イメージ 1

 昨日、1日当たり2300円で乗り放題の「青春18キップ」で往復700kmの旅に出て、電車という読書室で読んでいたのが、この本ともう一冊。そのうち『格安「青春18キップ」で電車に乗る人のシンプルな習慣』という本を出版したろうか。2009年12月初版。

 

【料金比較】
 飛行機のクラスにはF(ファースト)、C(ビジネス)、Y(エコノミー)の3つがある。
 Yは、ディスカウントチケットをお買い求めになる方がほとんどで正規の普通運賃で乗る人はいらっしゃいませんが、正規普通運賃で比較してみます。おおざっぱにいえば、F200万前後、C100万円前後、Y50万円前後=F4:C2:Y1という割合になります。
 正規割引運賃を適応して比較すると、F20:C5:Y1となります。(p.18)
 チャンちゃんのようなエコノミークラス人間は、割引運賃を使うのが普通(というより当然)だから、5倍でも信じられないけれど、20倍の料金を払って乗る人々の存在自体が信じられない。
    《参照》   『ガンジー 奉仕するリーダー』 ケシャヴァン・ナイアー (たちばな出版)
               【移動は三等車】

 

 

【ファーストクラスの常連】
 日本でいう富裕層とは、一般的に金融資産を1億円以上保有している人たちです。・・・中略・・・。日本国内における富裕層人口は、全体の2%といわれています。
 飛行機のクラス別比率は機材や飛行区間によっても違うのですが、・・・中略・・・、全体の座席数の3%程度になります。つまり、日本国内における富裕層人口の比率と、偶然にもほぼ同じです。
 しかし、富裕層の方たちがご自身のポケットマネーでお乗りになっているというケースは、皆無ではないにしてもかなり少数派になります。(p.21)
 “偶然にもほぼ同じです”とあるけれどこの記述はおかしい。2%と3%はほぼ同じではなく数値的には5割増しである。そもそも飛行機に乗るような人は、中層以上なのだから5割増し設定なのだろう。趣旨から外れるようなこんなイチャモンはどうでもいいといえばいいことなのだけれど、左脳頭のチャンちゃんはツイツイこういうところに引っかかってしまう。
 本題に戻って、ファーストクラスの常連とは、つまり社用族なのである。つまりビジネスエリート。

 

 

【ビジネスエリート】
 世界的な不況に突入した現在でも、以前と変わることなく会社のお金でファーストクラスに乗り続けられる常連客は、正真正銘のビジネスエリートといえます。
 ただし「ファーストクラス=人格者=リスペクト(尊敬)の対象」とは言い切れないもどかしさがあります。・・・中略・・・。
 私が機内でさまざまなお客さまと接してきたなかで、人格を含めて「参考にしたい」「お手本にしたい」「こんなふうに活躍したい」と思わせてくれた方たちは、総理大臣経験者でも、芸能人でもありません。
 自身が起業してファーストクラスに乗るまで上りつめた、創業社長です。
 彼らこそ、真の「ビジネスエリート」である、と定義したいと思います。
 ということで、この本のタイトルにある『習慣』は、創業社長さんの習慣と読み替えてほぼ間違いない。
 この著作内のコラムに、ファーストクラスに乗ったダイエット本の著者の実態が書かれていて、最高に印象的だけれど、面白すぎてもったいないから書き出すのは止めにした。こういうのばかり集めて『ファーストクラスの珍客たち』というタイトルで出版したら、相当売れるだろう。

 

 

【インボラ】
 エアライン側の申し入れで実現するアップグレードは「インボランタリー・アップグレード(Involuntary Upgrade)」、通称インボラと呼ばれています。他社便が欠航したりトラブルメンテナンスを行ったりする場合、大勢の旅客が別の航空会社の便に流れてくるため、その際にもインボラが行われます。
インボラはマイレージの会員の中の上級会員、正規料金客、エアライン関連会社のツアー客など、適応される順番があり、得意客が対象となります。(p.26)
 チャンちゃんは香港から帰ってくるときに、インボラの恩恵に浴したことがあるけれど、名前も覚えていないような中国人が経営する小さな旅行会社で格安航空券を購入していただけで、上記のいずれにも該当していない。その時はビジネスマン風のキッチリとした服装をしていたのでもない。何で? チャンちゃんの場合は例外中の例外だろう。キャセイ航空さん、あんがとね。因みにビジネスシートの食事はプラスチックプレートではなく陶磁器で提供されていた。シートもほぼフラっとにできるから熟睡可。
 近年は、マイレージを使ったアップグレード利用者があると書かれている。

