チエでつながる, ワザでつながる、ココロでつながる、価値を生みだす           ~ 物語思考が世界をかえる -4ページ目

チエでつながる, ワザでつながる、ココロでつながる、価値を生みだす           ~ 物語思考が世界をかえる

この世に生まれて間もなく、人は「ものがたり」と出会い、そこで広い世界とのつながりを作ります。このblogでは、「ものがたり」と共にある人の可能性を探求していきます。

今回は、上司が体験に基づいた考え方を示して

部下を鼓舞するケースをご紹介します。

 

今回も

https://ameblo.jp/c-b-collaboration/entry-12848082621.html

でお伝えした“五段展開”の構成になっていますが、

冒頭部分は、通常の会話から“物語り”へと

“導入”する一言が入っています。

 

また、元々共有がある上司-部下間の会話のため、

Context とBefore は、ワンセンテンスで語られています。

                                             

<導入>

会社が数字数字と言うのは当然だよ。だけど、営業マンが顧客に“買って買って”と言っても、結果が出るわけがないだろう。顧客が求めているのは、信頼できる情報源でありアドバイザー。そう認められない相手から購入する方が不思議じゃないか。

 

<Context & Before>

と、かく言う僕も、随分試行錯誤を繰り返したんだ。営業マンとして中々芽が出ずに、入社3年目の時、結果が出なければ会社を辞めようとまで思ったんだよ。

 

 

<GONG>

僕はそこで腹を括り、とにかく顧客に役立つ情報を集めることに徹してみたんだ。明らかにウチに不利になる情報を見せるかどうかで悩んだりもした。けれど、まずは信頼を得るためにと、顧客の立場で徹底して考える様にしてみた。

本も随分読んで、工夫してお客に喜んでもらえる資料を作ったりもした。数字としてはそれでも鳴かず飛ばずが続いたけれど、頼ってくれるお客は徐々に出て来てくれたんだ。

 

<After>

劇的に数字が上がった訳では無かったけれど、この経験を通して自分流の信頼構築術が形成されたんだと思う。お客に接する上での僕なりの“正解”が見えてきた、という感じ。これは教えてもらえるものじゃないんだね。試行錯誤しながら掴んでいくしかないと思う。結局営業マンとしての自分のスタイルは、自分でやりながら作っていくしかないんだと思う。

 

<Message>

君も今、まさに自分流のスタイルを作っていく時期だろう。現実を正直に言えば、数字が出ないなら、担当を外されることもありうるけれど、顧客と信頼関係を作っていくための君らしい方法を模索する機会と、この際割り切ってやってみたらどうだ。今のまま同じことをやっても変化が望めないのなら、自分のスタイルをつくるべく今後1年間徹底してやってみてもいいと、僕は思うんだけど。

 

Stp

 

営業マンとして結果が出せずに悩んでいる部下に対して、

一発奮起を促すべく発したメッセージです。

 

https://ameblo.jp/c-b-collaboration/entry-12848660453.html

でご紹介した四要素ですが、

 

①   と②は

“入社3年目の時、結果が出なければ会社を辞めようと“

の一文が兼ねています。つまり話者である上司のキャラクターと

当時の感情を、ここのワンセンテンスで示しています。そして

GONG後の感情は、“鳴かず飛ばずが続いたけれど、

頼ってくれるお客は徐々に…“で表しています。

 

③   “ウチに不利になる情報を見せるかどうかで悩んだり“

“勉強し、工夫してお客に喜んでもらえる資料を作ったり”

といった部分に、リアリティーが感じられると思います。

 

④   “本も随分読んで勉強し、工夫してお客に喜んでもらえる

資料を作ったり…“

四要素については、上記の様に重複部分があってもOKです。

 

このメッセージで大事なところは、

部下が自ら考え、主体的に行動を起こしていける様な

動機付けです。

そこでポイントとなるのは、

上司の物語に触発されて、

部下自身の物語が創造され始めることです。

 

