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ロバート・ルードの成長の糧

 ウォルトマンがTNAと契約交渉を持っているという。TNAは2時間のライヴを持つまでは、新たな補充はしないと言って、ガナー・スコットを断ったと聞く。バシャムスともスポット契約だと。それが今さらトーンダウンしたVKMの強化でもないと思うのだが。


 WCWでルッソにプッシュされながらも一向にヒートせず、WWEには移れなかったヴァンピーロ。ヒットマンのジュニアは未だ子供だ。WSXを盛り上げられなかったウォルトマン。TNAでルードの糧にでもなりたいのか。


 オマケとは、誰の言葉だったか。ホールかナッシュは庇っていたが、ラモンが123に負けてやる必然性も、未だによく分からない。ライトヘヴィー級王座は、WCWのクルーザー級王者との統一戦なしで消滅させられた。ケガはいつでも偶然だったろうか。


 度胸の塊、ウォルトマン。凄いガッツ。付き合わされる方が気の毒に感じることもある。ウォルトマンに付きあう時は、コチラも肝を据えて行った方がいい。怖くても勝てなくても、アイツの目の前に出ていって、鼻を付き合わせる距離で睨んでやることも、本気で必要だ。ファンも観客も関係ないの勢いだ。レスリングに携わる者としてのイクォールのデュティだ。その内同じことをする者が2人、3人と増え、やがては100人もの人達が、鼻を付き合わせる距離でウォルトマンの行く手に立ちはだかる。なんとなれば、アタマのひとつも小突ける権利だって、コチラにはないではない。ウォルトマンなぞがいかほどのものか。


 身の丈以上の闊達を弄じたウォルトマン。大西洋と大陸を隔てたブランチのディサイプルスですら憤慨やるかたなかったわけなのに、バッシュ'91のハイジャッカーズはよく赦したものだ。それとも、赦していないからこその現状か?


 WSXはウォルトマンやヴァンピーロのティストに似合いのグループだった。でもTNAは違う。ウォルトマン、TNAを率いてきた人物の名を、声を出して言ってみろ。カートやケージがフィーチャされようとも、TNAのベースを支えるのは、ジャレットのファンだ。ジャレットのファンはなぜジャレットのファンか。それは、ジャレットのファンが君のファンでないことと同じ理由だ。


 ウォルトマンの、あの底無しの度胸が、終局何処に行き着くのかを、WSXを通して徹底的に見届けたかった。それは残念に思う。ジャレットが、ジャレットのファンの前で、ジャレットのファンが嫌いな男に落とし前を取らせるというのなら、それは受け入れる。ジャレットに考えがあるのなら、それはジャレットの御意に従う。


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ROODE Awakening?

 マネージャーをブルックスにする際の大仰とも思える演出は、ジョーク半分、だったのかなんなのか。オマージュかリスペクトか皮肉か、そのなんともつかない全てのアクションをアトラクションとして、ボビー・ルードはやはり、気になる存在に仕上がっている。


 ボビー・ヒーナンのころを頂点としたレスリング・マネージャーの文化。今ではとんと廃れたの感。カンパニーが丸抱えの現在、マネージャーは取り立てて必要でもない。今はウマガやカリなど、フォリナー・ギミック以外に付くことは、とても珍しくすらなっている。かつては殆どのレスラーがマネージャーを付けた。NYの悪党は誇らしげに、グラン・ウィザードを帯同するのがステータスだった。ICチャンプ達はこぞってヒーナンに頼った。ハルクやヒットマンもジミー・ハートの世話になった。日系にはフジ、怪物にはアルバーノ、ベビーにはスコーラン、ターリー・ブランチャードやⅣホースメンは、スーツの似合うダンディなJ.J.が仕切った。


 女性マネをメジャーにしたのは、80年代初めのゴージャス・ジミー・ガーヴィン。SDを牛耳るヘイズの元相棒だ。有名なセンセイショナル・シェリーをはじめてマネに起用したのは、プレイボーイ・バディ・ローズ。ヘイマンやコーネットなども、元々マネージャーとして、マイナーリーグからスタートを切っている。バディ・ロジャースには弁護士ボビー・ディヴィス、テーズにはトレーナーのストラングラー・ルイス‥その形態も様々だった。