 

 

【メモの効果】
 成功する人は、メモを取ると言いう態度で相手を感動させ、その人のやる気を引き出すのです。
 このように考えると、成功者は人にやる気を起こさせる名人かもしれませんね。(p.66)
 ファーストクラスに乗るような人は、相手が誰であれ真摯に耳を傾けるという傾向があるという中で記述されている内容なのだけれど、メモの効果は対人的なものだけではない。
 記憶を強化させるには、メモを取ることが最良の手段です。・・・中略・・・。体の多くの部分を同時に使えば使うほど記憶力は高まり、記憶時間も長くなります。
 そう、聞いただけ読んだだけというのは、意外に記憶に残っていないことが多い。
 チャンちゃんがこの読書記録を続けているのも、自分の記憶への定着率の違いを実感しているからである。(始めた理由はそんなことではない)
 とはいえ何でもかんでもメモを取ろうとする人を見ていると、ちょっともどかしく思うことがある。特にスピリチュアル系の話は、理屈ではないのだし、魂で感受すべきことなのだからメモを取る必要はない。そんなことをしていたら、効果は半減どころか、左脳が起動してしまって効果はほぼゼロになってしまう。

 

 

【IT理論】
 学習と記憶に関する研究をされている専門家のお話を聞いていたら、印象(Impression)と回数(Times)の掛け算によって、私たちは学んだことを脳に定着させているという理論を紹介されていました。頭文字から「IT理論」と呼ばれるものです。(p.71)
 ファーストクラスの乗客たちに関しては、サービス向上のために、機内で得られたすべての情報がデータベース化されているのだけれど、勤務中の忙しすぎるCAさんたちは、機上では印象と具体的な単語だけをメモしておいて、飛行機を降りてからそれらをキーに内容を想起しつつ詳細を記述しているはず。

 

 

【ファーストクラスの見分け方】
 ドア付近に立っているCAは、お客様の顔を見ながらニコリとすると同時に、どのクラスの方なのか、お客様が手にしている搭乗券をチラリと見ます。・・・中略・・・。
 しかし、じつはボーディングパスを見なくても、少し遠くから歩いてこられるお客様の姿を見ただけで、他のクラスのお客様か、ファーストクラスのお客様かがだいたい分かります。
 ファーストクラスのお客様は、とにかく姿勢がいいのです。・・・中略・・・。
 姿勢は自信の表れであり、オーラを形成する重要なファクターです。
 よい姿勢を保つポイントは、おへその下にある「丹田」と頭頂部の「百会」です。百会は、つむじのことです。(p.145)
 百会は頭蓋骨の接合部であって、つむじと一致する人はそんなにいないだろう。でも言いたいことはよく分かる。姿勢が悪いと気が廻らないのである。気が廻っていない成功者なんてありえない。
    《参照》  『宇宙のニューバイブレーション』 中丸薫・坂本政道 (ヒカルランド) 《前編》
             【背筋を伸ばす】

 

 

【ファーストクラスは読書家が多い】
 情報のアウトプットをしない時には、インプットをする。それがファーストクラスのお客様の成功術のひとつなのかもしれません。
 ファーストクラスに乗る人は、読書家が多かったように思います。読まれている作家は、司馬遼太郎、池波正太郎などが目につき、ジャンルでは伝記や歴史小説などが多かったようです。
 ファーストクラスに乗る人特有の孤独感があって歴史上の偉人について書かれた本を求めていらっしゃるのか、あるいはビジネスエリートといえどもヒントを与えてくれるメンターをもとめていらっしゃるのでは、と思います。(p.92-93)
 重大な決断をしなければならないことが多い経営者は、孤独を感じているのが普通。周りの凡人では話し相手にならないから、必然的に書物に向かうしかないのだろう。
            【 「徳」 を身につけるために 】