このケースで言えば、部下流の“信頼構築物語”が、

彼(女)の頭の中に生成し始めること。

上司のケースが触媒(参考)となって、

部下がこれから自分流をどうやって作っていくか、まさに

自分の意志と想像力で模索を開始することです。

 

上司が自らの苦闘の跡を開示し、

そのうえで“一人前”の途上にある部下の主体性を尊重し、

その部下の彼(女)らしい行き方を考えさせる。

 

その取り組みに、エールを送れるメッセージが、

ここで目指すべき内容です。

 

今回から数回にわたって、

目的に応じた「物語メッセージづくり」の事例をご紹介しようと思います。

 

一回目は、先輩が犯した失敗体験から得た教訓の話です。

 

https://ameblo.jp/c-b-collaboration/entry-12848082621.html

でお伝えした“五段展開”の構成になっています。

 

<Context>

ある先輩が語ってくれた失敗談を紹介しようと思う。この方はまだ20代の入社6年目で、東南アジアのある営業拠点の責任者に任命された。勿論大抜擢。本人もびっくりの人事だったらしい。小規模な拠点とはいえ、10名ばかりのスタッフを抱える一国一城の主。GM(General Manager) の肩書きを得て、気分もまんざらではなかったらしい。

 

<Before>

着任のその日、スタッフ達が立ち働くワーキングルームを通って奥にある自分のオフィスに入ると、そこにはマホガニーのデスクと革張りの椅子。デラックスな応接机とソファー。ふかふかのソファーに腰を下ろした先輩は、しばらくの間、その夢の様な新しい環境に浸っていたらしい。

暫くすると、アンディーという総務担当のスタッフが挨拶にやってきた。彼女は組織の人事関連全般や備品管理などの仕事を担当していたが、GMの秘書も兼務しており、コピーやタイピングなど、必要があればいつでも呼んでほしい、と言ってくれた。 

 

<GONG>

先輩は益々有頂天になり、子供のころから密かに夢見ていた一言を、退室しようとする彼女の背に向けて無造作に発した。「アンディー、では、コーヒーを一杯頼む。」 これを言ったとき、心の中では“ついに、やったぞ”的な気分だったらしい。

 

アンディーは足を止め、えっという顔をした。 そして、再び歩き出しながら「ええ、喜んで」と明るい口調で応じた。 

 

<After>

その1時間後に開かれた、事務所スタッフ達との最初のミーティングで、スタッフらが先輩に向けた軽蔑の眼差しは、一生忘れられないだろう、とこの先輩は語っていた。 その後、この先輩は必死の努力で、何とか信頼を回復できたそうだが、あの一言で払ったコストと自分が受けた精神的ダメージは、並のレベルをはるかに超えていたと語っていた。

 

<Message>

この話の教訓は言うまでもない。先輩は自分のワールドに浸りきって、自分に向けられているスタッフ達の視線を無視して行動してしまった。 人々はちゃんと見ている。リーダーとなれば、なお更、このことを忘れてはいけない。

 

Stp

 

先輩が駐在初日に“やっちまった” 一言をGONG(出来事)として、

そのBefore/After から物語化した事例です。

 

https://ameblo.jp/c-b-collaboration/entry-12848660453.html

でご紹介した四要素は、

 

①   入社6年目での大抜擢、まんざらではない気分

②   マホガニーのデスクと革張りの椅子、…ふかふかの…

スタッフらが向けた軽蔑の眼差しは…

③   アンディーは足を止め、えっという顔を…

再び歩き出しながら「ええ、喜んで」と…

④   しばらくの間、その夢の様な環境に浸って…

 

といった形で工夫してみました。

 

今回の様な成功、失敗に関わる話の“物語づくり”で

留意すべきは、

失敗の原因、成功の要因を体験から引き出し、

その本質部分が明確に伝わるように

メッセージングすることです。

 

当たり前のことに聞こえると思いますが、

 

「配慮が足りなかった」

「準備が不足していた」

の様な現象レベルから一歩踏み込んで、

 

“自分に向けられている視線を無視してしまった”

の様に、

根底にある「認識」レベルを掘り下げて指摘することが

重要です。

 

