日本文化講座 ④   【日本と古代キリスト教の関係 】


 現在の日本にキリスト教徒は少ないが、これは16世紀に日本に来たキリスト教宣教師の船に多量の武器が積まれていたが故に、日本を占領する目的とみなされ、以後、キリスト教徒が迫害されたためである。このような政治的弾圧がなれれば、現在の日本にもかなり多くのキリスト教徒が存在していたはずである。
 何故ならば、元々794年に成立した京都・平安京はシルクロードの東の終点であり、当然のことながら世界中から様々な宗教や文化が流入していた。その中にキリスト教の一派である「景教」があったことは明白な歴史的事実である。なおかつ、当時の日本の政治や、平安京の造成に強く関わっていた「秦氏」の氏神神社には、池の中に立つ「三つ鳥居」という奇妙な形の鳥居があり、その神社の名前である「大辟」を中国語で読めばダビー(≒ダビデ:古代ユダヤの王)である。京都・平安京の造成に関わった秦氏の周辺には古代ユダヤの影響とおぼしき物証がいくつもある。(下記参照)


【京都に残る古代キリスト教=ユダヤ教(景教)の影】
 エルサレム:イスラエルの首都。古代に用いられていたヘブル語でイェル・サレムといい「平安の都」の意。ガラリア湖:エルサレムの近くにある湖。古代はキレネテ湖と言われており、キレネテとは「琵琶」の意。つまり、古代のエルサレムのそばにキレネテ湖があったことを、そのまま平安京(京都)と琵琶湖という地名に残したのである。
 京都で行われる有名な祭りである、「祇園祭」は 7/17に催行されるが、この日はノアの箱舟がアララト山に漂着した日とされる。 また 「葵祭」は秦氏と縁の深い鴨神社を起点かつ終点として巡る祭である。「葱鴨」という俗語の諺があるが、本来は「禰宜鴨」であり、日本中の神社の禰宜(神職)は、鴨氏から選出されていたことが由来のようである。


【 神社に見られる「三つ巴」の紋様 】
 韓国の国旗の中央に描かれている赤青2色の紋様を “巴” と言うが、日本の多くの神社には “三つ巴” の紋様が描かれている。欧米各地のキリスト教会には Trinity church という名前が随所にあるが、英語の Trinity は、”父なる神・聖霊・子なるキリスト“ の三位一体を表している。


【 茶室の「にじり口」】
 茶道、表千家の宗家は、茶室の異様に狭い入り口(「にじり口」という) について、「聖書の 『狭き門より入れ』 を形にしたものである」 と明言している。


【 伊勢神宮の灯篭に描かれた紋様:ダビデの星 】
 神道の中心に位置する神社である伊勢神宮(三重県にある)の参道に並ぶ石灯籠には、上下逆さにした二つの正三角形が重なった紋様が描かれている。これは伊勢神宮を守っていた小泉太志命さんという、神道界の重鎮の指示で近年描かれたそうであるが、この六芒星は「ダビデの星」といわれる紋様である。言うまでもなく、ダビデとは旧約聖書に登場するダビデ王のことである。


【 名前の名残 】 
 旧約聖書の主要な登場人物として、モーセやダビデ王のほかにイスラエル最盛期の王としてソロモン王が有名である。この名前を継承して英語圏では 「サイモン」 という名前をもつ人々が多い。日本の場合は、源左衛門、彦左衛門などの 「左衛門」 という名になり、江戸時代頃までは多く存在した。


【 御御輿とその中身 (神社の御神体) 】
 神社の祭に登場する御御輿は、神社の祭壇に祭る御神体を運ぶものであるが、その御神体とは何か? 多くの神社の祭壇の中心に置かれているものは、「剣」 であったり、「石」 であったり、「鏡」 であったりする。
 「剣」 に関して言うならば、西洋神話のエクスカリバーのように、日本神話にも 「草剪の剣」 や 「天之叢雲の剣」 のように霊威を表した「剣」の記述がある。

   《参照》  日本文化講座⑨ 【 日本神道と剣 】
 「石」 や 「鏡」 に関して言うならば、「十戒を記したモーセの石」 は古代ユダヤ人にとって神から示された手本を示す霊威ある最も重要な石であるが、「鏡」 という字を辞書で引けば、「手本」、「模範」 という意味もあり、同音で 「鑑」 とも書かれる。つまり 「石」 と 「鏡」 は、いずれも 「モーゼの十戒石」 を寓意し、旧約聖書に出てくる 「アーク(聖櫃)」 を御御輿と考えれば、これ以上の説明は不要であろう。 また御御輿の上には2羽の鳥が乗っており、今日では鳳凰であると説明されているが、聖書には 「羽を広げた2つの天使(ケルビム)がアーク(聖櫃)を守護している」 と記述されている。


【 2つのユダヤ人と失われた12支族 】
 ユダヤ人には大きく分けて2つある。一つはアシュケナジー・ユダヤといわれる人々で、改修してユダヤ教徒となったコーカサス系の白人ユダヤ人。もう一つはスファラディー・ユダヤと言われる人々で、古代ユダヤ本来のユダヤ人。彼等は意外にも東洋人に近い人種である。
 アシュケナジーは主に西に向ってヨーロッパ方面に行き、スファラディーの一部は東に向い、陸や海のシルクロードを何百年もかけて移動し、やがて日本に到着したようである。日本の天皇や皇室のことを「ミカド」とも言うが、歴史から消え去ったとされる12士族の中の一つである「ガド族」がその名前の由来であるという説は、最も人口に膾炙している。

 

<了>

 

 

 【日本文化講座】
 ① 七福神    ② 松竹梅    ③ 宗教文化

 ④ 日本と古代キリスト教の関係   ⑤ 言霊・天皇

 ⑥ 茶道     ⑦ 易経     ⑧ 武士道
 ⑨ 日本神道と剣 <前・後> 

 ⑩ 日本語の特性 <前・編>