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 『空海さまと七福神が隠して伝えた「世界文明の起源」』 上森三郎 (ヒカルランド)を読んで、買い置き書架で長らく眠ったままになっていたこの本を思い出し、「この本では、神武や大国主をどう書いているのだろう?」と思いつつ読んでみた。2011年8月初版。
 著者は、本書の内容について、「正統竹内文書」を起爆剤としながらも、「正統竹内文書」の内容と必ずしも一致しない考えを書いた(p.269)と述べているけれど、現在の竹内家の後継者(竹内睦泰=第73世・武内宿禰)さんの言が何度も引用されているので、「竹内文書」がどういう文書なのかを事前にリンクしておきます。
   《参照》  『地球隠れ宮1万5千年のメッセージ 幣立神宮が発する日本の『超』中心力』 江本勝・春木伸哉
            【竹内文書は幣立神宮で書かれた?】

 また、タイトルにある「世界の御親国日本」という内容についても、表紙に描かれている「竹内文書」の核である16花弁の菊花紋の象徴される内容についても、それほど詳しくは記述されていないので、下記をリンクしておきます。
    《参照》  『『竹内文書』と月の先住宇宙人』 飛鳥昭雄 (徳間書店) 《後編》
            【天皇は世界の王である】
            【『竹内文書』は明らかに改竄されている】


 

【著者説:大和(日向)族と出雲族】
 パミール高原にいた天(アマ)族は紀元前3世紀ごろ、「人類の進化を促し、真の繁栄に導く」ため、陸路と海路の2つのグループに分かれて、活火山が多く、「人類の進化と活性化に適した磁場を持つ地域」である日本列島を目指した。(p.18)
 この記述に続く、渡来経路と族長に関する記述を簡略にまとめると、
 大和族は陸路。ネパール、インド、中国の江南地方を経て、博多湾に上陸、日向地方まで南進・平定。
 出雲族は海路。インド、東南アジア、朝鮮半島の島々、壱岐島から、出雲に上陸。
 大和族の族長は、イザナギ、イザナミ。
 出雲族の族長は、スサノオの父フツ。
 皇位継承の証である「十種神宝」は出雲族が保持していた。(p.19)
 その後、「十種神宝」を巡って大和族と出雲族の支配権(祭祀権)争いが続いてきた。

 

 

【正統竹内文書が伝える日本古代史の概略】
「日本から大陸に渡った人たちは、理想の国を大陸に求めたのだ」という。・・・中略・・・。彼らは、別々のルートでメソポタミアにたどり着き、合流。・・・中略・・・。そこに古代文明を築いた。
 竹内氏によると、シュメールの最大都市はスサと呼ばれ、スサの王をスサノオと呼んだ。スサノオは政治・軍事をつかさどる王として君臨し、後にこの政治・軍事グループは出雲族となる。一方、それとは別に祭祀をつかさどる者たちをスメラミコトと呼び、スメラミコトの祭司グループは後に大和族となった。
 その後、突然シュメール人たちは姿を消すが、どうやら一部は中東まで行き古代イスラエル人(ユダヤ)となったグループもいたようだと竹内氏は見ている。(p.24-25)
 スサの王に関しては、下記リンクのコメントにアマテラスに絡む記述をまとめておいた。
   《参照》  『縄文八咫烏直系! 吉備太秦と世界のロイヤルファミリーはこう動く』 板垣英憲 《前編》
            【秦ファミリーはエジプトを後にして、中国で「夏」を建国した】

(メソポタミアにおいて)祭祀を司っていたのが大和族である(p.25)ならば、(日本において)皇位継承の証である「十種神宝」は出雲族が保持していた(p.19)。という説明ができなくなってしまうけれど、大和族が創作した記紀神話で言うところの「天(アマテラス)の岩戸隠れ」が、この状況を言っている(p.161)らしい。
 スサノオのブループ(後の出雲族)は陸路日本へ向かい、北九州に上陸する。一方、スメラミコトたち(後の大和族)は、海路日本に向かい、九州の南にある高千穂に上陸(天下り=海下り)した。(p.26)
 渡来経路についても、著者の解釈は、正統竹内文書とは陸海反対である。
   《参照》  『ベールを脱いだ日本古代史』 坂本政道 (ハート出版) 《前編》
            【アマテラス族の渡来経路】
            【アマテラス族のルーツ】
 大和族の王であった神武(サノ彦)が出雲族の娘を娶り、大和朝廷を確立する。西暦紀元50年のころだと竹内氏は言う。大和朝廷が確立していく過程で、大和族の武内宿禰は出雲族の物部から八雲叢雲十種神宝の行法を奪ったので、今でも正統竹内家にこの行法が伝わっているのだそうだ。
 敗れた出雲族は関東・東北地方に逃げ、のちに蝦夷(エゾ・エミシ)となる。最初から日本にいた人たち(縄文人・原日本人)は、サンカとなったと、竹内氏は見ている。(p.27)