なお、一般に聞き手の立場としては、

“伝説”となっている様な人の話を除くと、

「失敗談」の方が“聞きたい”気持ちになります。

 

「成功の自慢話」は、

聞き手にとって単に苦痛以外の何物でもないので、

特に注意が必要です。

 

 

 

今回から目的に応じた物語づくりに

ついて考えたい旨、前回書きましたが、

そこに入る前に、聞き手の注意を引く為の

“つかみ”について触れておこうと思います。

 

「物語」を聞いてもらう、ということは、

“語り手”の世界に

“聞き手”を誘い入れることであり、

 

“語り手”が描くイメージの世界へと、

“旅”に来てもらう様なものです。

 

こんな風に書くと、素敵な世界に誘って

もらえる感じもありますが、

 

聞き手によっては、

馴染みのない世界のことや、

“語り手”の過去の経験などが語られても、

 

違和感を抱いたり、

聞くのを億劫に感じる人もいるかもしれません。

 

語られる内容と自分の関係が見えなければ、

それは自然なことです。

 

そんな状況が予測される時は、話の冒頭に

“つかみ”のワンフレーズを入れることで、

“聞き手”との間に「橋」を架けるようにします。

 

前回のブログで紹介した“私”の自己紹介であれば、

冒頭に、

 

「こうして皆さんの前に立っている

研修講師としての私のルーツは、

実はアフリカにあるのです」

 

の様なセンテンスを入れることで、

“聞き手”の関心度合いを

ぐっと高めることができる訳です。

 

こうした“つかみ”のコツは、

5段展開の“メッセージ”部分、

前回の例で言えば、

 

“だったらこの体験を伝えることで、

  自分も多少は世の中に役に立てるのでは…“

 

の部分が回答となるような“問い”を湧かせる、

 

つまり“何で?”とか“どういう意味?”

が出てくる様な表現を考えていきます。

 

「講師となった私のルーツは、実はアフリカなんです」

    ↓

「えっ、何で?」

    ↓

→<Context>→<Before>→<GONG>

→<After>

    ↓

「国内ではまず体験出来ないアフリカでの

失敗体験を伝えることで、

 次に続く人たちの役に立つことが

出来ると思ったからです」

 

という構造ですね。

 

「物語」を語る“語り手”は

“聞き手”が

聞きたくなる様な状況を作っていくことも

“語り”の一環であると

 

捉えておく必要があります。

 

どんな“聞き手”も、

未知の世界が目の前に広がると、

不安になったり構えてしまったり、

距離を置いたりする傾向があるからです。

 

特にビジネスの世界で“語り”を入れるにあたっては、

 

“語り手”の創る世界に“関心”を

持って入ってきて頂き、

しばし「異界の旅」を楽しんでもらった上で、

しっかりと“収穫”を持ち帰って頂く。

 

そんな気持ちで語ることが大切だと思います。

 

“筋”ばかりでなく“演出”も

しっかり作りこむことで、

人の心を動かすことが出来る様に

なるのだろうと思います。

 

身の回りに起きた

出来事”を5段階で展開させ、

その上に4つの工夫を加えることで、

 

「聞き手」の関心を引き、

中身を印象づける「物語」が出来上がる、と

ここまで説明してきました。

 

今回は、私が企業研修の場などで、自己紹介替わりに

時々使っている“自己紹介物語”をお示しする形で、

一つ実例を見て頂こうと思います。

 

なお、5段展開について、ここまでの説明では

文脈情報→元の日常→出来事→新しい日常→メッセージ

と、表現してきましたが、

 

企業向けに私が実施している研修では、

Context→Before→GONG→After→Message と、

英語表記に統一しているので、以下ではその表現に

合わせさせて頂こうと思います。

 

以下、5段展開の段落は開始部分に

<Context> の様に示すこととします。

 

*****

 

<Context>

30代半ばから、アフリカのガーナに5年間駐在しました。

それまでに海外のプロジェクトを何本も成功させ、

商社マンとして脂がのり始めていた私は、ここで一旗

揚げようと意気揚々赴任先に出向いたのでした。

 

