重要伝統的建造物群保存地区。
(通称、重伝建)
文化財保護法に基づき国が選定した保存地区で、全国に117地区あります。
滋賀県には坂本・近江八幡・五個荘・河原町芹町の4地区があり、今回の漫遊で全4地区を制覇しました。
近江八幡では、日牟禮八幡宮周辺と新町・永原町の商家町、そして、この八幡堀沿いが重伝建に選定されています。
◆近江八幡◆
(重要伝統的建造物群保存地区)
八幡堀
八幡堀は安土桃山時代、豊臣秀次により築かれた、琵琶湖に繋がる水路で、城の防御だけでなく、商業水路としても活用されました。
残念ながら、桜は散った後。
八幡城廃城後、近江商人の商家町へと姿を変え、水運業で繁栄を極めました。
堀に降りて散策。
往時を偲ぶ石垣。
堀の流れと同じく、ゆったりとした時間が流れています。
かつては、船から人や物が出入りしたのでしょうね。
新緑や紅葉の季節も訪れてみたい。
堀に溜まった汚泥は田畑の肥料に使われ、その田畑の土で瓦が作られました。
かわらミュージアム
"八幡瓦"でも有名な近江八幡。
その歴史は八幡城築城にまで遡ります。
全国的にも珍しい瓦の博物館。
館内は写真撮影禁止でしたが、なかなか見応えのある展示でした。
明治橋
堀と橋と桜が醸し出す和の風情。
堀越しに八幡山を望む。
八幡堀も戦後の高度経済成長の中で廃れ、不法投棄の場にすらなり、埋め立てられる運命でした。
ところが、
昭和47年(1972)、青年会議所が"堀は埋めた瞬間から後悔が始まる"を合言葉に保存活動を展開、その2年後、埋め立て計画が中止となり、今の姿にまで蘇ります。
堀沿いに連なる町家たち。
この先に商家の名建築が連なっています。
一大観光地へと変貌した近江八幡。
近代的な経済発展か、歴史と伝統か…
地域ごとの事情もあるので、非常に難しい問題だと思いますが、こうして素晴らしい景観を眺めていると、当時の人々の決断への尊敬の念が溢れてきます。
ご当地マンホール①
八幡堀の風景。
ご当地マンホール②
こちらは瓦マンホール。
次回は商家の町並みを送ります。
続く
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