マイソングス7いしばしゆみこ&サンセットレビュー
いしばしゆみこ&サンセットレビューLIVE
2012年12月23日津南町文化センターホール
先ずはポスター兼フライヤー。
そして今回はじつに久しぶりにチケットを作ってみた。つまりアマチュアなのに有料コンサートなのだ。300円だけどね(笑)。初心に返って、つまり20代の頃はいつも安い入場料のチケットを作って、それを一生懸命売って回ることで、お客さんをたくさん集めるという活動がふつうだったんだよね。
それがいつの間にか、アマチュアだからタダが当たり前、まあ知り合いでも来てくれたらそれでいいや、といった消極的なライブ活動が、このところずっとこの地のアマチュア・ロック・バンドの傾向だったんだけど、やっぱ自らがチケット売って回ることの大切さを思い起こそうということなのです。50半ばで初心に返る!(笑)
そしてそして今回あそび心で作ったのがコレ!
昭和のひと達には懐かしいモノでしょ?わかりますか?
ペナントですよ(笑)。修学旅行で観光地のお土産に必ず買ってきたあのペナントです。
何故ペナントかと言えば、三角形だからです。目立つと思いません?今、その辺に貼ってある印刷物って皆四角でしょ?だからそんな中に三角のモノがあったら目立つかなと単純に思って作りました。できるだけ下世話なベタな訴求感を目指したのですが、印刷上の問題がありあえなく断念。
まあねえ、作るのが楽しかったわけで(笑)試作品4枚は、メンバーそれぞれが大事に部屋に飾ってあると思います。えっ!?どっかへやった?そんな~。
そんなこんなでライブ当日。
PA機材などの搬入は前日のうちに済ませていたので、当日は朝9時からセッティングとリハーサル。お昼は近くの「立花」さんから天丼の出前をとり、また石橋差し入れの何やら怪しいスッポン&ニンニクパワーの錠剤を飲んだせいか、今回は身体の疲れを感じずに開演を迎えられたのだった。ナニ飲まされたのかな?(笑)
来てくれたお客さんに受付で渡したのが、この日に歌われる曲の歌詞カード付きプログラム。
これはプログラムの表紙だけど、裏表に歌詞がびっしり。
さてさてそしてショーは幕を開けた。ショーじゃないか(笑)音楽発表会だな。
主役のいしばしゆみこ。作詞作曲、歌、ピアノ。
そして脇役の僕達サンセットレビュー★
島田信宏(ds) 金井秀樹(b) 貝沢伸一(俺) と、いつもの顔ぶれ。
演奏した16曲のうち、初めて披露した曲はカバー曲の「家に帰ろう」(竹内まりや)、「ガリレオのテーマ」(福山雅治)の2曲。つまりほとんどお馴染みの曲ばかりなんだけど、まあ年に1回のライブだから、誰も憶えてはいないだろうと(笑)堂々と演奏しましたよ。
手慣れた曲のはずなのに、皆で等しく凡ミスを競い合い、だって俺達平均年齢53のバンドだからしかたないよ、と歳のせいにしてニヤリ。歳にしてはいいセン行ってるよ、と歳のせいにして励まし合っている我等が演奏会なのでした。ステージ上が楽しんでいた我々と同じ位に客席も楽しんでいてくれたらいいのですが、、、。と本音の弱気も。
そして今年のライブ、年1回のライブも無事終わりました。毎回協力してもらってるPAエンジニアの大澤隆君、搬入搬出などの力仕事からカメラ・ビデオ撮影をしてくれた樋口幸宏君、そして今回は有料ライブということで急遽受け付けが必要になり、お客さんで来たのに受付を引き受けてくれた山本由紀子さん、このお三方にはほんと感謝しています。ありがとう!また来年も頼む!(笑)
それでは皆さん、よいお年を~♪
これまでの「わたしのうた」~「マイ・ソングス」
◆わたしのうた 1=2004
◆わたしのうた2 =2006
◆わたしのうた3 =2008
