「夏の憂鬱[time to say good-bye]」(作詞:hyde 作曲:ken)
3rdシングル。3rdアルバム「heavenly」発売後にシングルカットされた今作。サビをつけてCメロを少し長くするなどアレンジが加えられ生まれ変わり、歌謡曲からJ-POPに進化を遂げた楽曲でもあります。この追加された切ないサビのメロディがかなり耳に残るんですよね。原曲の夏休みの香りを秋になってから思い出してるって感じがします。”2曲を通じで過去を思い出す”といえば、「失われた眺め」と「瞳に映るもの」を思い出しますが、この曲もそれに近い感じがします。「そんな過ぎ去った日々」の部分は少し前の夏なのか、それともずっと前の夏なのか。その辺りを考察するのも楽しいかもしれませんね。
<2001年>
「Cliced singles Best 13」
一気に飛んで次は2001年に発売されたラルク初のベストアルバム。ファン投票で上位12位の楽曲が収録。そのことから「花葬」「snow drop」といったミリオンヒット曲が容赦なく漏れるという珍現象も起き、いかに全てのシングルに惚れているファンがいるかということが分かる結果となりました。今回は「Cliced singles Best 13」のラストに収録された新曲についてレビューしていこうとおもいます。
13.「Anemone」(作詞:hyde 作曲:hyde)
「TOUR 2000 REAL」で新曲として披露された重厚すぎるラブ・バラード。ストリングスと花びらが舞うように踊るピアノ、情熱的なアコギソロといった壮大な恋を表現した世界観が特徴で、今思えば後のHYDEソロの「ROENTGEN」のカラーを垣間見ることが出来ます。この楽曲にはひとつの説を唱えていて、5thシングルの「flower」で生まれた恋が、アルバム「REAL」収録曲の「ALL YEAR AROUND FALLING IN LOVE」でどんどん深まっていき、ついにこの曲でプロポーズするという説です。奇しく全てhyde様作詞作曲の3曲ですが、改めてこの3曲を連続で聴くと全て繋がって1つのドラマのように見えるのです。かなりの名曲なのに、2001年に発売された「Cliked singles best 13」と「メンバーズベスト」にしか収録されてないので知名度が高くないのが残念なところです。もっと色んな人に「3曲続けて」聴いて欲しいですね。
「Sprit dreams inside -another dream-」
1.「Sprit dreams inside -another dream-」(作詞:hyde 作曲:hyde)
21stシングルで2001年唯一の新曲。今作は「FF」の主題歌としてカップリングに収録された全英詞ヴァージョンである「Sprit dreams inside」にスポットを当てられた為、まさかの表題曲がアルバム未収録。ベストアルバムからも外されてしまっている為、日本語バージョンの表題曲を聴くにはシングルを持ってくるしかありません。今は無き渋谷のTSUTAYAで1番最初にレンタルしたのがこのシングルでしたね。このあと数年間もお世話になる思い出の場所でした。
2.「Sprit dreams inside」(作詞:hyde 作曲:hyde)
こちらはアルバム「SMILE」の回にてレビュー済みです。
「瞳の住民」
前作はそれぞれのメンバーの音が欠けるカップリングでしたが、今回のカップリング曲には前作「READY STEADY GO」のHYDE様以外が歌ってみたよ。という面白い企画が収録されています。各メンバーがソロ活動を行っていて、メインボーカルを担当していたため、かなり個性が出ているセルフカバーとなっております。このセルフカバーを聴いてからそれぞれのメンバーのソロ作品を聴いてみるのもありかもしれませんね。
3.「READY STEADY GO(ken READY)」
出だしかなりの「Are you ready?」からノリノリでゆる~く始まるのですが、本編はかなりワイルドに。しかし、間奏では「kenで~す」ってボケたりと小ネタも十分。実はkenちゃんは様々な歌声を持つアーティストだと思っていて、ライブでセルフカバーを披露した「Lover boy」では低音でシビれる歌声を、S.O.A.Pの楽曲「Paradise」では色っぽさ全開の歌声を、ソロの「Solitary stroll」ではかなりの高音で激情を表現していて、かなり幅広い音域と感情表現がかなり豊かな印象です。もしかしたらkenちゃんも「瞳の住民」歌えてしまうのでは?
4.「READY STEADY GO(tetsu READY)」
レディステの作曲、そしてサビのコーラスもてっちゃんなので、真のセルフカバーと言ってもいいでしょう。出だしかなりの「Are you ready?」をカッコよくキメてスタート。元々音源やライブでコーラスを担当していることと、ソロ活動でたくさん歌ったことからかなり安定しており、ボーカリストモードで少しカッコつけながら、気持ちよ~く歌っている感じがしますね。
表題曲の「瞳の住民」もてっちゃんのソロライブで度々セルフカバーされており、あの最高音をサラリと歌い上げながら、涙腺を刺激する力強い歌声を披露します。ソロアルバム「STEALTH」の初回限定版にボーナストラックとして「瞳の住民」をセルフカバーしたライブ音源が収録されているので、是非聴いて欲しいです。
5.「READY STEADY GO(yukihiro READY)」
そして出ました。出てきてしまいました。トリを飾るのはゆっきーのセルフカバー。これは千鳥も速攻で突っ込むような、かなりクセのある歌い方が特徴で、ゆっきーソロを通らずにこのカバーを聴いてしまったファンは吹き出してしまった確実にいると思います。SMILEのDVDに収録されているSMILEのドキュメンタリーでこちらのセルフカバーのレコーディング映像が観られているのですが、あまりにクセの強い歌い方からブースの笑い声が入っていたりと公式でもネタ扱いされてしまっています。ですが、ソロの「acid android」はこのクセの強い歌声こそがキーであり、世界観にかなりマッチしているので是非是非聴いてみてください。
「DUNE 10th anniversary Edition」
2004年、インディーズ時代に発売された1stアルバムの復刻版が発売されました。アルバム曲10曲の他にボーナストラックとして、インディーズ時代に発売したシングル2曲と「予感」の計3曲がボーナストラックトラックとして収録されたので、こちらでレビューしていこうと思います。特に「予感」の追加収録は当時かなり盛り上がったことでしょうね。
11.「Floods of tears」~Single Version〜(作詞:hyde 作曲:tetsu)
原曲では最後に位置していたオルゴール音が最初に来ることにより、この曲は精神崩壊した過去を主人公が振り返っているという感じに思えました。詳しくは「DUNE」のアルバムレビューを参照にお願いします!
