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 著者の高杉さんは、言うまでもないことだけれど経済小説作家。バブル崩壊前後に日本人の精神が拝金化したのに加えて、小泉・竹中改革によって社会が顕著に崩壊してゆく状況を憂えた記述に満ちている。タイトルには“再生へ”とあるけれど、モラルの再建以外に何も記述されていない感じである。確かにそれしかないのだろうけど、拝金化した精神は元に戻るんだろうか? 地元の地方自治に巣食っているオッサン達のイケシャアシャアとした狂った実態を知ってもいるから「空想に近いかも・・」なんて思ってしまう。2007年10月初版。

 

 

【強きを助け、弱きをくじく奴】
 『サンデープロジェクト』は、強きを助け弱きをくじく田原氏の政治権力への迎合ぶりが目にあまるので、私は見ないことにしていた。・・・(中略)・・・。
 田原氏ほど愚劣なキャスターを私は知らない。
 田原氏は同番組で、堀江逮捕時に「検察ファッショだ!」と喚いていたことがあった。(p.15)

 第1章でも触れたが、私がどうしても指弾しておきたいのが、ジャーナリストと称する田原総一郎氏である。田原氏はいまだに、時の政権に無定見に迎合した自身の罪を自覚していないようだ。それは、言葉を換えれば国民に対する裏切り行為でもあるから、百害あって一利なしである。(p.126)
 アメリカに阿るポチ君だということ。
 だからこそアメリカの属国日本において長年テレビに出演できている。それが何よりの証拠である。自分と家族が美味しいご飯を食べたいがためには、強きを助け弱きをくじく。その程度の人間である。神道には「御魂は見たまま」という表現があるけれど、誰が見たって卑しい人相にしか見えないでしょう。
 この本には、大手メディアの腐敗状況もおおいに指摘されているけれど、それらに関しては、何度もブログの中に書き出してきたので下記リンクで代用。ここから辿れば、田原総一郎の“強きに諂う“ 恥知らずな記述を書き出しておいたものにも行き着く。
   《参照》   『にんげん』 船井幸雄 (ビジネス社)
             【アメリカに制圧されている広告業界=テレビ界】

 

 

【財界のトップも腐ってる】
 企業トップの倫理観の欠如が際立った例で私が驚いたのが、旧・経団連(現・日本経団連)会長・新日本製鐵社長の斉藤英四郎氏が他界した後、遺族に何十億円もの財産を残していたことである。 ・・・(中略)・・・ 。サラリーマン社長がなぜ何十億円もの財を築けたのか。
 こんな人物が財界のトップと称される経団連会長に就任していたのだから、この国はずいぶん昔から傷んでいたのだろうか? それとも、お金が人の心を蝕んでしまったのか? (p.19-21)
 これ、今知った。ドン引きである。
 新日鐵って、「産業の米」と言われる鉄を生産することで、日本の経済成長の根本を長年にわたって担ってきた基幹中の基幹企業である。そのトップがねぇ~。
 そのような実態であったのなら、その精神は、サムスンとまるで一緒だろう。
   《参照》   『サムスン栄えて不幸になる韓国経済』 三橋貴明 (青春出版社) 《後編》
             【韓国企業が豊かにしているもの】

 下記リンクは、新日鐵初代社長の稲山さんの著作だけれど、ちゃんとした理想が語られていた。
 齋藤氏は第4代社長である。
   《参照》   『わかっちゃくれない』 稲山嘉寛 (朝日新聞社)
             【理想を求め続けて】

 

 

【エリート学生の就職先】
 エリート中のエリートである東大法学部の学生で、昔のように官僚を選択する者は著しく減ったという。30歳で億の給料をもらえるゴールドマン・サックス、メリルリンチ、リーマンブラザースのような外資系金融は、日本の優秀な人材で溢れている。(p.195)
 この本が書かれたのはリーマンショックの前だけれど、その後であっても、これらの金融機関は焼け太っているはずだから、今後も人材流出は続くのだろう。国内で人気なのは、アメリカによる日本国民洗脳情報支配企業である電通らしい。
 エリートの若者も“お金”が第一らしい。そんなのをエリートとは言わない。
   《参照》  『人類への警告⑥ 真の支配者』 高山長房 《前編》

            【電通の正体】

 

 

【石原慎太郎・前東京都知事】
 石原慎太郎氏は作家の先輩としては敬意を抱くが、政治家としては、その言動に対しては敬意が抱けない人物である。 ・・・(中略)・・・ 。
 まず、2001年6月、東京都議選のさなかにガラパゴス諸島に9日間滞在し、大型クルーザーで島めぐりをした。その費用の総額は1400万円を超え、エコツアーの視察が名目だが単なる観光旅行にすぎないということが告発された。 ・・・(中略)・・・ 。
 都議会野党の共産党は、石原知事が行った19回の海外出張は、資料が入手できた15回だけで2億4000万円を超えるとして、激しく攻撃した。(p.29)
 チャンちゃんも 『おおい雲』 や 『青年の樹』 の作者として石原さんのことは好きだったけれど、近年の政治家としての行動は、おもいっきり興ざめである。ソニーの盛田さんの共著、『NOといえる日本』 などではマトモだったけれど、その後、CIAに弱みを握られたのだろう。露骨なネオコンの奴隷政治家になり果ててトラブルメーカー役をやっている。
   《参照》   『こんな世の中だからこう生きよう』 中丸薫 (ヒカルランド)
             【東アジアの連携】
   《参照》   『日ユ同祖論とミロクの世の真実』 船井幸雄・飛鳥昭雄 (学研) 《前編》
             【第3次世界大戦と第4次世界大戦】

 日本維新の若い政治家さん達と、自民党の防衛族議員さん達は、どんなつもりなのか知らないけれど、確信犯でないならこのブログの中の 副島隆彦さん ベンジャミン・フルフォードさん 中丸薫さん の読書記録くらいは、リンクされているのを含めて全部読んでおいた方がいい。

 

 

【日本経済新聞の腐敗ぶり】
 日経新聞の東京本社広告局員によるインサイダー取引事件は、マスメディアに関するなかでも、過去最大級のものだ。引責辞任だけが責任の取り方ではないが、杉田亮毅社長が辞任しなかったことには驚かされる。(p.156)
「日経はクオリティーペーパーなどではない。政官財と癒着し、経済情報を独占しているため図に乗っている」「市場原理主義者に与して日本をアメリカの属国に貶めたのも日経だ」という意味のことを伝えてきた東証一部上場企業の幹部が多数存在した。(p.166)
 背後にCIAがついていれば何でもありである。
 この杉田亮毅氏という名前、下記のリンクの中にも記述されている
   《参照》   『売国者たちの末路』 副島隆彦・植草一秀 (祥伝社)
             【会計士の不審な死 : 「植草追い落とし」の準備】
   《参照》   『美しき日本の残像』 アレックス・カー 新潮社 《前編》
             【日経新聞の実状】

 政治や経済に関するメディアに属していたら、有益な情報を手にするのが普通だけれど、それを私利私欲に用いないという倫理があってしかるべきである。でも大抵のオッサンたちに、そんなものはない。
 チャンちゃんの地元でも、競売に出ていた荒れた土地を安く手に入れ、その直後に、その土地に沿った水路改修を兼ねた道路拡張工事が行われるという、美味し過ぎるWゲットがあった。工事中に重機が置かれていたその土地は、工事完了後に伸びていた樹木の伐根までされてすぐにでも耕せるよう美しく整地された土地として入手できたのである。その土地を入手したのは保坂武市長の縁者ないし知人の農協幹部(樋口)であるらしい。こんなもんである。