<Before>

が着任後間もなく、マネジメントに行き詰まりました。

事務所の生産性を改革しようと色々指示を出したのですが、

スタッフが動かない。動いてもイメージからズレている。

注意すると黙って頷くものの、明らかに反省はない。拒絶は

明らかでした。そんな状態が続くうちに、現地語で雑談する

スタッフらの笑い声が、全部自分の悪口に感じられてきました。

すべてが空回りし始め、地獄の様な日々が始まりました。

 

<GONG>

半年ほど後に転機が来ました。取引先の幹部が亡くなり、その

お葬式に出席した時のことです。私は特段考えもせず、お香典を

未亡人となった奥さんに直に渡してしまったのです。

が、それは大間違い。現地の習慣では故人のお兄さんに渡すべき

ものだったのです。私は部下もいる大勢の前で大恥をかいて

しまったのでした。

自分の「当たり前」が現地の「当たり前」でない。そんな初歩的

なことを、分かっていたつもりが実は何も分かっていなかった。 

ということは「彼らの当たり前」を私が理解していないと、

スタッフ達が皆感じている。 

その事にやっと認識が至りました。

誠に低次元の話ですが、それが当時の現実でした。

 

<After>

その後は意識して小さな事柄もスタッフに相談し、様々な状況を

メンバーと共有する様にしました。“日本ではこんな風にやって

いるけれど、ガーナではどうしてるの?”と意見を求めると、

スタッフ達は進んで様々なアドバイスをくれました。空回りは

過去のものとなり、仕事が動き出しました。

 

<Message>

駐在を続けているうちに、私と同じような問題に多くの日本人が

遭遇していることに気づきました。ちょっとした認識のギャップ

が、少しばかりのコミュニケーション力の不足が、組織の生産性

を落とすばかりでなく、働く同士に不快な思いを引き起こして

しまう。

だったらこの体験を伝えることで、自分も多少は世の中に役立て

るのでは、と。そんな思いから研修の世界に入りました。

そしてその延長線で、今日私は皆さんの前に立たせて頂いている

訳です。

******

 

ここでは、アフリカ駐在時に体験した、お葬式の場での大失敗、

という“出来事”から、

日常がガラリと変わった様を「物語」化し、そこでの教訓が、

「研修講師」としての私のルーツとなっている、

と結んでいます。

 

 5段展開については、以上を見て頂くことで大方イメージ

出来るかと思います。

 

 一方の4要素については、以下該当部を示しながら

解説をしていきます。

 

1) 共感できるキャラクター

“それまでに海外のプロジェクトを何本も成功させ、

商社マンとして脂がのり始めていた私は、ここで一旗

揚げようと意気揚々赴任先に出向いたのでした“

 

若い頃は、こんな形でギラギラしてしまう部分、自分は

そうじゃないよ、という人でも、何となく気持ちは

分かるのではないでしょうか。

 

2) 本物の感情

  前半の“落ち込んでいる時”と後半の“取り戻せた感”を、

  こんな表現で表しています。

 

 “現地語で雑談するスタッフらの笑い声が、全部自分の悪口に

感じられてきました。すべてが空回りし始め、地獄の様な

日々が始まりました“

 

 “スタッフ達は進んで様々なアドバイスをくれました。

空回りは過去のものとなり、仕事が動き出しました“

 

3) 拡大された瞬間

“日本ではこんな風にやっているけれど、ガーナでは

どうしてるの?”と意見を求めると、スタッフ達は進んで

様々なアドバイスをくれました。“

 

こんな形で、直接話法を入れるのは一つの手です。

 

4) 具体的なディテール

“ここで一旗揚げようと意気揚々赴任先に出向いた”

  ↓

“が着任後間もなく、マネジメントに行き詰まりました。

事務所の生産性を改革しようと色々指示を出したのですが、

スタッフが動かない。動いてもイメージからズレている。

注意すると黙って頷くものの、明らかに反省はない。

拒絶は明らかでした。“

 