◆わたしのうた 4=2009
◆マイ・ソングス5 =2010
ブログ:マイソングス5
◆2011.6.26ライブYouTube
◆マイ・ソングス6 =2011
卯之木鎮守十二社社殿改築80周年を祝う
卯之木鎮守十二社社殿改築80周年を祝う
卯之木十二社社殿は昭和7年に改築されました。そして本年はその改築より80周年という喜ばしい節目を迎えることとなりました。私達はこの80周年に巡り合わせたことに感謝し、この立派な十二社を建てた先人の遺徳を偲び、この神社を尊び守り続けてきた卯之木の村人を思い、そして未来に向けて卯之木集落そして卯之木の鎮守様十二社の発展を願うものであります。
昭和7年、その竣工を祝い起草された『卯之木鎮守社社殿改築の由来』では、高らかにその喜びが謳われています。「十二社改築のこと成りぬ。我等の時代に於いて成りぬ。之我等の大なる喜びなり、誇りなり。然れども之我等のみの力にあらず。厚大なる神霊の加護と祖先の余徳を仰ぐにあらずして、何ぞここに至るを得んや。此神社こそは、我等氏子の至宝にして、又子孫に残す最も善き余澤なり。」と。
しかしその喜びと同時に、昭和6年満州事変そして昭和12年の日中戦争、さらに昭和16年の太平洋戦争と戦火が拡大していったそんな時代でした。卯之木からも多くの若者が出征し、そして戦地で命をおとした若者も少なくなかったと聞き及びます。戦争によって息子を失い、夫を失いました。そんな辛く苦しい時代に、村人の心の拠り所となったのは、この鎮守様ではなかったでしょうか。
どんな時代にも、村人はお参りし、お祈りを捧げることを忘れることはありませんでした。祭りとお盆には踊り歌い、そして野球を覚えたのもこの神社境内であり、時には保育園の役割も担いました。
鎮守様との思い出は尽きず、それはこの立派な神社を建ててくれた先人への熱い感謝へと繋がります。
まさに、この神社こそは、我等氏子の至宝にして、また子孫に残す最も善き余徳なり、と今でも言えることは大いなる喜びです。
この土地に生きた卯之木の人々全てに感謝をこめて。
平成24年9月23日平成24年度卯之木区長貝澤伸一
卯之木鎮守社社殿改築の由来(昭和七年)1932年
鎮守十二社改築のこと全く成りぬ。我等氏子一同の喜び何物か之に如かんや。
そもそも敬神崇祖は我国古来の美風にして、一国治世の要道より一郷風俗の進展にいたるまで皆之を以て基となす。
此故に家の集まるところ必ず鎮守の宮あり。各人の幸福一郷の繁栄すべて此所に禱らずということなし。郷に在る者は云うに及ばず郷を出る者と雖も夢寐忘るること能わざるは実に此の神此の宮なりとす。
我部落の旧十二社社殿は、その棟木の伝ふるところに依れば、享和三年(1803年)の建築にかかり、当時戸数僅かに三十八戸なりしものが、今は戸数殆ど倍加し、加うるに年を閲する一百二十有余年、やや狭隘を感ずるに至りしかば、之が改築を希望するもの多かりしも、其事の容易ならざるにより空しく年を経たり。
然るに翻って部落の状勢を見るに、貧富の差割合に甚だしからず、土地は必ずしも肥沃をほこるに足らざれども、祖先の倹約の余徳と現在稼穡の法よろしきを得ることにより、山には樹木繁茂し、田畑には五穀よく実る。之を以て他の如く、所謂農村の疲弊を痛感せず、質素ながらも各其生活の途に安んぜり。
加うるに財界の不況は凡ての諸式を安くして却って事を起こすに易く、附近に諸工事無き為めに、諸工人を得ることと部落民の労力奉仕を為すに便なり。之却て一大決心を以て事に当たるべき好時期到来と云うべきにあらずや。
発起者等ここに見るところあり、まづ相はかりて各百金宛を出すこととし、大綱を掲げて之を有志各位にはかりて其の賛同を得、進んで部落総会にかけて又一致の協賛を得、直ちに用材の伐採に着手せり。
