皆さま
とうとう僕の物語も
終わっても良いのでは
ないかと思いましたので、
今日から一時中断していた
オウムの物語を書きたいと
思います。
本日もよろしくお願いします。
初めましての方は、こちらから自己紹介を兼ねた
僕の物語をお読みいただくことができます。
では、書いていきます。
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「人間不信のオウムが使命を生きる物語⑨」
前回までのお話しはこちらからご覧ください。
白いおじいさんの看板屋さんを
窓から覗いていた小柄な青年は
中のオウムのちゃまみつに
姿を見られたと思い、
逃げ出すように
その場を駆け出しました。
そうして、「はぁはぁ」と
息を切らしながら
たどり着いたところは
地域で一番の人気を誇っていた
坊主頭のおじいさんが経営する
看板屋さんでした。
小柄な青年は坊主頭のおじいさんに
見てきたことを報告します。
「オウム、オウムでした」
坊主頭のおじいさんは
不思議そうな表情を
浮かべます。
「なんじゃ、そのオウムってのは?」
「オウムが書いていたんです」
「オウムが何を書いてたんだ」
「オウムが看板を書いていたんです」
「そ、そんなバカな」
どうやら、坊主頭のおじいさんは
看板の売り上げが落ちてきていて
最近、地域で一番売れるようになった
白いおじいさんの看板屋を偵察してくるよう
小柄な青年にお願いしていたのです。
坊主頭のおじいいさんは
悪いことを考えている表情を浮かべています。
小柄な青年にそっと耳元で
囁きました。
小柄な青年もそれを
聞いてニヤッと笑いました。
何やら準備をした小柄な青年は
再び出かけていきます。
小柄な青年は夜になって白いおじいさんの
看板屋さんに再びやってきました。
そっと、お店の裏側に回ると
窓から中の様子をうかがいます。
すると、オウムのちゃまみつが
餌を食べていて、白いおじいさんの
姿はありませんでした。
そうして、小柄な青年はその場で
身を潜めています。
やがて、オウムは餌を食べ終わり
あたりをキョロキョロと見まわしてから
眠りにつきました。
小柄な青年は音を立てることもなく
窓を壊して、オウムのちゃまみつが
いる部屋の中へ静かに入っていきました。
そうして、小柄な青年が
オウムのちゃまみつを
捕まえようとした時
オウムのちゃまみつは目を覚まします。
オウムのちゃまみつは、あまりに
突然のことで驚いています。
白いおじいさんに助けてもらおうと
大きな声で鳴こうとしました。
しかし、その瞬間小柄な青年の手が
くちばしに伸びてきて
それは叶いませんでした。
そのまま、小柄な青年は
オウムのちゃまみつを
ロープでグルグル巻きにして
連れ去ったのです。
オウムのちゃまみつは
以前の飼い主に暴力を受けて
最後はビニール袋に入れられて
捨てられた経験がありました。
オウムのちゃまみつは
その時の経験を思い出しているのか
とてつもない恐怖感と不安感に
襲われています。
ロープで縛られていることが
オウムのちゃまみつの
それを高ぶらせます。
小柄な青年はオウムのちゃまみつを
白いおじいさんの家から
盗み出すことに成功したのです。
明くる朝、白いおじいさんは
オウムのちゃまみつが
いないことに気が付きます。
【~続く~】
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
世の中が今よりも幸せな場所になっていきますよう
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。