「コンニャク屋漂流記」と「オオカミの護符」だった。
誕生日2月24日以来の更新だ。その間に年度替わりで、卯之木区長になったせいで何かと慌ただしかった。それでも本は読み続け、今日までに読んだ本は下記の通り。読んだ順に、、、
『コンニャク屋漂流記』 星野博美
『オリンピックの身代金』上下巻 奥田英朗
『小夜しぐれ~みをつくし料理帖』 髙田郁
『不愉快な本の続編』 絲山秋子
『オオカミの護符』 小倉美惠子
『僕らのヒットパレード』 片岡義男 小西康陽
『田村はまだか』 朝倉かすみ
『ブルース・ハーモニカ・よくばりガイド』 妹尾みえ KOTEZ
『約束の森』 沢木冬吾
印象に残った本はまず、若い(僕より)女性作家によるノンフィクション2冊。星野博美『コンニャク屋漂流記』と小倉美惠子『オオカミの護符』。どちらも自身のルーツ探し風であり、その語り口は真面目でありながら堅苦しくなく、彼女達のフットワークの軽さが心地よかった。
『コンニャク...』の星野さんは東京の品川区戸越の町工場の娘として昭和41年に生まれた。工場創業者の祖父は外房の漁村の出身で、その漁村の家の屋号が「コンニャク屋」なのだ。漁村なのにコンニャク屋?その何故?から話しはどんどん芋づる式に広がっていく。そのイモヅル式に広がる様がじつにスリリングで面白い。ほんと面白かった!
『オオカミの護符』の小倉さんは川崎市宮前区土橋で昭和38年に生まれた。祖父母は百姓で家は茅葺きだった。幼い頃、そこはまだ農村だったが、急速に都市化していく過渡期だった。大人となった彼女は、かつて自分が生まれたムラの風景を思う。「何か大切なものを置き忘れてきたような気がする...」 と気づく。そして、我が家の土蔵の扉に貼られた1枚の護符に目が行く。さあてそこからはイモヅル式に話しが広がって行く。
僕は昭和31年生まれで小倉さん星野さんは8~10才年下で、それはちょうど戦後高度経済成長のただ中で生まれ育った世代だ。そして古い日本を知っている最後の世代かもしれない。小倉さんが『オオカミの護符』のあとがきで書いている。「明治維新でも、あの戦争でも変わらなかったことが、ここにきて大きく変わろうとしているのだ。」と。
昭和の過渡期として重要な東京オリンピックは昭和39年だった。奥田英朗の『オリンピックの身代金』は、当時の世相を巧に捉えた作者ならではの極上のエンタテイメント小説だ。古い日本と新しい日本が軋み合う昭和の30年代から40年代。僕の記憶に深く刻まれた言葉が「表日本・裏日本」。戦後高度成長から取り残された場所こそ裏日本であり、そこは列島の日本海側を指した言葉としてテレビや新聞などで普通に使われていた言葉だった。「裏日本」!。『オリンピックの身代金』はこの「裏日本」の怨念が根底にある小説として、とても親身になって読んでしまった。それにしても奥田英朗は巧いな!
髙田郁の『小夜しぐれ~みをつくし料理帖』は今一番楽しみに読んでいる連作時代劇でこれがシリーズ5作目。人物造形良し。毎回の季節のモノを巧に取り入れた料理が良し。お家再興、若旦那捜し、幼馴染みの野江ちゃんを...などシリーズを貫く大筋も良し。と三方良しの物語。続編が楽しみ!
絲山秋子『不愉快な本の続編』は絲山得意のダメ男小説。今回はいまいち印象が薄かった。片岡義男と小西康陽による『僕らのヒットパレード』はレコードを回る面白い話しのオンパレード。もうその知識に圧倒されて心地よい(笑)
朝倉かすみ『田村はまだか』はずっと読みたかった本なのにずっと忘れてた本。本屋さんで文庫本を目にして、おっ『田村はまだか』あった!とついに読むことができた。思っていたとおりに面白かった。札幌のススキノのスナック・バーで小学校の同級生男女5人がかつての同級生田村を待つ話しである。連作短編の形を取り、各章で語り手が変わる仕組み。田村は小学校卒業してすぐに遠く宇都宮の親戚にあずけられたので、待つ同級生5人組にとって、田村は小学生のままだ。だから田村が待ち遠しい。「田村はまだか」なのだ。僕から見ればまだ40才の彼等だけど、でも40年も生きていれば人生色々なんだよね。ってな物語。これも巧い小説だった。
妹尾みえ KOTEZ『ブルース・ハーモニカ・よくばりガイド』はホーナー、トンボ、スズキなどメーカーのブルース・ハーモニカ・ガイドで、残念ながら奏法など演奏に関することにはあまり触れておらず残念。
そして沢木冬吾『約束の森』。ハードボイルドかと思って読み始めたら、おっとこれは謀略陰謀小説でしたね。フォーサイスやラドラムのような、何をしでかすかわからない国際的な悪の組織(笑)が登場する、そんな小説。なにしろこうゆう小説の常で、誰が悪者なのか敵味方もわからない。でもこの小説、以外に明るいし軽いんだよね。それはドーベルマンのマクナイトを真ん中に主人公、ふみ、隼人、どんちゃんが囲んでる感じが強いからかな。読み進むうちに、話しの焦点が陰謀よりもマクナイトそして主人公達の関係性に合わされてるような気がしてきて、それで謀略には巻き込まれちゃった感じの印象が残るんだなあ。だから謀略陰謀小説にしては明るく軽いと感じたわけだ。まあ面白かったけどね。
『コンニャク屋漂流記』 星野博美
『オリンピックの身代金』上下巻 奥田英朗
『小夜しぐれ~みをつくし料理帖』 髙田郁
『不愉快な本の続編』 絲山秋子
『オオカミの護符』 小倉美惠子
『僕らのヒットパレード』 片岡義男 小西康陽
『田村はまだか』 朝倉かすみ
『ブルース・ハーモニカ・よくばりガイド』 妹尾みえ KOTEZ
『約束の森』 沢木冬吾
印象に残った本はまず、若い(僕より)女性作家によるノンフィクション2冊。星野博美『コンニャク屋漂流記』と小倉美惠子『オオカミの護符』。どちらも自身のルーツ探し風であり、その語り口は真面目でありながら堅苦しくなく、彼女達のフットワークの軽さが心地よかった。
『コンニャク...』の星野さんは東京の品川区戸越の町工場の娘として昭和41年に生まれた。工場創業者の祖父は外房の漁村の出身で、その漁村の家の屋号が「コンニャク屋」なのだ。漁村なのにコンニャク屋?その何故?から話しはどんどん芋づる式に広がっていく。そのイモヅル式に広がる様がじつにスリリングで面白い。ほんと面白かった!
