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 著者名とタイトルが結びつかなかったのだけれど、女子大生モデルとして活躍していた時に、中村天風の著作を人に勧められたことがきっかけで本を読むようになったと書かれている。著者の読書法は、かなり変わった読書法だけれど、読書の目的は、チャンちゃんなんかに比べたら、むしろ立派と言える。2010年9月初版。

 

 

【心をととのえるための、朝リーディング】
 いわゆる読書術とはちょっと違うやり方ですが、本書のやり方をシェアすることで、皆さんが心をととのえてくだされば、最高にうれしいと思います。(p.8)
 朝起きて、お風呂につかりながら読書するという生活を毎日続けているという。
 目的は、“こころをととのえる”ということだから、この点はえらく立派である。
 この“こころをととのえる”という表現を読んで、長谷部誠選手の著作 を思い出したのだけれど、苗字も人相も人生の視点も似ているから、この二人は合うだろう・・・と、どうでもいいことを想ってしまった。
 聞くところによれば、ミステリーでも恋愛ものでも、小説というのはその作品世界にどっぷりとつかり、現実とは違う出来事を疑似体験する性質があるようです。しかし、私はまったく逆。
 自分の現実を、どのようにマネジメントするか。
 自分のメンタリティを、いかに整えるか。
 自分をどういう方向に成長させたいか。
 つねに実際の生活に役立てる道具として本を読んでいるので、小説はそぐわない気がします。小説にも良いメッセージが込められた作品があるのかもしれませんが、今のところ必要を感じないということです。(p.27)
 作品世界に“のめり込める”って最高の読書状態だと思うけれど、現実に生かすという目的からすると、確かに役立たないことの方が多い。
 “空想世界”を左、“現実世界”を右として、中心よりどちら側に重心があるのかと言えば、著者の場合は右端に近いだろう。チャンちゃんの場合は中心よりやや右寄りだろうか。本当は左端に行ってしまいたいのだけれど、それをすると、心身共に本当に独善的なパッピー・アホになってしまう。

 

 

【成功のため・・・?】
「どうしてこの人は、こんなにすごいんだろう?」
「この人は、どうやって成功したんだろう?」
 お目にかかり、魅力にひかれ、行動すればするほど、私はそういったことを知りたくなります。
 しかし直接会っているからこそ、「あなたの成功の理由を教えてください」と、ストレートに聞けないことは意外に多いのです。(p.68)
 チャンちゃんも、自己啓発書やビジネス書を読んでいるけれど、「成功」という言葉に絡めて読んでいることはない。頭や脳や心の使い方として面白いからというだけである。この点に関しては、チャンちゃんの読み方の方が少数派かもしれない。著者が「成功」という言葉に絡めてしまうのは、現実の業界内で活用すべく生きているからなのだろう。チャンちゃんはカネ絡みで生きること自体が好きではない。
 仕事を通じて真剣に生きているなら、誰だって年齢と共に、下記のように思うはずである。
 20代初めまでは“服を着るだけの女の子”だったので、外見を磨いていればいいと思っていました。
 ところが今、自分の意見を述べる側に立ったことで、いろいろなことを知っておかなくてはいけないし、知りたいと考えるようになりました。
 その意味で、一日中本を読んでいられる時間というのは、本当に身になる贅沢なのです。 (p.85)
 これを読んで、下記リンクのコメントに書いたことを思い出したのだけれど、数年前、著者をテレビで見た時、内面と外見に齟齬がないことはすぐに分かった。生き方と教養は、顔に現れているもの。
    《参照》   『日本人の品格を保つ方法』 亀石厓風  宮帯出版
              【女としての品格】

 

 

【エッセンスを直接学びたいなら・・・】
 エッセンスを直接学びたい、知りたいと思ったら、本のほうが近道なのは事実。
 失敗談も、成功へのプロセスも、どんなことに感動し、どんなことを心の支えにしてきたかも、すべて書いてあります。
 「成功者のセミナー」を、1300円程度で受講できるということです。(p.68-69)
 セミナーって、手っ取り早いように思えるけれど、実は聞き落しが少なくない。その点、本は読み手の心の状態に合わせて、何度でも読み返すことができるから、吸収の無駄はない。そう考えると、本はセミナーよりはるかに安い、と言うか、コスト・パフォーマンスがいいだろう。
 チャンちゃんは地方に住んでいるから、都内で行われているセミナーになどめったに行かないけれど、スピ系セミナーフリークの方々の話についていけないことはない。本を読まないセミナー参加者より、セミナーに参加せずとも複数の主催者の本を読んでいる人の方が、広範に正しく理解しているということはあり得る。
 むしろ、ろくに本を読まないスピ系フリーク人間は、一般のビジネスマン・ビジネスウーマンに比べて、多くの点で平均的に劣っていると感じている。本を読まないスピ系人間は、事実無根の妄想を本気で先行させるから、本当に危険ですらある。さらに脅威なのは、スピ系人間の中には、“心をととのえる”という視点など全くない人が少なくないことである。

 

 

【朝リーディングのトップスター】
 中村天風、松下幸之助稲盛和夫
 いわずと知れた大御所ばかりですが、私の朝リーディングのトップスター。長年にわたって愛読し、敬愛している著者です。(p.72)

 自分が女性だからといって、必ずしも女性に生き方を教えてもらうことはないと思うのです。男性でも女性でも生きていることに変わりはありません。・・・中略・・・。
 年齢、性別、職業といった自分の属性にとらわれて本を選ぶと、本当にピンとくる本に巡り合う確率が低くなってしまう気がします。・・・中略・・・。
 書店ではぜひ、普段行かないコーナーに足を運んでみてください。(p.73)
 行きつけの書店が決まっている人も、読書傾向が固定化してしまっている可能性が否めない。

 

 

【自信本の読み方】
 妙な言い方かもしれませんが、「本は生もの」だと思っています。
 たとえば、「夏の紫外線が心配だから、美白効果があるトマトを食べよう」と思ったら、スーパーに行ってトマトを買ってきます。
 買ってきただけで食べなければ、腐ってしまう。だからおいしくいただきますが、一度食べたらOKというわけではありません。毎日毎日、食べ続けなければ効果はありません。
 自信本も同じこと。一冊読めば自信がつくなど、あり得ないはずです。(p.93)
 そう。
 要は、“どうやって自分の意識に定着させるか”である。著者のように、“朝リーディング時に、気に入ったフレーズを、お風呂場で音読する”というのも一方法。チャンちゃんのように、“いつでも読み返せるように、書き出しておく”というのも一方法。

 

 

【著者のおすすめ本】
 表紙に写真掲載されている16冊+4冊の計20冊が、おすすめ本として p.110 以降に記述されている。
 その中に、この読書記録内にあるものが、2冊あった。
 『ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣』 美月あきこ (祥伝社) (p.136-137)
 『ハチドリのひとしずく』 辻信一・監修 (光文社) (p.140-141) 
 著者としては、大御所3人以外に、坂東眞理子山川紘矢浅見帆帆子高橋歩の著作が掲載されている。

 

 

<了>