自死ゼロ・事故ゼロの世界を創るメンタルコーチ
安田伸也です。
※本記事は [初回公開:2024年1月] の内容をもとに、[最終更新:2026年2月13日] に見直しました。
【海上保安庁 潜水士の実話】
私はこれまで講演の場で、必ずお話ししているテーマがあります。
それは、
なぜ「自死ゼロ」「事故ゼロ」の世界を創りたいのか。
この原点となる体験を、今回から4回に分けてお届けします。
ぜひ最後までお付き合いください。
📌 目次
■ 海上保安庁の潜水士になったきっかけ|22歳の挫折から始まった道
私が海上保安庁の潜水士になったのは22歳のとき。
今から40年以上前、昭和58年のことです。
もともとは船乗りに憧れ、商船大学を目指していました。
しかし、勉強が好きではなかった私は受験に失敗。1浪しても結果は同じでした。
「このままではいけない」
そう思いながら、親戚のツテで半年間アルバイトを経験。
その後、「船に乗れる仕事」という理由で海上保安庁の採用試験を受験し、幸運にも合格しました。
当時は景気が良く、公務員は今ほど人気ではありませんでしたね。
ある意味、時代に救われたとも言えます。
■ 海上保安庁とは?海上自衛隊との違い
海上保安庁は、よく海上自衛隊と間違われます。
しかし、組織はまったく異なります。
海上保安庁:国土交通省(当時は運輸省)所属
任務:海難救助、海上警備、海上交通の安全確保など
陸上の警察官。
警視庁や県警に勤務する一般の警察官とは違い海上保安官は、
「特別司法警察職員」
法律や地域に限定し、警察権限を行使できる警察官です。
厚労省の麻薬取締官も特別司法警察職員。
彼らは、薬物関係の法律違反に限定されます。
もっとも、入庁するまで、正直なところ私は詳しい業務内容を知らなかったんですけどね。
採用後は、京都府舞鶴市にある海上保安学校で1年間、
船舶運航の知識と警察官としての基礎を学び、その後巡視船へ配属されました。
■ 潜水指定船への配属|映画「海猿」で知られる仕事
私が配属されたのは、潜水指定船と呼ばれる巡視船。
潜水士が乗り組む特別な船です。
映画『海猿』で広く知られるようになった職種ですが、
当時はほとんど認知されていませんでした。
クリスマスパーティーで出会った女性に、
「海に潜って何してるの?魚を捕っているんですか?」
と真顔で聞かれたこともあります。
今の若者のように、
「海難救助をやりたい!」
「人命救助の仕事がしたい!」
という強い志や憧れがあったわけではありません。
正直に言えば、
“仕事だからやる”という気持ちが大きかったのです。
■ 潜水士の現実|華やかさとは程遠い日常
潜水士は、潜水業務だけをしていればよいわけではありません。
通常の海上保安官の警察官としての業務に加え、
船乗りとして船の運航業務、
潜水士としての潜水任務が重なります。
忙しく、厳しく、それでいて報われることが少ない。
どちらかといえば人気のない職種でしたね。
配属から1年後、身体だけは丈夫だったわたしは、上司から
「お前、潜水研修へ行ってこい」
と言われて
半ば業務命令。
こうして私は潜水研修へ向かうことになります。
■ 潜水研修は地獄だった|命と向き合う訓練
当時の潜水研修は約1か月と10日間。
※今はヘリからの降下訓練なのが加わり、約2か月間あるらしい
最初の約2週間はプール実習でしたが、
これがまさに“地獄”でした。
・5kgのウエイトを持って15分間立ち泳ぎ
・プールの底で2分30秒の息こらえ
・体力と精神力の限界に挑む訓練
時には意識を失う研修生もいました。
毎日、重い足取りでプールへ向かったことを今でも覚えています。
しかし、同時に強く感じたことがあります。
「人間は、簡単には死なない」
この気づきは、後の私の人生観を大きく変えることになります。
■ 初めての出動|港に転落した車
10月中旬、無事に潜水士として任命を受け、元の巡視船へ戻りました。
そして翌月。
管内の港で「車が海へ転落した」という情報が、巡視船内に入りました。
潜水士としての初出動です。
ここから、私の人生を大きく変える出来事が始まります。
続きは、次回お届けします。
■ まとめ|「自死ゼロ・事故ゼロ」への原点
20歳の挫折から始まった海上保安庁での人生。
強い志があったわけではありません。
憧れも、ヒーロー願望もありませんでした。
しかし、この初出動が、
私の人生観を大きく変えていくことになります。
次回は、
初めての潜水士としての業務で体験した“現実”についてお話しします。
ぜひ引き続きお読みください。
■ 【FAQ】
Q1. 海上保安庁の潜水士になるには?
海上保安庁に採用された後、配属先での推薦などを受け、厳しい潜水研修を修了する必要があります。
体力・精神力ともに高い水準が求められます。
Q2. 潜水士の訓練はどれくらい厳しい?
息こらえ訓練や長時間の水中作業の訓練など、自分がどんな状況でも生きて帰ってくることができる。
その自信を付ける為に厳しい訓練があります。
特に初期のプール訓練は精神的にも大きな負荷がかかります。
Q3. 潜水士はどんな業務を行う?
主に海難救助です。
行方不明者の捜索、ヘリから降下しての負傷者や漂流者の吊り上げ救助。
転覆船内の捜索、沈没船等からの証拠品回収、火災船救助など多岐にわたります。
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