人と比べて落ち込んでいる時は、自分に「ないもの」ばかりが目につきます。
でも、視点を少し変えて、自分に「あるもの」を探してみる。
そして、それを誰かのためにどう使えるかを考えてみる。
そうすると、
「こんな自分にも出来ることがある」
そう思えて、少し元気になるかもしれません。
いきなり大きなことをする必要はないと思います。
今日、自分にできる小さなことを一つやってみる。
その積み重ねが、いつか自分では想像していなかった場所につながることもあるのではないでしょうか。
わたし自身も、まだまだです。
だからこそ、誰かと比べて自分を責めるのではなく、今持っているものをどう使えるのかを考えながら、一歩ずつ進んでいきたいと思います。
ちなみに斉藤りえさんとは、一緒に写真も撮っていただきました。
緊張していたのか、わたしの表情がかなり硬いですね💦
でも、とても貴重な経験になりました。
まとめ|「ないもの」より「今あるもの」をどう使うか
斉藤りえさんとお会いしたことで、改めて思ったことがあります。
それは、人と比べて自分を責めても、そこからは何も始まらないということ。
「自分には○○がない」
「自分はあの人より劣っている」
そう考えてしまうことは誰にでもあると思います。
でも、そこで終わるのではなく、
「では、今の自分にあるものをどう使おう?」
と考えてみる。
無い物ねだりをするよりも、今あるものに目を向ける。
そして、自分にできることで誰かの役に立ってみる。
そう考えることが、今いる場所から一歩前へ進むきっかけになるのかもしれません。
よくある質問
Q. 人と比べて自分を責めてしまう時はどうすればいいですか?
比べないようにしようとしても、つい比べてしまうことはあります。そんな時は「自分はダメだ」で終わらせるのではなく、「この人を見て、自分は何を感じたんだろう?」「自分にできることは何だろう?」と考えてみると、比較を行動のきっかけに変えやすくなると思います。
Q. 自分の強みがわからない場合はどうしたらいいですか?
特別な才能を探そうとすると、なかなか見つかりません。普段当たり前にやっていること、人からよく頼まれること、これまで経験してきたことなどに目を向けてみるといいと思います。「自分にとっての普通」が、他の誰かにとって役立つこともあります。
Q. 「与えられたものをどう使うか」とはどういう意味ですか?
自分にない能力や環境を嘆くのではなく、今持っている能力、経験、環境などをどう活かしていくかに目を向ける考え方です。変えられないものではなく、「今の自分にできること」に意識を向けることで、次の行動を考えやすくなります。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が、「自分には何もない」と自分を責めるのではなく、今あるものや自分にできることに目を向ける切っ掛けになれば嬉しく思います。
筆者プロフィール
心の安全設計室代表・心の安全コンサルタント 安田伸也。元海上保安官・潜水士として約35年間勤務し、海難救助、領海警備など3,000件以上の事件・事故に関わる。一方、在職中には職場の人間関係やコミュニケーションに悩み、約20年間メンタル不調を繰り返す。退職後に心理学やコーチングを学び、現在は建設業、建築業、製造業などの安全大会や企業研修で、ヒューマンエラーと事故防止、心理的安全性、コミュニケーション、メンタルヘルスなどを伝えている。「自死ゼロ・事故ゼロの世界を創り、笑顔で働く人を増やす」ことを使命に活動中。


