心の安全設計室代表 心の安全コンサルタント

 

安田伸也です。

 

「自死ゼロ・事故ゼロの世界を創り、笑顔で働く人を増やす」

 

私は、この言葉を自分の使命として掲げています。

 

講演でもよく、

 

「なぜ、この活動を始めたのか?」

 

という話をします。

 

理由は、とてもシンプルです。

 

これまで私は、たくさんの「命が失われる現場」と向き合ってきたからです。

 

自ら命を絶った方。

 

事故によって、突然人生を終えることになった方。

 

そして、大切な人を突然失ったご家族や恋人。

 

そうした方々の姿を目の前で見てきた経験が、今の私の活動につながっています。

命が失われる現場で見てきたもの

海での事故に、何度も立ち会ってきました。

 

サーフィンに来て溺れてしまった方が運ばれた病院で、恋人が蘇生することを祈りながら待ち続ける女性。

 

海で行方不明になった方を潜水捜索している間、海岸からその様子を見守っていた友人達。

 

高波にさらわれ、行方不明になった大切な人が見つかることを、ただひたすら待ち続けるご家族。

 

事故が起きる少し前まで、きっと誰もが普通の一日を過ごしていたはずです。

 

「今日は楽しかったね」

 

そんな言葉で終わる一日になるはずだったかもしれません。

 

ところが、たった一度の事故によって、楽しいはずだった思い出が、生涯忘れることのできない悲しい記憶へと変わってしまうことがあります。

 

事故の怖さは、命が失われることだけではありません。

 

残された人たちの人生にも、大きな悲しみを残します。

 

私は、その現実を何度も目にしました。

海で行方不明者が出た場合、いつまでも同じ体制で捜索を続けられるわけではありません。

 

状況や経過時間などを踏まえ、警察や消防などの関係機関と協議し、捜索体制について判断しなければならない時がやってきます。

 

ご家族は、

 

「もしかしたら生きているかもしれない」

 

「どこかで助けを待っているかもしれない」

 

例え、亡くなっていても早く冷たい海の底から引き上げてあげたい。

 

そんな希望を持っています。

 

そのご家族に、捜索について厳しい現実を伝えなければならない。

 

これは本当に辛いことでした。

 

待っている家族の表情を見るたびに、私は命について考えさせられました。

 

昨日まで当たり前だった日常は、決して当たり前ではない。

 

家族と話せること。

 

仕事ができること。

 

ご飯を食べられること。

 

くだらないことで笑えること。

 

そして、今日も生きて家に帰れること。

 

私たちが普段「当たり前」だと思っていることは、本当はとても幸せなことなのだと思います。

人はいつか必ず死ぬ。だからこそ「生きる」

人は、いつか必ず死を迎えます。

 

これは誰にも避けることができません。

 

だからこそ私は、こう思っています。

 

その日を迎えるまで、何があっても生きてほしい。

 

人生には、楽しいことばかりが起こるわけではありません。

 

仕事がうまくいかないこともあります。

 

人間関係で悩むこともあります。

 

自信を失うこともあるでしょう。

 

「もう嫌だ」

 

「全部投げ出したい」

 

そう思うほど辛い日が訪れることもあるかもしれません。

 

そんなとき、その瞬間だけを見れば、出口がないように感じることもあります。

 

でも、時間が経って振り返ったとき、

 

「あのときは本当に大変だったな」

 

「そんなこともあったよね」

 

と話せる日が必ず来ると、わたしは信じています。

 

だから、今この瞬間の苦しさだけで、自分の人生のすべてを決めてほしくない。

 

苦しいときには一人で抱え込まず、誰かを頼ることも「生きるための行動」のひとつだと思います。

「生きているだけで丸儲け」という言葉

明石家さんまさんの言葉として広く知られている、

 

「生きてるだけで丸儲け」

 

という言葉があります。

 

命が失われる現場を見てきた私には、この言葉がとても心に響きます。

 

もちろん、生きていれば何でも幸せというほど人生は単純ではありません。

 

辛いことも、悲しいこともあります。

 

それでも、生きているからこそ、状況を変えられる可能性があります。

 

誰かに出会える。

 

誰かと笑える。

 

もう一度挑戦できる。

 

失敗をやり直せる。

 

大切な人に「ありがとう」と伝えることもできます。

 

生きている限り、人生には「この先」があります。

 

それだけでも、とても大きな意味があるのではないでしょうか。

自死ゼロ・事故ゼロの世界を目指す理由

私が、

 

「自死ゼロ・事故ゼロの世界を創り、笑顔で働く人を増やす」

 

ということを使命にしているのは、単なる理想論からではありません。

 

前述のように多くの亡くなった方を見てきました。

 

そして、その人を愛していたご家族や恋人の姿を見てきました。

 

だからこそ、

 

「自死する人、事故死する人を1人でも減らしたい」

 

と思うのです。

 

事故を防ぐために、できることがあります。

 

働く人の心や身体を守るために、できることがあります。

 

周囲の人の変化に気づき、声をかけることもできます。

 

そして、自分自身が苦しいときには「助けて」と言うこともできます。

 

一人ひとりにできることは小さいかもしれません。

 

しかし、その小さな行動の積み重ねが、誰かの命を守ることにつながると私は信じています。

まとめ|今日を生きていることは、決して当たり前ではない

人はいつか必ず人生の最期を迎えます。

 

だからこそ、その日が来るまで生きる。

 

できることなら、笑って生きる。

 

そして、周りにいる人たちにも笑っていてほしい。

 

命が失われる現場と、残されたご家族の姿を見てきたからこそ、私はそう強く思います。

 

もし今、人生や仕事で辛いことがあったとしても、その出来事だけがあなたの人生のすべてではありません。

 

今日も生きている。

 

家族や仲間と話せる。

 

働ける。

 

笑える。

 

そんな日常を大切にしながら、私はこれからも、

 

「自死ゼロ・事故ゼロの世界を創り、笑顔で働く人を増やす」

 

という使命に向かって活動を続けていきます。

 

朝から外も暑いですが、この記事を書いていたら心まで熱くなってしまいました。

 

少し暑苦しい話になってしまいましたが(笑)、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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筆者プロフィール|安田伸也

 

心の安全設計室代表・心の安全コンサルタント。元海上保安官・潜水士。海上保安庁に約35年間勤務し、潜水士、巡視船航海士、巡視艇船長などを経験。海難救助、転覆船や沈没船の捜索、領海警備など、3,000件以上の事件・事故に関わる。一方、在職中には職場の人間関係やコミュニケーションに悩み、約20年間メンタル不調を繰り返す。現在は「自死ゼロ・事故ゼロの世界を創り、笑顔で働く人を増やす」を使命に、事故防止、ヒューマンエラー、心理的安全性、職場のコミュニケーション、メンタルヘルスなどをテーマに講演・研修を行っている。

 

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

この記事が、今日を生きていることの大切さや、身近な人の命と心の安全について考える切っ掛けになれば嬉しく思います。