『オオカミの護符』の小倉さんは川崎市宮前区土橋で昭和38年に生まれた。祖父母は百姓で家は茅葺きだった。幼い頃、そこはまだ農村だったが、急速に都市化していく過渡期だった。大人となった彼女は、かつて自分が生まれたムラの風景を思う。「何か大切なものを置き忘れてきたような気がする...」 と気づく。そして、我が家の土蔵の扉に貼られた1枚の護符に目が行く。さあてそこからはイモヅル式に話しが広がって行く。
僕は昭和31年生まれで小倉さん星野さんは8~10才年下で、それはちょうど戦後高度経済成長のただ中で生まれ育った世代だ。そして古い日本を知っている最後の世代かもしれない。小倉さんが『オオカミの護符』のあとがきで書いている。「明治維新でも、あの戦争でも変わらなかったことが、ここにきて大きく変わろうとしているのだ。」と。
昭和の過渡期として重要な東京オリンピックは昭和39年だった。奥田英朗の『オリンピックの身代金』は、当時の世相を巧に捉えた作者ならではの極上のエンタテイメント小説だ。古い日本と新しい日本が軋み合う昭和の30年代から40年代。僕の記憶に深く刻まれた言葉が「表日本・裏日本」。戦後高度成長から取り残された場所こそ裏日本であり、そこは列島の日本海側を指した言葉としてテレビや新聞などで普通に使われていた言葉だった。「裏日本」!。『オリンピックの身代金』はこの「裏日本」の怨念が根底にある小説として、とても親身になって読んでしまった。それにしても奥田英朗は巧いな!
髙田郁の『小夜しぐれ~みをつくし料理帖』は今一番楽しみに読んでいる連作時代劇でこれがシリーズ5作目。人物造形良し。毎回の季節のモノを巧に取り入れた料理が良し。お家再興、若旦那捜し、幼馴染みの野江ちゃんを...などシリーズを貫く大筋も良し。と三方良しの物語。続編が楽しみ!
絲山秋子『不愉快な本の続編』は絲山得意のダメ男小説。今回はいまいち印象が薄かった。片岡義男と小西康陽による『僕らのヒットパレード』はレコードを回る面白い話しのオンパレード。もうその知識に圧倒されて心地よい(笑)
朝倉かすみ『田村はまだか』はずっと読みたかった本なのにずっと忘れてた本。本屋さんで文庫本を目にして、おっ『田村はまだか』あった!とついに読むことができた。思っていたとおりに面白かった。札幌のススキノのスナック・バーで小学校の同級生男女5人がかつての同級生田村を待つ話しである。連作短編の形を取り、各章で語り手が変わる仕組み。田村は小学校卒業してすぐに遠く宇都宮の親戚にあずけられたので、待つ同級生5人組にとって、田村は小学生のままだ。だから田村が待ち遠しい。「田村はまだか」なのだ。僕から見ればまだ40才の彼等だけど、でも40年も生きていれば人生色々なんだよね。ってな物語。これも巧い小説だった。
妹尾みえ KOTEZ『ブルース・ハーモニカ・よくばりガイド』はホーナー、トンボ、スズキなどメーカーのブルース・ハーモニカ・ガイドで、残念ながら奏法など演奏に関することにはあまり触れておらず残念。
そして沢木冬吾『約束の森』。ハードボイルドかと思って読み始めたら、おっとこれは謀略陰謀小説でしたね。フォーサイスやラドラムのような、何をしでかすかわからない国際的な悪の組織(笑)が登場する、そんな小説。なにしろこうゆう小説の常で、誰が悪者なのか敵味方もわからない。でもこの小説、以外に明るいし軽いんだよね。それはドーベルマンのマクナイトを真ん中に主人公、ふみ、隼人、どんちゃんが囲んでる感じが強いからかな。読み進むうちに、話しの焦点が陰謀よりもマクナイトそして主人公達の関係性に合わされてるような気がしてきて、それで謀略には巻き込まれちゃった感じの印象が残るんだなあ。だから謀略陰謀小説にしては明るく軽いと感じたわけだ。まあ面白かったけどね。
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- オオカミの護符/小倉 美惠子
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- オリンピックの身代金(上) (角川文庫)/奥田 英朗
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- オリンピックの身代金(下) (角川文庫)/奥田 英朗
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- 小夜しぐれ (みをつくし料理帖)/高田 郁
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- 不愉快な本の続編/絲山 秋子
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- 僕らのヒットパレード/片岡 義男
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- 田村はまだか (光文社文庫)/朝倉 かすみ
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