 いわゆるエージェントが契約面を請け負い、ギミック・マネの存在がリアリティをなくした現在は、“ヒーナン”ですら現れにくくなっている。しかしそんな現状を押し退けてまで、ボビー・ルード、いや、ロバート・ルードが、半分ジョークに映ることを承知で、敢えてあれでやってみたかったこととは、何だろうか。


 マネ選びで勿体つけるというのは、86年のマッチョマン、87年のルガー、87年のリック・ルードと、当時は使い尽くされた演出だ。ロバート・ルード本人も、マッチョマンへの懐古を口にもしていた。子供の頃憧れたレスラー像、そのクールさ、タフネスさ、フラムボーヤンス‥このビジネスで悪役を担おうなどという奇特な若者にとって、その偏狂なるセンスこそ、命の源泉と言っても過言ではない。環境など無視して、やりたいことを押し通すルードに、時代を引き寄せるグラヴィティを感じる。


 ルード‥その名前から直ぐに連想させるは勿論、2タイムス世界ヘヴィー級王者の、ラヴィシング・リック・ルードだ。髭の感じとローブの着こなしは、ラヴィシング・ワンを思い出さずにはいられない。そして、シグネチュアムーヴはMr.Pの技の2連弾だときている。ICチャンプ達がハルクと真っ向対峙出来得ていたあの日を、ルードを見ていると取り戻してくれるのではないかと、そんな錯覚にすら陥る。


 マッチョマン、ラヴィシング・ワン、Mr.P。これらの名プレーヤーへのリスペクツをあからさまに表出させるルードの姿勢に、その態度に、感性に、頼もしさを感じるRRRやヘニングのファンも少なくないはずだ。サクリファイスではジャレットから勝利をものにしたルード。新TNAベルトへの挑戦はもはや射程距離だ。勿論ジャレットは最初からそのつもりで、トラディショナルイメージ強化と売り出しを兼ねて、ルードにアレを許可したのだ。


 時代が時代なら、勿論ボビー・ザ・ブレインに預けたい逸材のルード。時代が動くのは一人の突出した才能によってだ。ルードはそのアトラクションで、“新しいウィーザル”までをも呼び寄せるか。


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What a Macho

 WWEがDSWを廃し、フロリダのスティーヴ・カーンのスクールと、いわゆるディヴェロップメント契約を結ぶとか。WWEのディヴェロップメントが功を奏していないとは思わないが、誰もが成功しているとも言えない、か。シナは立派にチャンプを務め、今や名チャンプの仲間入りを果さんとしている。しかしシナよりアマチュアスキルに長けるWGTTの二人などは、なかなか世界に挑戦も出来ない段階で足踏みしている。今やWWEにニューフェイスを提供してくれるところは実質OVWだけであり、自前で新人を用意しなくてはならない、はじめての事態にさらされている。TNAやROHなどがコンペティションとして力をつけてくるにつれ、それはより硬直化を進ませるだろう。


 WWFがなぜ全米を制覇できたか。それは800万都市NYを背景にした、潤沢な資金力での引き抜きに基礎を持つ。AWA及びJCPから、スターを根こそぎ引っこ抜いた。AWAやJCPで既に出来上がっていたスターを次から次へと提出出来たのだ。創世記に覇権を手にした者のアドヴァンス。K1もPも罷り通らせているこの理論。MSWAからも大挙してよりどりみどりだった。勿論、ICWからは完全に未知の大物だったマッチョマンを手に入れて、それをセンセーショナルに紹介出来た。


