《前編》 より

 

 

【日本語と自然音】
 日本人は音域の低い言語を使っているので、自然の音を聞き分けられるというメリットもある。自然の音は低いんです。・・・中略・・・。
 自然の音は、波の音とか、動物の鳴き声、虫の声などでもそれほど高い音はなくて、基本的には低いんですね。
 欧米人にとっては、普段自分が話している言語の音域が高いから、低い音というのはノイズでしかないんです。
 音域(周波数帯域)に関わる日本語の特性は、重要なことなので、下記リンクの紐付くリンクなどに、周波数帯域のグラフを含め、全て記述されている
   《参照》  『「君が代」その言霊は、潜在意識を高次元へと導く《光の種子》となる!』 森井啓二
            【日本語は自然音に近い周波数】
 さらに興味深いのは、日本語を母国語として最初に覚えることで、自然の音を言語化できる能力が備わるらしいということ。
 日本人でも外国語を母国語として育てられると西洋人型となり、外国人でも日本語を母国語として育つと日本人型になる。
 言葉を覚える幼児期に母国語としてどの言語を教わったかということが、非常に影響するのだそうです。(p.119)
 親が欧米かぶれで、幼児のうちから英語なんかを聞かせていたら、イソップの蝙蝠になってしまう。せっかく日本人として、日本列島という龍体の上に生まれてきたにもかかわらず、その意味は完全に消滅してしまうのである。

 

 

【世界を刷新する日本アニメ】
『アンパンマン』は幼児向けの絵本シリースですけれど、めちゃくちゃいいことを言っている。メッセージ性の高い素晴らしい作品になっていますよね。・・・中略・・・。自分の体の一部をちぎって「ほら、食べなよ」と言って差し出しているのが、すごく自然な行為なんですよ。(p.138-139)

『ポケトモンスター』が海外でウケているのも、世界が成熟してきている証拠だと思います。
 ポケモンは戦うけど、殺し合いはしないですね。(p.139)

『ONE PIECE』という、日本で一番売れている漫画がありますけれど、・・・中略・・・、「ワンピース」というネーミングが秀逸です。・・・中略・・・。“私たちはぜんぶひとつにつながっています”っていうことが、その作品のメインテーマなんです。・・・中略・・・。すごくないですか? “ひとつながり”が世界最高の財宝なんですよ。(p.140-142)

『バカボンド』は、原作が吉川英治さんの小説『宮本武蔵』ですから、もちろん格闘シーンが描かれているんだけれども、この漫画が伝えているのは日本人の精神性だと思うんですよね。
 なぜ自分は高みを目指そうとするのか、・・・中略・・・、命とはなんなのかとか、そういうことをずっと問いかけています。主人公の武蔵が自分自身で、自問自答しているんですよ。(p.143)
 日本の漫画家さんたちは、本当に高度で秀でた内容の漫画を描いてくれている。活字のみではなく、絵だからこそ国境を越えて伝わるものがある。即ち、漫画家でないと成し得ないことがある。正にクールジャパンを先導する先遣隊の皆さんである。
   《参照》  『「知」のネットワーク』 大前研一 イースト・プレス
            【文化的状況は意外な側面から変化してきている】

 日本のアニメが世界で受けている理由に、イデオロギーや宗教などの「縛りのなさ」があることは、下記リンクに示されているけれど、それは、そもそも日本文化の本質がイデオロギーや宗教から超脱したところにあるという特性によるものである。
   《参照》  『日本と世界はこうなる』 日下公人 (WAC) 《前編》
            【日本の文化がトップなのは・・】

   《参照》  『日本の個性』 八木秀次 (育鵬社) 《前編》
            【日本は文化の変電所】

 

 

