ブロンプトンでレールトレイル、多分、第二十二弾。


本日走ってきたのは、メルボルン市内にある『アウターサークル・レールトレイル』、日本語に訳すと「メルボルン環状線レールトレイル」である。もともとあったアウターサークル・レールウェイ線の建設100周年記念にレールトレイルが設定されたので、『アニバーサリートレイル』とも呼ばれる。


アウターサークル・レールウェイ線は旧サウスギップスランド鉄道(現・パケナム線)のオークリー駅(現存)からウェーブリーロード駅(廃止)を経てGardiners Creekを鉄橋で越えてカンバーウェル駅(現存、リリデール線)、そしてハーストブリッジ線のフェアフィールド駅(現存)に至る約18キロの路線であった。


本日はカンバーウェル駅をスタート、アウターサークル・レールトレイルの南区間(旧リバースデール駅~旧ウェーブリーロード駅)の約10キロを走る。カンバーウェル駅からアラメイン駅まではアラメイン線(Alamein Line)と並走する。


[走行データ]

ルート カンバーウェル(Camberwell)駅→ムーランビーナ(Murrumbeena)駅

距離:13.3km


アニバサリートレイルは駅から住宅地を抜けて暫く行くと始まる。



途中、地元の中高生がサッカーに興じている。地元ではオーストラリアンフットボールかクリケットが人気のスポーツで、サッカーは普段それほどでもないのだが、本日行われるワールドカップ決勝の影響か。


ハートウェル(Hartwell)駅だ。


カンバーウェル(Camberwell)~アラメイン(Alamein)は電化・複線区間である。



アラメイン線の終点であるアラメイン(Alamein)駅についた。電車はここまで。


この先は線路跡がトレイルである。美しく整備されている。

 

アラメイン線はアラメイン駅止まりだが、アウターサークル・レールウェイ線は当時、この先でガーディナーズ・クリーク(Gardiners Creek)のクリークと広い河川敷のような低地を鉄橋でわたっていたようだ。鉄橋は黒い塗装であったため「Black Bridge」と呼ばれたが、一度目の廃線の際に解体されてスクラップとして売られてしまったとのことだ。現在はガーディナーズクリーク沿いに高速道路(M1)とグレンウェーブリー線(近郊電車)があり、レールトレイルはこれらと直交する。


クリークと高速道路とグレンウェーブリー線(電車)を陸橋で越えると、旧ウェーブリーロード駅跡とみられる公園があり、さらに進むとパケナム線の高架にぶちあたった。本日の旅はここまでである。少し短すぎて走り足りなかったが。パケナム線のムーランビーナ駅から輪行で帰宅する。

 

ところで、本日のアウターサークル・レールウェイ線の歴史をしらべたところ、なかなか複雑な経緯をたどっていることがわかった。メルボルン近郊鉄道路線でこれほど気の毒な歴史のある路線はないかもしれない。記録目的にここに記しておく。


アウターサークル・レールウェイ線は当初、ビクトリア植民地東部のギップスランドとメルボルンを結ぶサウスギップスランド鉄道計画の中で同鉄道のメルボルン市内への接続路線として計画された。1860年代から1870年代にかけて複数の鉄道会社が競合しており、メルボルン市内に相互に接続されない終着駅が3つ(フリンダーストリート駅、スペンサーストリート駅、プリンセスブリッジ駅)存在した。政府が計画するサウスギップスランド鉄道を市内に到達するためにヤラ川を渡る橋が必要であったが、最短距離に位置する鉄橋は競合鉄道会社の所有物で、市内に到達する別の路線を検討する中で、アウターサークル・レールウェイ線構想が持ち上がった。


1879年、その競合社をビクトリア植民地政府が買い取ったことで、橋の問題は解決した。その時点でアウターサークル・レールウェイ線計画は中止されるべきであったのだが、当時の政府の鉄道建設への積極姿勢(1882年及び18884年鉄道法)と沿線地域から選出された政治家のごり押しもあって、建設計画は実行された。アウターサークル・レールウェイ線は1890年から1891年にかけて順次開業した。しかし全線が営業したのはたったの三年間だった。開業直後から旅客数の伸び悩み一部区間を運行休止、さらにその後の金融恐慌の影響で1897年には残りの全線を一旦廃止した。

 

その後、旅客数が見込める一部区間で運行が再開された。カンバーウェル駅~アシュバーン駅間(1898年~)、リバースデール駅(カンバーウェル駅と本線を結ぶ)~ディーブディーン駅間(1900年~)が再開された。前者はその後電化されて、アラメイン線として現在に至るが、後者は電化に至らず1926年に廃止された。尚、オリジナルのウェーブリーロード駅からバーンリーに至る支線は現在のグレンウェーブリー線に一部活用されている。ウェーブリーロード駅及びそこからパケナム線に至る廃線跡はUrban Forest公園及びレールトレイルの一部として整備されている。


Source: Wikipedia "Outer Circle railway line". The source said that the map was created by Tonicthebrown.


以下のビデオクリップは『アウターサークル・レールウェイ~メルボルンの忘れられた鉄道』の抜粋である。(当時のメルボルン・フリンダーストリート駅の様子や蒸気機関車時代の鉄道の映像が珍しいです。買えという意味ではありませんので悪しからず。)



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