 ICWはいわゆる、NWAに属していないインディーズ。MSWAは実質的にNWAの一部だったが、こっちは正真正銘の独立系の雄だった。ケンタッキーの田舎で、インターナショナル・チャンプを認定し、実力自慢の猛者を集めてこじんまりとした運営を手掛けていた。五輪の狼ボブ・ループ、喧嘩屋ボブ・オートン、後にフレアーを殴り倒したワンマンギャング・ロン・ガーヴィン、天才ラニー・ポッフォ、ジェフ・スォードとダグ・ヴァインズのタグ職人ディヴィルス・デュオ、RVDやゴッドウィンズを育てたマーシャルアーティスト・ロン・スリンカー、そして世界を制すことになるマッチョマン・ランディー・サヴェージ‥。


 インディーズが未来のスターの宝庫であることなど、アメリカでならば周知の事実。HBKやSCSAがテキサスのインディーズから上って来たことなど誰だって知っている。テラ・ライジングがコワルスキーのIWAにいたことも。ベンワーはNJからやって来て、マーク・キャラスもシドもテネシーの怪物出身だ。パワーティームUSAはトライステーツ、ルガーはフロリダをサーキットしていた。レクスタイナー兄弟しかり、ハルクもハートもまたしかり。WWFがロックを純生産したことは、逆に衝撃的ですらあった。


 ロックは、ハイチーフとスゥィートエボニーダイアモンドの血を引く、言わば例外。全米各地のストリクトなマイナーリーグが、メジャーを支えてきたことに違いはない。


 勿論今でも、パワフルなインディーズは全米各地に存在し、それはオハイオヴァレイにつながってもいる。WWEに登場できる頃にはかなり仕上がってもいる。よく出来ているがしかし、ド田舎のインディーICWから、いきなりメジャーで駆け上がった本物の野生動物に比べると、些かこなれ過ぎている感は否めない。


 タイムワーナーをバックにしたWCW資本のパワープラントは、果して何人のカリズマを産んだか。マリガンやニキタ・コロフ以上とも思えないナッシュやゴールバーグは、フレアー全盛だったら出番はあったか。グレゴリー・ヘルムズ一人を産むために、あのパワープラントは存したわけでもあるまい。


 プラントで栽培したディスコ。HTMの亜流の、JBBの更にそのまた二番煎じ。ホンキーのネックブレイカーまで真似たが、観葉植物の悲しさは、80年代のテネシー、アラバマを生き抜いた野生の狼に、及ぶべくもなかった。


 WWEはOVWをしっかり管理し、規格品しか出荷はしなかろう。DSは切るくらいだし、カリフォーニアやプエルト・リコからもオハイオへやって来るいいルートも確保している。しかしそれでも、規格外の場所から、自然萌芽してくる自由な才能は魅惑的だ。


 マッチョマンはアンジェロ・ポッフォのサンで、やはり特別枠かもしれない。しかしあの自分勝手な突き抜けたセンスは、ケンタッキーの隔離されたバーバリック・ロッジだからこそ育まれたように思う。


 スパイダーマンにマッチョマン。ジェイ・リーサルがマネをしているのはマッチョ・キング以降のWWF仕様。やらせているのはナッシュかルッソか知らないが、マッチョマンが出て来てかつての、ケンタッキー産のホンモノを見せてやらねば収まりも付かないような雲行きだ。日本のゴードン・ソーリーこと故杉浦アナ曰く、“電撃の超高血圧男”。その稀有な傑作ギミックは、リーサル以外の何処から再び飛来する。


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BUFF, Blockbust the immortal one.

 メンフィス・レスリングで行われたアルティメット・クラッシュ・オブ・ザ・レスリング・レジェンズのセミファイナルは、ブライアン・クリストファーとバフ・ダディの一騎討ち。両者ともまだレジェンズという世代でもなく、再浮上を狙って欲しい元メジャーリーガー。特にバフ・ダディが一度もWWEでプッシュされないというのは、納得できなかった。


 一度もというのは語弊があるか。01年初夏にブックとやったWCWタイトル戦では、ボーリンのチャントが起こったそうだから。HQと揉め事でもした?或いはTNAにも本格参戦できないところなどを見ると、首の怪我の後遺症などが未だ尾を引くのか。


 バフ・ダディは、ほぼバランスの整った、得難いタレント。ルックスもパフォーマンスも演技もギミックも、文句のつけどころはない。NWOのイメージが強過ぎるきらいがあったが、一度はUSやICのタイトルを手にできていい器量だったと思う。やはり首の怪我だろうか。


