《前編》 より
 

 

【中国「社会主義的市場経済」のプラス面】
 中国は崩壊しないし、中国への金融危機の伝播や財政破綻も起きないと考えている。
 なぜなら今の中国人は、もっとしたたかで優秀である、アメリカなんかに騙されない。もし、中国の株式市場(上海総合指数に現われる)や、人民元の信用危機(外国通貨との為替不能)がおきそうになったら、中国政府は、取引市場を、お得意の強権発動で、市場統制を一斉に断行してしまうからである。これが中国がこれまで堂々と主張してきた「社会主義的(な)市場経済」なるもののプラス(肯定的性質)の面である。どうせ、高度資本主義(自由主義)国のアメリカだろうが日本だろうが実際には金融統制をやっているではないか。中国政府は、遠慮なんかしないで、自国が危ないと思ったらカバッと強力な統制を上からかける。文句あるか、かけて悪いか、外国からの害毒は即座に遮断する、という決意に満ちている。(p.161)
 アメリカと結託する日本人の高級官僚達が日本の富を勝手に使い込んでしまうから、日本は、格差社会が進展し既に戻りの効かない国になり果てている。そんな状況下で、日本が中国に対して、資本主義の隠然たる支配経済ルールを順守せよなどといえるはずがない。
 凶悪凶暴なアメリカが沈んだ後、東アジアのみならず世界は本当の安定的発展を享受できるはずである。

 

 

【頭はアメリカ派】
 アンゲラ・メルケル女史は、実はかつての英国のマギー・サッチャーと同じで、アメリカが育てた親米派の傀儡政治家である。わたしはこのようにはっきりと書く。 ・・・(中略)・・・ メルケルは日本で言えば、小泉純一郎と同じようなアメリカの手先となるべく抜擢された政治家である。フランスのサルコジ大統領(この男もアメリカの手先)と二人で、アメリカ寄りのことをさかんにやっている。それでヨーロッパが混乱している。菅直人首相と同じで、頭だけアメリカに取られてしまった。(p.170-171)
 アメリカに忠誠を誓う政治家は、魂からしてボロ屑である。どうせサッチャーやレーガンのように、役割を終えたら口封じとしてアルツハイマーにさせられるだけである。

 

 

【イギリスがEUに加盟しながらユーロを受け入れない訳】
 イギリス国民もEU統一パスポートを喜んで受け入れている。それでもイギリス人がEUに完全に同化せずイギリスがポンドを守ろうとするのは、それは、隠された金の準備に裏付けされたポンドの信用があるからだ。イギリスは金を多量に隠し持っている。(p.179-180)
 スイス・フランも統一通貨に加盟していない。イギリス、スイス、そしてバチカン市国は金の地金をたくさん保有している。実は、日本も桁はずれに多量にもっている。

 

 

【ヒラリー大統領へのシナリオ】
 ジョセフ・バイデン副大統領がまず辞任に追いやられる。そしてヒラリーに取って代わられる。あるいは、ヒラリー国務長官が、「上院仮議長」に就任する。その上で、副大統領が大統領への就任を固辞すれば、ヒラリーが大統領に就任できる。こうしたシナリオが着々と進行中である。(p.218-219)
 シナリオ通りヒラリーが大統領になれば、人類に最悪のシナリオがもたらされるだろう。2012年の中東での核戦争の準備として、ヒラリーは今の内から安定を覆す言動に勤しんでいる。一昨日、ハマスが中東和平に合意したら、「ハマスの参加は危険をもたらす」などといっていた。何が何でも戦争を起こしたいのである。
   《参照》   『すでに世界は恐慌に突入した』 船井幸雄・朝倉慶 ビジネス社 《前編》
              【オバマの役割】
   《参照》   『アメリカが隠し続ける金融危機の真実』 ベンジャミン・フルフォード (青春出版社)
              【世界の大きな動き】
 これからは米国でさえも、このネオ・コーポラティズム(開発独裁)を推進することになる。ヒラリー・クリントン政権下でそれに類似した政治体制に移行する。 ・・・(中略)・・・ 。
 1930年代の「大恐慌」時代に、ルーズベルト政権が行ったこととまったく同じような政治体制を、ヒラリー・クリントン政権は目指すことになる。だから、これは “ヒラリー・ファシズム” とも呼べるのである。(p.233)

 

 

【アメリカと山口組】
 世界に駐留している米軍は、港湾での荷揚げ作業に携わる各国の “沖仲士(クーリー)” の労働力を動員することがどうしても必要だった。こうした勢力を配下に置いているイタリア・マフィア(その頭目がラッキー・ルチアーノだ)と提携することに決めた。日本でも山口組の田岡一雄3代目組長が、朝鮮戦争を境に米国に抜擢され、必須の人物としてアメリカによって育てられたのである。だからアメリカが山口組に全国制覇を許したのである。イタリアでやったのとまったく同じことだ。(p.232-233)
 郵政改革では、資金をアメリカへ還流させるのが第一の目的だったから、小泉派閥の稲川会はダシに使われただけなのだろう。依然として、山口組は健在である。アメリカの言いなりである検察庁が、山口組を徹底的に潰す訳がないのである。同和問題が片付かない深層(真相)はこれである。
   《参照》   『この国を支配/管理する者たち』 中丸薫・菅沼光弘 (徳間書店) 《前編》
              【稲川系のブッシュ大統領】
   《参照》   『同和利権の真相』 寺園敦史・一ノ宮美成 (宝島社) 《前編》
              【 『7項目の確認事項』 】