【日本人は「やり方」ではなくて「あり方」】
 伝承というと、ふつうはスキルの部分を受け継ぐわけです。
 でも日本人は「やり方」ではなくて、「あり方」を受け継ごうとする。
 その「あり方」を受け継ぐために「型」があるという発想じゃないのかなと思うんですね。
 最初は真似することからはじまるわけで、だから「型」が決まっているし、「型」に合わせようとする。だけど、「型」を合わせることが大事なんじゃなくて、エネルギーを合わせていくというか、エネルギーを伝承していくことが、ぶれない軸として代々伝わっていくんだと思うんです。(p.154-155)
 そこにエネルギーやスピリットが伴っていなければ、文化として残っていかないと思うんです。(p.156)
 「やり方」も「あり方」も、「方」は「型」として伝承されてきた。「やり方」はやや粗雑なエネルギーを、「あり方」は繊細なエネルギーとスピリットの両方を伴う「型」と考えることもできる。
 また日本人は、「する」ではなく「なる」を最上と観る生き方をしてきた。これが「やり方」と「あり方」の違いともいえる。
   《参照》   『超意識 あなたの願いを叶える力』 坂本政道 (ダイヤモンド社) 《後編》
             【 自ずから「なる」 】 【日本の立ち位置】

 日本文化における「型」は、武道や芸能の伝承として保たれているけれど、「型」が持つエネルギーを感受できない段階では、日本文化の高度さを本質的に認知することはできないだろう。日本文化が世界の中心になるときは、人類全体のエネルギーレベルが繊細(高次)な側へシフトしているはずである。
   《参照》  『「知」のネットワーク』 大前研一 (イースト・プレス)
            【能はエネルギー芸術である】
            【21世紀の芸術】
   《参照》  『響きあう脳と身体』 茂木健一郎×甲野善紀 (バジリコ) 《前編》
            【武道における型】
 
 
【「日の丸」のエネルギー】
 日本では「型」にエネルギーが宿っていて、昔から日本人はちゃんとそのことをわかっていたという話をしましたけれど、そういう意味でいうと国旗ももちろんそうなんですよね。・・・中略・・・。「日の丸」は世界中のどの国の旗よりも間違いなくエネルギーが強いんです。(p.159)
 赤というのは、エネルギーの象徴ですよね。命の象徴だし、血は赤だし、情熱やバイタリティー、パワーがある。
 そして周りが白いというのは、制約がない、制限がない、垣根がないということなんですね。
 日本というのは、エネルギーを出し続けて、周りに貢献し続けるとか、見返りのない愛を放出し続けることが日本の役割というのが、「日の丸」の旗を見るとよくわかるんです。(p.162-163)
   《参照》  『皇人』 Ai (明窓出版) 《後編》
            【『日の丸』と『君が代』】

 

 

【「押す」ではなく「引く」】
 日本はね、自分から攻めていかないんです。そういう文化じゃないんですよ。引き寄せるんです。「押す」んじゃなくて「引く」んですね。
 日本では包丁も引いて切るし、西洋では押し切りなんです。
 武器でいえば、西洋の武器というのは基本、突いたり押したり、叩いたりなんですよ。日本刀のように「引く」という発想は、ないんですね。(p.174)
 「引く」というのはどういうことかというと、やはり「間合いに入れる」ことだと思うんですよ。(p.175)
 比較文化を学び始めれば、最初に、「押す」文化と「引く」文化という対比を目にするだろう。しかし、ではなぜ日本文化は「引く」のか? という説明がないものが多い。
 引いて、間合いに入れて、間入らせる。“間入る”は、“勝つ”ことではなく“和する”ことに通ずる。それが日本文化である。この意識は、日本人の応援の仕方にも表れている。
   《参照》  『負けないで』 ZARD
            【負けないで】

 

 

【「いま」は「命間」】
 「いま」は「命間」なんですよね。「命の間」なんですよ。
 生きる時間であり、命の時間、空間、それが「命間」。
 今を生きるとは、「今」に全部の命が生きているということ。
 命というのは、過去でも未来でもなくて、今にしか生きていないから、今を本当にせいいっぱい生きて輝かせるとか、いきいきと楽しむとか、そういう生き方ができるのが、いちばん幸せなことだと思うし、それが周りや世界に貢献することにつながっていくんだと思うんです。(p.181-182)
 「中今に生きる」 これこそが、日本文化のエッセンス。
   《参照》  『feel blue こころが元気になる贈り物』 秋月菜央 (経済界)
            【幸せの秘訣】

 

 

                 <了>