 権利がWWEにあるのかもしれないエントランス・ミュージックはかなり優秀で、WCW時代から盛り上がると評判だった。ミュージシャンでもあるジミー・ハートにとっては、ハルクやホンキーなどとともに、エントランス・パフォーマンスも上手いバフ・ダディは、メンフィス・テイストにあうと、期待も高いのではないだろうか。


 99年のインディペンデンス・デイ、思えばあの頃までは、WCWは元気だったということが分かる。大観衆満員4万人のジョージアドームの主役は、バフ・ダディだった。ほとんど何もレスリングらしいことのなかったメーンのUSタイトル戦。バフ・ダディが腕を左右に振る、あの御馴染みの入場パフォーマンスだけで、4万人の大観衆をライオットさせた。細身の王者を捕らえたブロックバスター。ディヴィッドのバンプも悪くはなかった。WCWの未来形を感じたものだった。


 NWOで最も成長したのは間違いなくバフ・ダディ。NWOをプライムとしたのもおそらく唯一、バフ・ダディだけだろうと思う。NWOはバフ・ダディのためにあった。今考えるとそう言える。ゆえに、NWOを背景に持たないバフは迫力に欠ける、か‥。


 当たり前のようにLAWなどをサーキットするバフ・ダディとビッグ・パパ・パンプに、強い違和感を感じていた。まだ若い、元WCW/NWOの顔役には大きな舞台が相応しい。スコット・スタイナーがやはり当然TNAに戻っていったように、バグウェルにも、ネイションワイドでの活躍の場が似つかわしい。トムコに大きな顔をさせておいていいのだろうか。ビッグ・バッド・ブーティダディがケージの子分に甘んじていていいのだろうか。バフ・ダディの出番なはずだ。PTのカナディアンデストロイヤーはいまひとつ腑に落ちない。ブロックバスターの迫力を改めて見せてやれ。


 バグウェルの場合、NWO臭がどうしてもキツいが、それを上手く脱皮すれば、まだタイトル戦線もいける。TNAはWWEと戦い続ける覚悟なら、バフ・ダディを再浮上させることで、バフを売れなかったWWEの鼻を明かしてみてはいかがか。ハルクにしても、ワイトとばかり戦うわけにもいかなかろう。バフ・ダディがハルクにブロックバスターを決めるシーンは欲されているはずだ。


 バフ・ダディをもう一度メジャーに、そして大きなシングルのタイトルを。MABの入場パフォーマンスとブロックバスターは、大観衆であればあるほど、その勢いを渦巻かす。


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エリック・エンブリーの2ページのカラー

 古い別冊ゴングの背表紙にはこうある。「赤見出しの美学、愛しの東スポに思いを込めて」と。では今、古のゴングのファンは、彼の誌に対して何と言う。愛しのゴングに今、何をこめるのか。


 かつては、ゴングは間違いなく、我々のバイブルだった。竹内は明るく元気に、クレイジーだった。海外に強いゴング。別冊はほとんどが海外ものが占めた。ゴングのマスカラスかマスカラスのゴングか。清水は日本で最強の、メキシコもののプロだった。吉澤のリポートはそつがなかった。ゴングは、インターネットだった。


 タイガーマスク、ホーガンvsアンドレ、IWGP、過激な仕掛け人、長州vs藤波、村松友視そして古館伊知郎。新日本ブームがやって来る。全日本も元気だった。鶴田vsキングコング・ブロディ。全盛期のチャンプ・フレアーは、年に2回もやって来ていた。ブームに伴い、雑誌も売れた。しかし、この頃からゴングは変質していく。


