片頭痛には反復性と慢性があります。
反復性片頭痛は頭痛が月に15日未満、3ヶ月以上継続しているというのが診断基準です。
この状態だと、トリプタンなどの片頭痛治療薬が一般的に有効です。
しかし、片頭痛は進行性の炎症疾患です。
反復性頭痛は慢性片頭痛に移行します。年間3%近く移行します。慢性片頭痛のほうが治療に苦慮します。
この恐ろしい慢性片頭痛に年間3%の反復性片頭痛の方が移行してしまうというデータもあります。
Sheena K Aurora.et al:Headache.2017;57(1):109-125
したがって、慢性片頭痛に移行させないために抗CGRP関連製剤などの予防をすることが大切です。
慢性片頭痛(頭痛が15日以上/月、3ヶ月以上継続)の脳は機能的・器質的にも変化がおこり治療が難しくなってしまいます。
抗CGRP関連製はアレルギーや副作用がなければ、できるだけ同じ製品を続けるのが第一選択です。
抗CGRP関連製剤は
・ものすごく効きます。人生が変わったという患者さんが多くいます。
例えば旅行の予定が立てられるようになった。
子供と遊ぶ時間が増えた。
・しかし現在は高価です。
いい薬が市場に長く出るとどんどん薬価が安くなっていきます。
将来に期待して下さい。
処方される患者さんにも厳密な適応があります。
処方する医師にも同じ様に厳格な資格が必要です。
私は脳神経外科専門医なので厳格な資格を満たしています。
台風や気圧・気温の変動が原因であったり、調子がいいために寝不足などの無理をしてしまって発作回数が増加している場合もあります。ただ発作回数が増えたからといって安易に他の製剤に変更するのはお勧めしません。
また、抗CGRP製剤を使用し、予防薬を減量、中止していくことができます。
妊娠前、白内障などの目を触る手術前、大きな歯科治療の前、大切な試験・運動会の前などしっかり片頭痛を治療してから望みましょう。
また、エムガルティは、FDA(アメリカ食品医薬品局)で成人の男性に多い群発頭痛でも承認されています。残念ながら日本では保険適応が認められていません。当院ではエムガルティを第一選択にしています。(第一三共さんありがとう。)
外来でご相談ください。