ここは事実なので、工夫という訳でもないのですが、

“一旗揚げるべく意気揚々”と乗り込んで、

“スタッフに拒絶され、行き詰まり”というパターンは、

誰もがどこかで経験している様な、または容易にイメージ

出来る“身近な”感覚に訴えようとしているものです。

 

この様な描写で語られると、「聞き手」と主人公(=私)の

距離は、自然に縮まってくる訳です。

 

以上、事例の紹介となったので、少し長くなりましたが、

こんな形で「型」に従い、4つの要素を加えることで、

自分でも“作れそう”な、気になって頂けたでしょうか。

 

次回以降は、メッセージの中身に応じて「物語」を

どう作っていけばいいのか。

その辺りを、探っていきたいと思います。

 

日常的な出来事は5段階の展開によって、

「物語」に “格上げ”されると書きました。

 

更にこれを“聞き手の心に刺さる”、“共感を呼ぶ”、

”印象に残る“話にしていくには、どうしたらいいか。

 

ストーリーコンサルタントのキンドラ・ホール氏は

著書『心に刺さる「物語」の力』の中で、

ストーリーを効果的に語る為の要素として

次の4つを挙げています。

 

1) 共感できるキャラクター

2) 本物の感情

3) 拡大された瞬間

4) 具体的なディテール

 

順に見ていきましょう。

 

1)のキャラクターが重要であることは、既に書きました。

 

キーワードは文字通り”共感“であり、

「聞き手」が主人公に感情移入して、自然に

主人公の視点を内側に持ってもらえるように

することです。

 

語られた話を聞いて、

“私もそうだ”、

“自分も同じように思うだろうなあ”

の様に感じること。

 

「聞き手」が主人公と自分自身を重ねてしまう、

そんな状況描写や感情表現がキーです。

 

「30代半ば、商社マンとして脂が乗ってきていた私は、

 この地で一旗揚げてやろうとばかり、意気揚々、

 アフリカに向かったのでした。」

 

と聞くと、少しばかりアフリカに近づいた気分も、

湧いてくるのではないでしょうか。

 

2つ目は本物の感情。

「物語」の展開と共に動く、状況に内在する感情です。

不安、苛立ち、焦り…、一方の歓喜、安堵、開放感、…

これらの内側の声を表現していきます。

 

ここでも「聞き手」の共感を生む工夫が重要で、

“落ち込んだ”、“苦痛を感じた”と語る代わりに、

 

「軽蔑の視線で体中を刺されている様に感じた」

とか、

「椅子や机すらも自分に敵対している様な気がした」

 

の様に、

 

その時五感が捉えた感覚を語る方が、

届きやすいこともあります。

 

3つ目は場面の切り取りです。

象徴的な瞬間を詳細に表現することで

特定のシーンを印象付け、

記憶に刻み込む効果が生まれます。

 

「箸もフォークも無くて戸惑っていたところに、

 さっとジョージがやってきて、

 手に野菜をとり、さらにその野菜で手羽肉を掴み、

 旨そうに食べて見せながら、にやりと笑ったんです。」

 

の様に、瞬間を実況中継する感覚です。

 

最後の具体的なディテールは、

「聞き手」の世界と語りの場面をつなげるための

表現的な工夫です。

 

「物語」の場面を描写するにあたって、

身近でイメージしやすい世界を描き、

「聞き手」をその場に引き入れるのが目的です。

 

「マホガニーのデスクと革張りの椅子、

デラックスな応接机とソファー。

ふかふかのソファーに腰を下ろした先輩は、

暫くの間、夢の様な新しい環境に浸っていたのだそうです」

 

こんな感じで何となく、

どこかで体験した感覚が蘇る様であれば成功です。

 

「物語」の効果を高める4要素は、

キャラクター描写が冒頭部分に置かれやすい、等

大まかな傾向はあるものの、展開に合わせて

5段階のどこに置いてもよいものです。

 

大切なのは、聞き手目線。

もっと言えば、聞き手の肌感覚にフィットした形の

語りを工夫することで、

「聞き手」が自然に「物語」の世界に入れるような

道筋を作って行くことが重要な訳です。