映画「国宝」
遅ればせながら映画「国宝」を観てきました。平日午後2時45分の部。満席です。お客は老若男女。子供はいなかったけれど。評判通り素晴らしい映画でしたよ。私は常々良い作品といいうのは、音楽であれお芝居であれアートであれ、人をシン……とさせるものだと思っています。言葉を変えれば「絶句」させるもの。それは子供のバレエの発表会でも、お年寄りのマジックでも、同じことです。「国宝」は満員の劇場が墨絵のようにシーン……とする場面が何度もありました。私は歌舞伎を観劇したことが2回しかなく、その良さもちゃんと理解しているのか自信がありません。だから演者の芝居や踊りの完成度がどれほどのレベルなのかジャッジできませんが、私には吉沢亮も横浜流星も何の違和感もない歌舞伎役者に見えました。そこに至る努力は途方もないことだと思います。でもこの映画の本質はそこにはないような気もします。運命的なふたりの歌舞伎役者の生き様を描いたドラマなのだと思う。そのドラマの描き方も感情を掘り下げまくらず、日本的というかあっさりというか。最近ネットフリックスで見ている韓国ドラマだったら、もっとドロドロに描かれるでしょう。韓国ドラマに感化されたんかな、私。もっとドロドロしてても良かったなー、とも思いました。この映画は地方に住んでて実際に歌舞伎を観に行けない人にとって、歌舞伎の世界に触れる初手になったと思います。映画なら料金も安いし。劇場では見ることのできない、たとえば顔のアップとか、化粧や着付けの場面とか、そういうシーンが盛り込まれることで、歌舞伎の魅力が私のようなシロートに伝わりやすかったです。大阪弁に関して。横浜流星はアカンかったな。渡辺謙は気にならなかった。吉沢亮は80点。私は大阪出身者じゃないけどね。