 

 

【ニギハヤヒ・オオトシ・アメノホアカリ】
 竹内氏はいう。「ニギハヤヒとオオトシ(大年神)とアメノホアカリは同一人物です。ニギハヤヒはスサノオの息子で、大物主でもありました。大物主は世襲名です。ところが大和族のお得意の系図改ざんにより、大物主をニギハヤヒ、大年、アメノホアカリの三つに分けてしまった。そして大年は出雲族の祖先、アメノホアカリは大和族の祖先ということにして、大和族の正当性をねつ造、さらにニギハヤヒに分けることで歴史を隠したのです。正統竹内文書は、その改ざんされる前の歴史を残しています」
 竹内氏は「大和族の出身」だが、とても面白い「内部情報」を教えてくれたことになる。 (p.30)

 

 

【「正統竹内文書」を伝える家系の潔さ】
 それにしても私が感心するのは、歴史的には大和族に属する竹内氏の潔さである。大和族側の系図改ざんの事実を認めただけでなく、武内宿禰自身が出雲族に伝わる十種神宝の秘儀・行法を出雲族から奪ったこと、さらには原日本人の秘儀や記録を実質的に奪った(「残している」)ことも認めているからだ。(p.32)
 武内宿禰は、蘇我氏の祖とされる人物。
   《参照》  『『竹内文書』と月の先住宇宙人』 飛鳥昭雄 (徳間書店) 《後編》
            【蘇我馬子】

 武内宿禰の孫である平群真鳥の「へぐり(平群)」は、飛騨地方の方言で「へぐる」であり、「裏切る」「だます」という意味があるという。また武内宿禰の「すくね」も「くすねる」を連想させる。
 良心の呵責というより、後世に対する明らかなメッセージとして名前に託していたのだろう。
 意味合いは違うけれど、イルミナティ、フリーメーソンも、大規模な災害予告は必ず行った上で実施している。
   《参照》  『3・11人工地震でなぜ日本は狙われたか〔3〕』 泉パウロ・高山長房 (ヒカルランド) 《前編》
            【あえてする犯行予告】
            【38年前に記述されていた3・11の予告】
   《参照》  『3・11人工地震でなぜ日本は狙われたか〔6〕』 泉パウロ (ヒカルランド) 《前編》
            【『20世紀少年』という犯行予告】
            【「仮面ライダー」という予告劇】

 

 

【オオクニヌシ】
 記紀神話では、高天原を追放され出雲国に降り立ったスサノオの子孫ということになっている(注:一部に別伝もある)
 だがオオクニヌシは、どうやらスサノオの子孫でも実の息子でもないことが正統竹内文書などからわかってくる。突如現れた、出自不明のスーパースターなのである。
 結論を先に紹介すると、越の国などにいた原日本人の子孫か、あるいは古代イスラエル人などの中東地方からやって来た人物ではないだろうか。竹内氏は後者の説を採っており、オオクニヌシは古代イスラエル人であったのではないかとみているようだ。(p.36)
 伊勢にはイスズヒコ(五十鈴彦)という者がいて、聖地伊勢の港を管理していた・・・中略・・・。正統竹内文書に記されているのだという。そして何と、このイスズヒコこそ、あのキリストだというのである。またの名をイセツヒコ(伊勢津彦)であると竹内氏は言う。(p.39-40)
 本書は、「大国主=イエス・キリスト」とまでは言っていないけれど、オオクニヌシ=古代イスラエル人という点では、下記リンク書籍の、「大国主=イエス・キリスト」という見解と合致する。
   《参照》  『空海さまと七福神が隠して伝えた「世界文明の起源」』 上森三郎 (ヒカルランド) 《後編》
            【中国・千山の九福神と日本の七福神】
            【日本におけるイエスの足跡】