ミントタイムス -11ページ目

寿々乃、踊りました

台風14号の襲来に恐々としたシルバーウィーク前半戦の三連休、皆様はご無事でしたでしょうか。

子供の頃はこんなに気圧の変化に敏感だったっけ!?と思わず振り返ってしまいたくなるほど、自らの体の経年変化による気圧への反応に驚く連休でした。

それもまた人生の一興かしらね。


さてさて、寿々乃、この度師匠のゆかたざらい会で『玉屋』という演目を踊らせて頂きました。

三月に本ざらいを経ての、半年後のゆかたざらい。振りをちゃんと覚えられるのか!?とハラハラしておりましたが、私たち弟子に出来るだけ舞台に立ち人前で踊る機会を設けようとしてくださる師匠の日本舞踊愛とバイタリティたるや…!改めて尊敬です!!!


今回踊らせて頂いたのは、江戸時代のしゃぼん玉売りを表現した踊りで、踊るに際してのテーマは《のんびりと》。

町中で子供らにしゃぼん玉を売って生計が立てられていたなんて、なんておおらかな時代なのだろう…と思うと同時に《のんびり》を表現することの難しさに挑戦する踊りでした。

のんびり屋さんを演じなさい、というオーダーが来たら皆さん、どんな風に演じます??

私は普段が割りとせかせかした合理的な人間なので、自分のどこに《のんびり》の引き出しの取っ手があるのかを探る作業が難しくも面白かったです。

そして、日本舞踊、音と振りと型をちゃんと取ることが出来れば誰でもその役を最低限表現できる、というのがすごいところで、また、それを一朝一夕には身に付けることが出来ないところが大変でりありやりがいでもあり。

大体において、子供の頃から邦楽(洋楽に対してのJ-POPや歌謡曲という日本の流行歌という意味の邦楽ではなく、三味線や鼓なんかでチントンシャンと奏でられる五線譜で記されてこなかった日本の音楽)なんてほとんど聞かず、五線譜で表せてメトロノームで刻めるリズムの曲ばかり聞いて育ったので、日本舞踊を始めた当初は、耳が邦楽独特の音の流れや間合いを識別できないのですよね。

年数を重ねてきて多少は邦楽に耳慣れて馴染みも出てきましたが、お稽古を始めた当初は音を取れるようになることが先ず一苦労で、音が分からないまま勘で動いて結局曲を余らせて無駄にじーっと止まって次の音を待ってる…なんてこともよくありました。

ふふふ…

音が取れて振りと型を取れるようになってきたら、今度は役の"性根"(しょうね/キャラクターの肝のようなもの?と解釈してます)を醸し出せるか?という挑戦になるなぁと思っており。醸し出す、って…言葉にするとなんとも掴み所のない行為ですが、良く分からないだけに考え探る楽しみを感じてます。


地味に地道にお稽古を続けてるのですが、始めの頃より音が聴こえるようになったり、色んな曲をお稽古していく中で見えてくるものが少しずつ増えてきたりと、まるで自分を定点観測するように、続けてるからこそ発見し得られるものがあることを三月の舞台の時と同様に感じられ、続けて来たからこその面白味をご褒美のようにじんわり味わえたありがたいひとときでした。

これからも、無為に年数だけを重ねることのないよう、咀嚼して少しずつ積み重ねを増やし自らの血肉にしていこうと思います。

細く、ながぁく、ね。


曲中は閉じた状態のままで使う振りのため、一度も開かれることのない小道具のお扇子。たとえ舞台上でお客様にお見せすることがなくても、ちゃんとしゃぼん玉の絵柄になってることがトキメキで…!記念撮影しておきました。

真ん丸お月様

今日は十五夜お月さま。東京は昼間の爽やかな秋晴れの空そのままに美しい月夜になっています。
美しいお月さま、見てるだけで何か満たされるような。

十五夜だしお団子食べたいなぁ…コンビニにお団子売ってるかなぁ…と、月明かりの下をほわっとした頭で歩いていたら目の前にアイスの袋が。
誰かが中身だけ取り出して袋はポイと捨ててったんだろうなぁと思い通りすぎようとしたのですが、満月の影響か、見付けてしまったのにそれを見過ごすことへの罪悪感が湧いてきて、コンビニ内にゴミ箱があるからそこに捨てよう、と踵を返ししゃがんで袋を拾い上げたところ

あれ…??

こ、これは…

空き袋じゃない…!

中身入っとる…!!
なんならまだ冷たい!!!!!

