皆さま
12月も毎日毎日過ぎていきますね。
2019年は本当に色々なことが
起きたなあと振り返っています。
2020年はどうなっていくのか
とても楽しみでもあります。
それでは本日もよろしくお願いします。
初めましての方は、こちらから自己紹介を兼ねた
僕の物語をお読みいただくことができます。
では、書いていきます。
-----------------------------------------------------------------------------
「人間不信のオウムが使命を生きる物語⑩」
前回までのお話しはこちらからご覧ください。
小柄な青年に連れ去られた
オウムのちゃまみつは
ロープでグルグル巻きになって
身動きが取れなくなっていました。
この不自由な状態は
オウムのちゃまみつに
昔の飼い主に暴力などを
受けていた時のことを
強烈に思い出させていました。
オウムのちゃまみつは
これ以上ない不安感と
恐怖感で羽を縮ませています。
その日から、オウムのちゃまみつは
坊主頭のおじいさんの
看板屋で生活をせざるを得なく
なりました。
もちろん、白いおじいさんは
いなくなったオウムのちゃまみつを
必死に探しています。
坊主頭のおじいさんは
早速、オウムのちゃまみつに
筆をくわえさせて
看板を書かせようとしました。
しかし、恐怖と不安で
オウムのちゃまみつは
筆を進めることができません。
「おい!オウム!しっかり書け!餌をやらんぞ!」
坊主頭のおじいさんは、
大きな声でオウムのちゃまみつを
驚かせました。
オウムのちゃまみつは、またまた
昔を思い出してビクッとしています。
しばらくはオウムのちゃまみつも
書かずにいましたが、
坊主頭のおじいさんは
本当に餌をくれませんでした。
オウムのちゃまみつは
生きるために葛藤しましたが
とうとう書くことにしました。
坊主頭のおじいさんと
小柄な青年はオウムのちゃまみつが
看板を書く姿を見て
とても驚いていました。
そして、できあがった
文字を見てさらに驚くのです。
長年看板を書いてきた
坊主頭のおじいさんも
「こんなに躍動感のある文字は見たことがない」と
とても驚いています。
その日から坊主頭のおじいさんは
オウムのちゃまみつに
餌をあげるようになりました。
オウムのちゃまみつは葛藤もしましたが、
看板を書いて、餌を食べて眠るという
日々を淡々と続けることにしました。
しかし、オウムのちゃまみつも
どうにかここから出て
白いおじいさんの元に
戻りたいと思っています。
「書く」と決断した以上は
オウムのちゃまみつは
前向きに考えることにしたのです。
「白いおじいさんの僕の文字が届きますように」
そう想いを乗せて書くようになりました。
そして、オウムのちゃまみつは
自分の書いた看板に
足に墨をつけて
足跡を目立たないように
こっそりと入れるように
しました。
そうすれば、街中でこの
看板を見た白いおじいさんが
気が付いてくれるのではないかと
オウムのちゃまみつは
思ったのです。
白いおじいさんは探しても探しても
オウムのちゃまみつが見つからず
看板を書く仕事も
辞めてしまっていました。
毎日、街を探して歩いているのです。
【~続く~】
-------------------------------------------------------------------
この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
世の中が今よりも幸せな場所になっていきますよう
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。