 

 

【日本の将来を潰した者達】
 私たちは「6・2反小沢クーデター」を決行した者たちを許してはならない。彼らを徹底的に批判すべきだ。私は今、ふつうの経済本に書くに相応しくない激しいことを書いている。しかし、日本国の国難を前にして黙っておれない。
 玄葉光一郎(クーデターの現場隊長)、樽床伸二(小沢派へのもぐり込みスパイ)、大串博志(財務省、主計官あがり)、古川元久(財務省が古くから民主党に送りこんだスパイ)、田村賢治(財務省スパイ)、荒井聡(農水官僚あがり)、佐野忠克(鳩山を丸裸にした通産官僚、首相秘書官。裏切り者)、小野善康(阪大教授、増税主義者)、平岡秀雄(元財務相官僚)・・・・・この者たちを、私、副島隆彦は、徹底的に糾弾する。
 この者たちが、民主党内のクーデターで政権を握るや、とたんに、「増税、増税」と言いだした。消費税を10%に上げる、と怒号した。この日本国民への裏切りもの達は、気がふれたように増税を叫び出した。(p.251)
 クーデターによって押し上げられた菅直人仙石由人枝野幸雄らも、糾弾対象であるのはいうまでもない。
 クーデターを行った者たちが増税を叫んでいたのは、郵政見直し法案と、公務員改革法を葬り去ったからこその財源案だった。アメリカと公務員だけ甘い汁をすって、財源は国民に押し付けようという策略だったのである。
 クーデターの内実が分かっていなかったから、下記の読書記録を書いたけれど、現在の日本丸は暴風雨を前にして、そうとう酷い状態になっている。
   《参照》   『アメリカの不運、日本の不幸』 中西輝政 (幻冬舎) 《前編》
              【民主主義とは公約を守る政治ではない】~【ミッテランの事例】
 玄葉は、石原伸晃と番組中に盛んに目配せし合って、郵政見直し法案を、葬り去ることを画策していた。(p.258)
 石原伸晃議員は、父親に刺殺されて生涯を閉じるのがけじめとして相応しいのではないか。(このコメントを書いた2011年時点では、石原慎太郎の素性を正しく理解していなかった。実態は親子と共々ロックフェラーの完璧な走狗である)

 

 

【迫りくる嵐に備えて・・・】
 昭和5年(1930年)に、浜口雄幸と、井上準之助の二人が、ブルブル震えながら、国際金融資本家達から、脅かされて、無理やり、「金解禁を断行させられ」た。そして日本の金融を、外側に無防備に開いた。そうしたら、その前年(1929年)の10月にすでに始まっていたニューヨークの “魔の木曜日” の株式大暴落から起きた世界大恐慌の影響を日本は真正面から受けた。そして日本も、一気に昭和5年からの「昭和恐慌」の地獄(農民が飢えて、たくさんの失業者が自殺した)に突入した。あの愚を、繰り返してはならないのだ。この二人は、このあと口封じで殺された。今の愛国政治家・中川昭一の死とそっくりだ。
 だから、急いで、迫りくる嵐に備えて、私たちは国を閉じなければならない。そのための、郵政民営化の見直し法案だったのだ。これを、菅直人と仙石由人に、亀井静香は、無念にも潰された。郵政(見直し)法案は、もう通ることはない。(p.278-279)
   《参照》   『ドル亡き後の世界』 副島隆彦 (祥伝社) 《後編》
              【中川昭一財務・金融大臣】

 現在の霞ヶ関の官僚など、日本国民の幸せなど全然考えていないのが良く分かるだろう。郵政見直し、公務員改革の他に、派遣法の見直しも、クーデターによって潰されているのである。薄給で働く派遣者の上前をド派手に跳ねて貪るのが派遣企業に天下る官僚たちである。
 日本の現状と将来に関しては、多くの国民が、この本と、 『小沢革命政権で日本を救え』 副島隆彦・佐藤優 (日本文芸社) を読まなければいけないだろ。

 

 

【副島本の素晴らしさ】
 ものごとは、通常、新聞記事に書かれていることよりも、もっと大きな流れで読まなければならない。そのために私の本がある。日本では私のこの大きな読みがおそらく一番大きな、人類史の歴史の必然性までを分かつ上での読み(解読)だろう。そのように豪語する。(p.160)
 チャンちゃんが経済に興味を持てるようになったのは、ひとえに副島さんの著作に出会ったからである。凡百の評論家とは違って、闇を暴く勇敢な意見を堂々と記述する副島さんの著作を愛読する人々は多いはずである。
 私の読者は、今の日本で最良質の読書人階級である。だから私は尊敬している。(p.290)
 「若者たちよ、副島隆彦さんの本を読め! でないならば本当の日本人にはなれない」 とまでチャンちゃんは言いたい。

 

 

<了>