どなたかが購入後落とされたのかしら。
可哀想に…食べたくて買ったものでしょうに、いざ食さん!!と体勢が整ったときには買ったはずのものがそこにはないなんて…。まさかアイスを落とすことがあるなんて。
ゴミ箱に捨てるつもりが、もしかしたら購入者の方が落としたことに気がついて戻って来るかもしれぬと思い、ゴミ箱にポイするのはやめてコンビニ前に積んであったかごの端にそっと置いてきました。
ドロドロに溶けてしまう前に引き取りにいらっしゃいますように。

子供時代の十五夜さんには町内の子供会で綱引きをして、その後何処からか運ばれてきた土で大人たちが作ってくれた土俵の上で相撲をとった思い出や、近くの公園でお月見野点が行われており、母親に連れていかれ味もよくわからぬままお茶を頂いた思い出がポワポワと浮かび上がってきました。

流れ変わる季節を味わい愛でる術を生活の中で教えてもらったきたことの掛け替えのなさと、はぐれアイスの行方に想いを馳せる2022十五夜の夜。

皆さまも、お月見、月光浴等それぞれの月夜を楽しまれますよう。



夏の終わりに大興奮(※注 写真多めです)

気がつけばもう八月も残り数歩で完走のところまでやって参りましたね。皆々様、ご無事にお過ごしでしょうか。夏のエネルギー、たくさん吸収されたかしら。

私が今夏に味わったこの季節らしさといえばスイカとレーコーくらいでしょうか…夏…生命力ほとばしるこの季節を無邪気に楽しめていたのはいつだっけ…もうずっとずっと遠い昔のことのように思えてきます。


でも。


やってきましたよ、そんな私にもこの夏最大のときめきと興奮が!思いがけず、やってきたのですよ!!!


食品サンプルのいわさきさんが開催されている、食品サンプルの社内コンクールの展示会が!!!!!!!

精巧なサンプルの他にも遊び心溢れるサンプルを多数製作販売されている株式会社いわさきさんのSNSをフォローしてはちょこちょこと作品を拝ませて頂いていたのですが、そのなかでも特に気になっていた社内コンクールの作品。
それを一堂に会した展覧会があればいいのに…と思っていたら、なんと、やってらっしゃいましたよ、夏休み期間の東京スカイツリーで!
31日で終わると知り、逸る気持ちを抑えてくてく会場へ向かったのですが

やーーーーーー!!!!

もう

やぁーーーーーーーーー!!!!!!!!!

なに、このパラダイス!!!!!!!
良くご覧ください。
サンマを焼いてる炎が猫ちゃんになっているのですよ。









パンのおうち、パンの耳がまさにパンの耳の食感が口のなかに感じられるようで…グッときます…!

生卵生々しいーーー!!!
手が滑って床に落としてしまったあの悲劇が甦るような…
その後ろの、二口目の麻婆豆腐ランチって、その場面を形にしようとする発想が…!!!すごい…!!!

鰻自身が登って行くうなぎ登り~

干物の顔がなんともいえないです。

ザブトンのざぶんとんですって。
ちゃんと四隅に房がついている!
ひとがたのものは牛脂を表現されてるそうです。

アクが強いアクセサリー…ショボン…って…!
中心部は澄んでいるのにアクが上下に溜まっている…じわじわくる世界観です。

丸の内女子たちが映え写真を撮ってる間に汗をかくおしゃれカクテルのグラスたちって…
目の付け所がすごい!

自らを刻む鱧さん
そのタイトルと解説が
行き過ぎた鱧による自虐ネタですって。その発想!

会場でちびっこが「これ食べれるの~?」と親御さんに聞いてるのが耳にはいったのですが、どれもこれも本物とみまごうほど精巧に作られているからこそ、それを土台に現実ではあり得ない世界が展開されるこの絶妙さに心持っていかれっぱなしでした。

意識的にも無意識的にも日常のなかで食べ物そのものだけに留まらず、飲食の場面全体をどこから見るか、何を切り取るかに常にアンテナが張られているのでしょうね。

私はシュールな作品が好きなのですが、その他にもリアリティーを追及したものもあったり
(食べかけの蟹さんやブラスチックボウルの端が白っぽくなってたのが使い込まれた感を的確に表していてツボでした!)

3Dプリンターで調理された未来の肉じゃが、という発想のものあったり

スケル豚(スケルトン)や

ピザの斜塔や

華麗にポーズを決める鰈(かれい)
など駄洒落発想のものあったり。

乙女心くすぐる夢のようなスイーツ作品があったり。

こちらは社内コンクールから離れて各地の郷土グルメ作品を紹介するコーナーにあった
大阪の紅しょうが天ぷら。
ソースが蓋と口を少しずつ汚してる様ががめちゃくちゃリアルで更には
どうですよ!!?
この、この生ビール感!!
運ばれてきた本日一杯目の冷え冷えビールをグビビっと呑んだこの感じ!!!
ビールの冷えっぷりを感じさせるグラスの曇りも一気に呑んだんだろうなぁ…と思わせる中の泡もまさに今この場で誰かがのんだすぐ後のような臨場感があって思わず単独写真を撮ってしまいました。


リアリティーがなければ作品として成り立たなくて、そのリアリティを感じさせるには細部の描きかたがものすごく重要で、そこに気を抜かないからこそ現実からずらしたものを作り上げたときに観る方がその世界に没入していける…芝居にもどこか通ずるところがあるなぁ、なんて。
私、なんとも大雑把な人間なので、この細部へのこだわり、とてもお勉強になります。

色んな気付きも得た職人技×遊び心に満ちた空間、夏の終わりに頭を拡張してもらった心地のひとときでした。
はぁ…満たされた…