然れども、もとより急速の企てにて、計画始めより必ずしも詳細を尽くさず、多少の懸念なきにあらざりしも、一度事に当たるや氏子一同の熱誠協力旺盛にして、各至誠以て資財を寄進し、労力を捧げ、請負師、諸工匠又其仕事の光栄に感激して請利を顧みずして其の力を竭し、部落出身者、近隣各部落又進んで其挙をたすけ、以て予期に数段立勝りたる結果を見ることを得て、神明の加護の深大にただただ感佩の外なかりき。其経過の概要は後段逐次記録するとこの如し。
斯くして此画期的大事業は感激と熱誠と歓喜との間に無事竣工して昭和七年五月二日、目出度く遷宮の式を挙ぐるにいたれり。
十二社改築のこと成りぬ。我等の時代に於いて成りぬ。之我等の大なる喜びなり、誇りなり。然れども之我等のみの力にあらず。厚大なる神霊の加護と祖先の余徳を仰ぐにあらずして、何ぞここに至るを得んや。此神社こそは、我等氏子の至宝にして、又子孫に残す最も善き余澤なり。我等は爾今益々敬虔の心を厚くし勤倹産を治め、相助けて愈々風俗の醇厚をはかるべし、子孫又其遺図をつぎ益々部落の繁栄を期せらるべし。
神霊希くば此新宮居を常磐に堅磐に動きなく神護りに護りまし、神鎮まりに鎮まりましまして、此郷に、此氏子に赫耀たる威徳を永久に垂れ給へと畏み白す。
宮沢 源吉起草
石沢 久善
昭和七年改築当時の 発起人 石沢 久善
宮沢 嘉吉
柳沢豊太郞
氏子総代 石沢 久善
宮沢筆五郎
広田 大吉
宮沢 定蔵
昭和7年の「改築の由来」を起草した宮沢源吉は私の祖父です。母の父であり、学校の先生をしていました。そして上の写真、前列で奏楽をしているその太鼓の人は源吉の長男憲吉で、この後昭和14年に戦死いたしました。喜びも悲しみも、村人の全てを見てきたのが村の鎮守様卯之木十二社なのです。
下の写真は昭和56年改築50周年記念式典にお集まりの卯之木の皆さん。
この暑い夏に読んだ本
北方謙三『絶海にあらず』上下
小路幸也『スタンド・バイ・ミー』
〃 『マイ・ブルー・ヘブン』
〃 『オール・マイ・ラビング』
つげ義春『ねじ式 つげ義春作品集』
髙村薫『黄金を抱いて翔べ』
佐野洋子『死ぬ気まんまん』
角田光代『曾根崎心中』
北方謙三『岳飛伝1』
松本大洋『Sunny』1-2
永井するみ『秘密は日記に隠すもの』
上林暁『故郷の本箱』
『アナーキー日本映画史1959-1979』
船戸与一『満州国演義7 雷の波涛 』
とりあえず書き出してみた。
「コンニャク屋漂流記」と「オオカミの護符」だった。
『コンニャク屋漂流記』 星野博美
『オリンピックの身代金』上下巻 奥田英朗
『小夜しぐれ~みをつくし料理帖』 髙田郁
『不愉快な本の続編』 絲山秋子
『オオカミの護符』 小倉美惠子
『僕らのヒットパレード』 片岡義男 小西康陽
『田村はまだか』 朝倉かすみ
『ブルース・ハーモニカ・よくばりガイド』 妹尾みえ KOTEZ
『約束の森』 沢木冬吾
印象に残った本はまず、若い(僕より)女性作家によるノンフィクション2冊。星野博美『コンニャク屋漂流記』と小倉美惠子『オオカミの護符』。どちらも自身のルーツ探し風であり、その語り口は真面目でありながら堅苦しくなく、彼女達のフットワークの軽さが心地よかった。
『コンニャク...』の星野さんは東京の品川区戸越の町工場の娘として昭和41年に生まれた。工場創業者の祖父は外房の漁村の出身で、その漁村の家の屋号が「コンニャク屋」なのだ。漁村なのにコンニャク屋?その何故?から話しはどんどん芋づる式に広がっていく。そのイモヅル式に広がる様がじつにスリリングで面白い。ほんと面白かった!