 

 

【自分の持ち物を大切にする】
 「○○様、ご搭乗ありがとうございます」
 と言いながらお席までご案内し、ジャケットやコート、お荷物などをお預かりします。
 その時、感心することがあるのです。
 コートやジャケットは、他のクラスでもお預かりするのですが、ファーストクラスの方は、ご自身の衣類を本当に丁寧に取り扱います。そして私たちCAが扱いやすいように向きを直してくださったり、コートハンガーにかけやすい向きにして持っていてくださったりします。(p.94)

 ファーストクラスのサービスをしていて、「ペンを貸してください」と頼まれたことはありませんでした。少なくとも私は経験がありません。インク切れだから貸してといわれたことはありましたが、「ペンの持ち合わせがないから貸して」とリクエストされたことは記憶にありません。(p.99)
 ファーストクラスに相応しい創業社長のような人々は、「自分の持ち物をとても大切にする」という傾向があるといっている。
「壊れたら直すより買い替えた方が早いし安い」というのは我々B級人間の発想だけれど、数十年に渡って、人を育て、会社を育ててきた人に、そんな安易な発想はありえない。
    《参照》   『持たない贅沢』 山崎武也 (三笠書房)
              【敬】

 人に対する細やかな気遣いという点も、成功者に共通する条件として多くの書物に書かれている。

 

 

【会話名人】
 ファーストクラスに乗るお客様は、とても好奇心旺盛です。特に、創業社長の方たちにそれを感じます。そんな方たちとの会話は、ついつい長くなってしまいます。(p.119)
 成功している人は、「巻き込み名人」です。他人を自身の魅力で上手に巻き込み、ファンにするということです。この人を応援してあげようと考える人が1人、2人と増えていったことも、名だたる創業者たちの成功の要因ではないか、と私は考えています。
 その時のキーワードが、「ありがとう」ではないでしょうか。(p.128)
 成功者は、好奇心プラス会話力で、じゃんじゃん情報を収集しているのである。
    《参照》   『好きなことをやって、成功する法則』 竹村健一・中谷彰宏 (PHP)
              【インプットで人間を見る】

    《参照》   『耳学問で劇的に変わる経営力 深見所長講演録22』 (菱研)
            『耳学問のすすめ』  鎌田勝  日本実業出版社
 チャンちゃんの読書記録は、駆け出しのビジネスマン程度なら、比較的効率よくインプットできる内容になっています。どうぞ自由に御活用ください。

 

 

【当たり前のことを続ける】
 ファーストクラスに乗る創業者たちは、当たり前のことを自然に続けてきた人たちばかりです。
 誰かに親切にしてもらったら、「ありがとう」という言葉で感謝の気持ちを伝えますよね。ごく当たり前のことです。でも、常にそれを続けている人は、実は少ないのではないでしょうか。事実、ファーストクラス以外のクラスでは、あまり多く見かけませんでした。(p.178)
 たしかにエコノミークラスで、ひとつひとつのサービスに「ありがとう」と言っている声を聴いた記憶はあまりない。「サンキュー」も「プリーズ」もないどころか、旅慣れた感じの若い日本人女性が隣に座っていた時、食べ終わった後の食器の散らかったあまりの汚さに、ドン引きしたことがある。最初から育ちが悪すぎるのか、国際標準はこの程度と低いレベルに合わせて平気になっているのか分からないけれど、こういうのは心底勘弁してほしい。
 海外で作法の「さ」の字も知らないような日本人に出くわすたびに、日本人を辞めてもらいたいと思っている。

 

 

【沈着冷静】
 天候異常で着陸する空港が変わってしまった場合など、機内ではパニック状態になることがあるらしい。
 しかし、彼らは一瞬「え?!」と思っても、感情をすぐに立て直し、冷静さを取り戻すことができる人たちなのです。ビジネス上で、いろんな修羅場を潜り抜けてきた方たちばかりですから、ちょっとやそっとのことでは、パニックになんてならないのです。人間の本姓は、こういう非常時にこそ出るもの。
 私がファーストクラスのお客様に包容力を感じるのは、どんな時も沈着冷静でいる姿を何度も見てきたからです。(p.200-201)
 納得。

 

<了>