 伸びた部数。つまりブームで参入してきた層を離すわけにもいかなかったのだろう。海外に強いゴングと言われ、自らそう名乗り、故から海外ものファンの信頼を得ていたゴングは変わり、週毎に我々を失望させていく。雑誌の週刊化。BBMに遅れをとっていたゴングは、BBMと競り合う必要にも迫られ、UWFに誌面を割き、遂には女子ものにも手を出すようになっていった。時はWWFがタレントと独占契約を結び、日本にWWFスーパースターズが来なくなっていた折であり、海外に強いゴングに求められるものは、少なくなかったはずなのにだ。ゴングは我々のニーズに逆行するこのニューアティチュードで、読者としての我々を失っていったと思う。


 ゴングの変節は、オリジナル・ゴングの核たる海外ファンを失い、BBMに付け入るスキを与えた。海外ものに全く疎かった男は、海外ものに興味のないファンにのみ訴えかけた。時に垣間見せるゴングの、それでもの海外ものへの肩入れの姿勢も、それを相手にする場合、あまりにも甘く、半端だった。しかしここは日本で、WWFはホーガンを閉ざし、日本のプロモーションは日本もののみ応援してくれることを求める。日本で売る雑誌に海外ものは必要無くなってきた。我々はWWFマガジンやWMEにシフトし、ゴングからも撤退した。両誌は変わらず日本こそ最高を謳ったが、フルカラーグラヴィアのWWFマガジンに馴れた我々は、日本の雑誌に帰ってくることはもうないだろうと、既に確信していた。


 世界のチャンピオンが来なくなり、プライムタイムのTVを追われたのにもかかわらず、それと反比例するように、雑誌の中だけで飛び交った威勢のいい言葉群。雑誌の中でだけ繰り広げられる内戦の最中に、世界は変わった。ブライムタイムの2時間ライヴ、マンデイナイトウォー、NWO、ストーンコールド、WWE‥。エクスペンシヴなセットと黒いマットで覆われたリング下の風景。WWEを見慣れた今、あまりにも20年前然たる日本の姿に唖然とする。キックボクシングやカラテや柔道やアマチュアレスリングが、面白いわけではない。世界を囲えているか否かのダイナミズムの問題だ。


 ゴングは、ゴングの道を歩くべきだった。かつてゴングを愛した海外ファンに引かれた、ゴングらしからぬ雑誌を出し続けることに、果してどれだけの意味があったか。


 ある時ゴングが、“フラムボーヤント”エリック・エンブリーがワールドクラス・タイトルを獲得したことを、カラー2ページで報じたことがあった。久々のゴング魂にうれしく感じたことが想い起こされる。ああいった記事で覆いつくされることこそ、専門誌ゴングの、この国に於ける役割だったのではないか。


 かつて東スポが一面でレスリングを扱わなくなったことを憂い、自誌の表紙でそれを半糾した竹内。そのゴングもいつしか、自慢の海外ものをメーンで取り扱わなくなっていた。別な言い方をすれば、あの時もう、ゴングは終わっていたのである。


 WWEのホームページ等にアクセスすれば、大抵の情報は手に入る現在、日本のものには触れたこともないファンも増えたはずだ。雑誌の役割は終わりつつある。かつてはむさぼるように読んだファイトも、ゴングと同じ変節を辿って終わり、アル・マクギネスなど、名物編集者を出したWMEも、とっくの昔に終わった。


 言わば、とうの昔に相手にされなくなった我々だ。今更未練がましい思いを込めるつもりもない。残った専門誌も、専門局とともに、今や我々などにはほとんど知られない、ドメスティックスターズの攻防を、熱過ぎるくらいに伝えていくのだろう。


 「もし我々が将来、プロレスリングの博物館を作るなら‥」。幼少期における蕎麦屋での感慨。取り憑かれたように吐き出された数々のコピー。マスカラスの竹内やロジャースの田鶴浜など、レスリングがアートであることに純粋に魅了されたクレイジー達が、ブリスコや鉄腕グレアム相手に吠えた時代があったことが、今はただうらやましい。


 先日アウトされたIWEのDVDでは監修を担当している竹内。現在病床にという話も聞いている。雑誌メディアに次があるかは分からないが、かつてのスター達相手のDVDの中で解説を担当出来るのは今でも、ピュアで快活な竹内節しか、これはですね、ないのではないかと思っている。



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