『オオカミの護符』の小倉さんは川崎市宮前区土橋で昭和38年に生まれた。祖父母は百姓で家は茅葺きだった。幼い頃、そこはまだ農村だったが、急速に都市化していく過渡期だった。大人となった彼女は、かつて自分が生まれたムラの風景を思う。「何か大切なものを置き忘れてきたような気がする...」 と気づく。そして、我が家の土蔵の扉に貼られた1枚の護符に目が行く。さあてそこからはイモヅル式に話しが広がって行く。
僕は昭和31年生まれで小倉さん星野さんは8~10才年下で、それはちょうど戦後高度経済成長のただ中で生まれ育った世代だ。そして古い日本を知っている最後の世代かもしれない。小倉さんが『オオカミの護符』のあとがきで書いている。「明治維新でも、あの戦争でも変わらなかったことが、ここにきて大きく変わろうとしているのだ。」と。
昭和の過渡期として重要な東京オリンピックは昭和39年だった。奥田英朗の『オリンピックの身代金』は、当時の世相を巧に捉えた作者ならではの極上のエンタテイメント小説だ。古い日本と新しい日本が軋み合う昭和の30年代から40年代。僕の記憶に深く刻まれた言葉が「表日本・裏日本」。戦後高度成長から取り残された場所こそ裏日本であり、そこは列島の日本海側を指した言葉としてテレビや新聞などで普通に使われていた言葉だった。「裏日本」!。『オリンピックの身代金』はこの「裏日本」の怨念が根底にある小説として、とても親身になって読んでしまった。それにしても奥田英朗は巧いな!
髙田郁の『小夜しぐれ~みをつくし料理帖』は今一番楽しみに読んでいる連作時代劇でこれがシリーズ5作目。人物造形良し。毎回の季節のモノを巧に取り入れた料理が良し。お家再興、若旦那捜し、幼馴染みの野江ちゃんを...などシリーズを貫く大筋も良し。と三方良しの物語。続編が楽しみ!
絲山秋子『不愉快な本の続編』は絲山得意のダメ男小説。今回はいまいち印象が薄かった。片岡義男と小西康陽による『僕らのヒットパレード』はレコードを回る面白い話しのオンパレード。もうその知識に圧倒されて心地よい(笑)
朝倉かすみ『田村はまだか』はずっと読みたかった本なのにずっと忘れてた本。本屋さんで文庫本を目にして、おっ『田村はまだか』あった!とついに読むことができた。思っていたとおりに面白かった。札幌のススキノのスナック・バーで小学校の同級生男女5人がかつての同級生田村を待つ話しである。連作短編の形を取り、各章で語り手が変わる仕組み。田村は小学校卒業してすぐに遠く宇都宮の親戚にあずけられたので、待つ同級生5人組にとって、田村は小学生のままだ。だから田村が待ち遠しい。「田村はまだか」なのだ。僕から見ればまだ40才の彼等だけど、でも40年も生きていれば人生色々なんだよね。ってな物語。これも巧い小説だった。
妹尾みえ KOTEZ『ブルース・ハーモニカ・よくばりガイド』はホーナー、トンボ、スズキなどメーカーのブルース・ハーモニカ・ガイドで、残念ながら奏法など演奏に関することにはあまり触れておらず残念。
そして沢木冬吾『約束の森』。ハードボイルドかと思って読み始めたら、おっとこれは謀略陰謀小説でしたね。フォーサイスやラドラムのような、何をしでかすかわからない国際的な悪の組織(笑)が登場する、そんな小説。なにしろこうゆう小説の常で、誰が悪者なのか敵味方もわからない。でもこの小説、以外に明るいし軽いんだよね。それはドーベルマンのマクナイトを真ん中に主人公、ふみ、隼人、どんちゃんが囲んでる感じが強いからかな。読み進むうちに、話しの焦点が陰謀よりもマクナイトそして主人公達の関係性に合わされてるような気がしてきて、それで謀略には巻き込まれちゃった感じの印象が残るんだなあ。だから謀略陰謀小説にしては明るく軽いと感じたわけだ。まあ面白かったけどね。
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- オリンピックの身代金(上) (角川文庫)/奥田 英朗
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- オリンピックの身代金(下) (角川文庫)/奥田 英朗
