《前編》 より

 

 

【音階における「ト音」】
 英語でも「ト」は重要視されています。「ト音」は、ドレミファソラシドの音階でいうと「ソ」の音に相当します。ソはアルファベットでいうのなら「G」。「ト音記号」はこの「G」の「うずまき」を図案化したものです。
 第4章で改めて触れますが、「うずまき」や「らせん」は宇宙や私たち人間が秘めているエネルギーを表していると思います。
 そこから考えると、「GOD(神)」、「GALAXY(銀河)」など、世の中の土台となる重要な英単語の多くは「G」から始まっているのだと私は考えています。(p.112)
 「ト音」は、ドレミファソラシドの「ソ」に相当することを念頭に置いておく。
 ドレミファソラシドという音階は、からだの各部分と自然に対応しています。これもまたプレアデス星団からのメッセージです。
 順番に見てみましょう。
 ドは股の間の会陰と土。レはヘソの奥にある丹田と火、ミはヘソと水、ファはみぞおちと風、ソは心臓と太陽、ラは喉と宇宙、シは脳にある松果体と死にそれぞれ対応しています。
 そして次の音階の始まりのドは頭の上13cmのところにあります。宗教画で「天使の輪」が描かれている空間です。これは天に対応します。
 ソという音が結びつけていることからわかるように、心臓は太陽と強いつながりを持っています。(p.151-152)
 「ト音」=「ソ」=「太陽」=「心臓」≒「アナハタ・チャクラ(ハート・チャクラ)」
 「太陽系」を英語で「ソーラーシステム」、「太陽」をフランス語では「ソレイユ」、スペイン語では「ソル」というから、ソ音がそのまま生かされている。
 「太陽」は「そ」で始まっていなけれど、日本は「太陽」を国旗とする国である。
 その理由は、下記に記述されている。

 

 

 

【トホカミエヒタメ】
 カタカナで特に重要なのは「トホカミエヒタメ」の8文字。この8文字が表す8つの音がひとを介して地上に最初に降りてきたと言われています。
 これから語る「内容」は、第1章で触れたプレアデス星団からメッセージでダイレクトに私が教わったことです。
 「ト」は「トホカミエヒタメ」の最初の音であり、すでに見たように重要な意義を持っている言葉です。
 その「ト」が初めに降りてきたのはここ日本です。
 「トホカミエヒタメ」が降りてきた場所は文明が始まる場所。プレアデス星団の導きに従って、どの音がどこに落ちたかを明らかにしてみます。(p.113-114)
 8文字それぞれの降りた場所が記述されているけれど、問題は日本がなぜ「ト」なのかである。
 「ト」は、【音階における「ト音」】で示したように、「ソ」であり「太陽」を意味している。
 日本の国旗が「太陽」であることの大本はこれだろう。そして、これは、ロゴスシステムによって、日本は、地球の中心でもあり、宇宙の中心でもあることを意味しているのである。
 いまではその重要性は忘れ去られてしまいましたが、「トホカミエヒタメ」は厄を祓う神聖な言葉として昔の日本人には大切にされてきました。(p.114)
 「トホカミエヒタメ」に関連するリンクを付けておきます。
    《参照》   『神々の聖地』 山田雅晴 (たま出版)
              【トホカミヱミタメ】
    《参照》   『「秀真伝」が明かす超古代の秘密』 鳥居礼 (日本文芸社) 《後編》
              【「八咫の原理」を象徴するヲ】
    《参照》   『日月地神示』 白峰聖鵬 (明窓出版) 《後編》
              【一二三(ひふみ)祝詞】

 

 

【「森羅万象学」の仕上げとしての「音楽」】
 古代ギリシャでは、すべての学問をマスターした人のみが、音楽を学ぶことを許されたと言われています。
 数学、天文学、医学、物理学、哲学、化学・・・。数々の学問を修めたマスター・オブ・マスターのみが開ける秘密の扉。
 いわば「森羅万象学」の総仕上げとして学ぶことを許されていたのが、音楽だったという説があり、私もそう信じています。(p.174)
 この部分を書き出しながら、下記リンクのコメントに書いておいたヘンデルの『メサイア』を聞いた時のことを思い出していた。
    《参照》   『涙の理由』 重松清・茂木健一郎  宝島社  《前編》
              【知的な涙?】

