皆さま

 

楽しく生きると決めてから

 

言葉の通りそのまま

 

楽しく生きられるようになりました。

 

ありがたいことです。

 

初めましての方は、こちらから自己紹介を兼ねた

僕の物語をお読みいただくことができます。

【まとめ】不安な人生から安心の人生に転換した僕の物語

 

では、書いていきます。

 

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「人間不信のオウムが使命を生きる物語⑤」

 

前回までのお話しはこちらからご覧ください。

人間不信のオウムが使命を生きる物語①

人間不信のオウムが使命を生きる物語②

人間不信のオウムが使命を生きる物語③

人間不信のオウムが使命を生きる物語④

 

今日もオウムは楽しみである

 

白いおじいさんが看板を書く

 

姿をじーっと見ていました。

 

人間が怖かったオウムですが、

 

白いおじいさんにはすっかり

 

慣れたようです。

 

それでも他の人にはまだまだ

 

恐怖感が残っているようで

 

たまにお客さんがやってくると

 

オウムは羽を広げて

 

自分の部屋へ戻っていきます。

 

それからしばらくの月日が

 

経ちました。

 

小さかった子どものオウムも

 

白いおじいさんに育ててもらい

 

随分と大きくなりました。

 

小さい頃から立派だった羽は

 

さらに大きくなり

 

色もはっきりとしてきました。

 

見るからに立派なオウムです。

 

オウムは感情を感じることが

 

できるようになっていたこともあってか

 

密かに「やりたこと」ができていました。

 

以前の飼い主から酷い暴力などを

 

受けていたオウムは

 

感情を感じることができるようになり、

 

恐怖感や不安感を感じていました。

 

それが白いおじいさんに出会い

 

安心感をというものを覚えたのです。

 

それからは楽しむことなども覚えました。

 

とうとう大人になったオウムは

 

「やりたいこと」が出てきたのです。

 

でも、それをやることは

 

白いおじいさんに怒られる気がしたのです。

 

大人になったオウムでも

 

白いおじいさんを失ったら

 

生きていけない恐怖感が

 

湧きあがります。

 

過去の恐怖感が思い出されます。

 

そんな想いを抱えて

 

悶もんと過ごしていたある日の夜、

 

いつものように、オウムは部屋に

 

戻っていきました。

 

それを見届けた白いおじいさんは

 

「おやすみ」と言って

 

自分の寝床へと去っていきます。

 

オウムは眠った振りをしていました。

 

目をパッと開けて、音を立てないように

 

立派に育ったくちばしで

 

部屋の戸をスーッと引きました。

 

そこは白いおじいさんの仕事場です。

 

羽を広げると大きな音がするので

 

オウムは静かに歩いて移動します。

 

オウムは白いおじいさんに見つからないか

 

少しの罪悪感と「やりたいことをやる」という

 

ワクワク感で心臓がドキドキと

 

オウムの足音より大きな音を

 

立てています。

 

そして、白いおじいさんがいつも

 

看板を書く時に座っている

 

畳の上にオウムは辿りつきます。

 

オウムは薄暗い部屋の中で

 

キョロキョロとあたりを見回します。

 

「これが白いおじいさんがいつも見ている景色かあ」と

 

オウムは心の中でそう思いました。

 

そう、オウムは白いおじいさんが

 

やっている看板を書く仕事を自分でも

 

やってみたかったのです。

 

オウムは立派に育ったくちばしを

 

使って白いおじいさんが愛用している

 

筆をくわえます。

 

それだけでもオウムの気分は

 

とても高揚しているようです。

 

この日は筆のくわえ方を

 

オウムなりに研究しているようでした。

 

オウムの目は真剣そのものです。

 

その時、白いおじいさんらしき

 

足音が聞こえます。

 

どうやら白いおじいさんは

 

トイレに起きたようでした。

 

オウムはビクッとして部屋に戻ります。

 

白いおじいさんが寝静まったら

 

筆をくわえる練習をするという

 

日々が続きました。

 

オウムは寝不足になりましたが、

 

昼寝をするようにしたので、大丈夫でした。

 

むしろオウムはそんな日々が楽しくなっていました。

 

次第にオウムは気が付いていませんが

 

心も身体も元気になっていきます。

 

そうして、とうとうオウムはある日の夜

 

いつもの白いおじいさんの筆に

 

墨をたっぷりと染み込ませたのです。

 

まっさらな看板の前にオウムが立ち、

 

くわえた筆からは墨がしたたり落ちています。

 

【~続く~】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

世の中が今よりも幸せな場所になっていきますよう

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。