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- 小夜しぐれ (みをつくし料理帖)/高田 郁
- ¥620
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- 不愉快な本の続編/絲山 秋子
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- 僕らのヒットパレード/片岡 義男
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- 田村はまだか (光文社文庫)/朝倉 かすみ
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寿フォーエバー/昭和の読書/大いなる聴衆/さよならのあとで
●山本幸久『寿フォーエバー』
荒川洋治『昭和の読書』
永井するみ『大いなる聴衆』
ヘンリー・スコット・ホランド:詩、高橋和枝:絵『さよならのあとで』
山本幸久の職場青春小説が大好きで、だから当然この結婚式場という職場を舞台にした『寿フォーエバー』は避けて通れない(笑)。ことに『凸凹デイズ』に皆さんが再登場するとなれば、これは読み逃せない。相変わらずゴミヤのイケイケ・キャラは強烈でしたね。ヒロイン靖子は結婚式場に勤める、自身婚活中である。結婚式のプランニングを仕事としている。チームがある。山本の職場小説が好きなのは、職場のチーム・仲間のキャラが良く、仲間っていいな、と思わせるとこなんだね。現実はともかく、山本の職場小説は温かい。『寿フォーエバー』のラスト、靖子の思いはこうだ。「...他人の愛は素敵だ。ならば自分の愛も素敵なはずだ、きっと。ぜったいそう。愛は、ある。」
そうそう、、と主人公を温かく励まし応援したくなるのが、山本の職場青春小説なんだよね。
一転こちら荒川洋治の『昭和の読書』は硬派な味わい。昭和に書かれた、そして読まれた文学を案内してくれるエッセイ集として読んだ。けっこう刺激的で、読みたい本が何冊も出てきた。保田興重郎『日本の橋』はさっそく文庫本で探して買った。これは難物だった。己の無学が嘆かわしくなった。普段、気楽に楽しめるエンタメ読書ばかりしているせいで、言葉への探求力が落ちているんだなと痛感した。難しい文章について行けないんだよね。いかんなあ。
「新感覚派」って人達がいて、平成の世から昭和の新感覚とは?と読んでみると、それは関東大震災後に登場した新感覚な作家達で、有名なとこでは川端康成、横光利一。そこで横光の小説の冒頭の一句。「沿線の小駅は石のように黙殺された。」これは急行列車の走る様子の表現。が~んときたね。かっこいい!クール!なるほど新感覚!
と、なかなか刺激的な『昭和の読書』なのでありました。
永井するみ。大好きな作家だったが、惜しくも2010年に49歳という若さで亡くなった。『唇のあとに続くすべてのこと』が最初に出会った小説だった。恋愛小説でありミステリー&サスペンスであり、この辺がじつに巧い作家だったと思う。この『大いなる聴衆』は彼女の初期の作品で、やはり恋愛&ミステリー&サスペンス小説なんだけど、ここではさらにベートーヴェンのピアノ・ソナタが重要な役割を担う。永井するみが東京芸大音楽学部中退だってことを、この文庫のあとがきで知りびっくり。自身の得意な領域から物語を作り出したわけで、道理でピアノ・ソナタ「ハンマークラヴィーア」に関して精密で、そしてピアニストの生態についてはリアルである、といったことが頷ける。天才ピアニストがいて、その天才に魅せられ振り回される人達がいる。最後の一言が甘美で恐い。そして巧い。
『さよならのあとで』は発行者で出版元夏葉社代表島田潤一郎氏の思いのこもった詩画集。一編の42行の詩に絵が添えられている。大切な人を亡くした時に読まれてきた詩だという。詩も絵も、静かで温かみがある。死は静かに穏やかにそこにある日常なのだということか。
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