 昨年のちょうど今頃、イエスに関する縁で集っていたかもしれないサークルで、それしか思い浮かぶものがないからということでヘンデルの『メサイア』を聴いた時のことを話したことがあり、それから間もなく、古書店にあった 鏡リュウジの『星座でわかる運命事典』の魚座のページを見ていたら、ヘンデルの誕生日がチャンちゃんと同じ2月23日とあってビックリ。だからといって、チャンちゃんは昔も今もクラシック音楽になんか、ほぼ興味はない。
 尋常ではない体験があったからと言って、それで何かが分かったというわけではないのである。また、自分に関して訊いたのでもないのに、何事かを教えてもらったこともあるけれど、それで何か明確に自覚できたということもない。故に、生まれてこの方、何もかも封印されっぱなしの感じである。
 この不全感が大いに気がかりだけれど、下記に示すように、「音楽」には、「森羅万象学」の仕上げとも言い切れない部分があるはずである。

 

 

【和音階と琉球音階】
 日本古来の和音階では「ドレミファソラシド」のうち「ファ」と「シ」の音を使いません。・・・中略・・・。
 これに対応している自然の要素は「風」と「死」です。・・・中略・・・。
 だからこそ日本人は、和音階では使っていない「ファ」と「シ」がシンボライズしている「風」と「死」を音楽以外のフィールドで追及してきました。
 風は目に見えませんし、一か所に留まるということをしません。それは「常に無い」ということ。すなわち「無常観」につながります。
 そして「死」は「死生観」そのもの。
 このように考えると、『平家物語』や『源氏物語』から近代の私小説まで綿々と受け継がれている日本の文学、あるいは日本庭園や茶道や武士道といった日本オリジナルの文化や思想で「無常観」と「死生観」がメインテーマになっている事実も、大いにうなずけることなのです。(p.203-204)
 この和音階に関する記述は、日本文化の在り様を見事に表現している。
 なお、「ファ」と「シ」を使わない音楽は、“ヨナ抜き”と言われている。
 明治時代まで「ドレミファソラシ」は「ヒフミヨイムナ」と称され、第4音と第7音がそれぞれ「ヨ」と「ナ」だから“ヨナ抜き”と言われるようになった。“ヨナ抜き”の音楽は「ドレミソラ」という全音のみで構成されるので、黒鍵だけで弾くことができる。
 『昴』も、和音階の“ヨナ抜き”メロディである。
 谷村さんは“ヨナ抜き”メロディを「大陸メロディ」と名づけているけれど、ユーラシア大陸の両耳である、日本とケルトで、この“ヨナ抜き”メロディは愛好されている。
    《参照》   『ケルト入門書』 (星雲社)
              【ケルト音楽】
 琉球音階で省略されているのは「レ」と「ラ」、シンボライズするところは「火」と「宇宙」です。
 沖縄ではお祭りをするときには必ず「火」をたきます。そして「ユタ」と呼ばれるシャーマン(巫女)に相当する女性は「ムリブシ(ムルブシ)」を拝んでいます。
 「ムリブシ」とは漢字にすると「群星」。つまり「宇宙」です。
 和音階と同じように、音階でカバーしていない「火」と「宇宙」を敬う文化が沖縄では古くから発達していたのです。(p.204-205)
 音階と文明の相補性をマクロに語るなら、
 一神教文明は、多層音階のポリフォニーや交響曲を必要とし、
 多神教文明は、余白の多い音楽で事足りた、と言えるだろう。
   《参照》   『自分の中に歴史を読む』 阿部謹也  筑摩書房
               【ポリフォニーと交響曲】

 

 

<了>