12.「夜想花」(作詞:hyde 作曲:ken)
上の曲と両シングルとして発売された(1000枚限定)シングルにしてはかなり異色の楽曲で、ループするパーカッションをバックにひたすらスローテンポで突き進むという暗くて怖い楽曲。中盤ではバックでうめき声が聞こえてガチでホラーチック。hyde様の低音を中心とした歌い方も、この世界観にはピッタリですね。
13.「予感」(作詞:hyde 作曲:ken)
大人気の楽曲がついに収録されました。スピード感があり、バンドサウンドのせめぎ合いを聴く事が出来るサウンド、そしてそこに絡み合うシンセの浮遊感も感じられます。SMILEツアーで演奏されている映像を観てみたがやはりみんなで盛り上がれる曲って感じがした。SMILEツアー以降滅多に披露されることはありませんでしたが、2022年の「30th L’Anniversary LIVE」でまさかの再披露。当時TLがかなり盛り上がったのをみて、いかにこの曲がファンの中で根強い人気を誇っているのかが分かりますね。
ちなみにGLAYにTAKUROはこの曲と「As if in a dream」が好きな曲として挙げました。ここで「予感」をやったって事は「I'm in Pain」も近いうちに来てしまうのか..?
<2005年>
「Killing Me」
前作「自由への招待」から始まったP'UNK~EN~CIELというプロジェクト。パートチェンジであの「milky way」をパンクアレンジをしたセルフカバーを披露した未だ正体をつかめないこのバンドが次に世に放ったのは「Round and Round 2005」。3rdアルバム「Round and Round」からのカバーということで、2トラック目で派手に暴れ散らかしてくれました。しかし、今回は3rdトラックにとある隠し球が用意されています。それは...
3.「Round and Round 2005」/P'UNK~EN~CIEL Feat.P'UNK青木(作詞:hyde 作曲:hyde 編曲:P'UNK~EN~CIEL)
なんと、当時ラルクが出演していた音楽番組「音楽戦士」のMCをキングコングと共に担当していた芸人の青木さやかがP'UNK青木に扮して殴り込み。元々かなり混沌な世界観がかなり混沌になるというこの楽曲の完全体こそがこのトラックです。P'UNK青木は掛け合いやコーラス、そしてピアノ演奏で楽曲に参加しています。この音源を聴いたら元の「Round and Round 2005」を聴いても物足りなさを感じてしまう程の強烈且つ確かな存在感を放っています。ちなみに「音楽戦士」内でP'UNK青木と共に披露。どうやらその後「天嘉-参-」にもP'UNK青木を含めて参加したようです。
<2006年>
「the Fourth Avenue Cafe」
2006年、過去に8cmシングルとして発売した14作品をマキシシングルとして再販する企画が行われました。そして15作品目には幻の7thシングル「the Fourth Avenue Cafe」が29thシングルとして一緒にリリース。そのカップリングには「D'ARK~EN~CIEL」というひとつのショーが収録されています。P'UNK~EN~CIELの前身となるようなパートチェンジプロジェクトですが、こちらはオリジナル楽曲が収録されています。特徴はかなりメタリックな楽曲を演奏されていることと、1曲1曲がかなり短いことですね。
パートはてっちゃんがボーカル、hyde様がギター、sakuraがベース、kenちゃんがドラムになっております。
2.「D'ARK~EN~CIEL」
(1)「DARK SONG」(作曲:hyde)
まずは「D'ARK~EN~CIEL」を名刺代わりというような、インスト曲からスタート。ギターとベースのユニゾンにドラムが応える暗黒且つ荒々しいメタルサウンドに仕上がっております。
(2)「D・A・R・K~DARK IN MY LIFE~」(作詞:hyde 作曲:hyde)
そしててっちゃんのボーカルが入り、2曲目へ。「D・A・R・K」の掛け声と「~DARK IN MY LIFE~」のコーラスをひたすらと繰り返し、ギターソロではかつて無いほどの刻み方をするソロを聴く事が出来ます。かなりシンプルな構成ですが、コーラスに参加して一体化できることややはりメタルサウンドなので、派手にヘドバンできたりとライブ映えしそうなイメージがしますね。
(3)「ACCIDENT」(作詞:hyde 作曲:hyde)
てっちゃんの「stop!」のシャウトの後に過去最高テンポのスラッシュメタルが演奏され事故って「Oh,shit」と吐き捨てるわずか数秒の楽曲。ですが、数秒の楽曲の中に現在ではまず聴けない様々な要素は揃ってしまったある意味貴重なナンバーです。
(4)「INSANITY」(作詞:tetsu 作曲:hyde)
え、クレジット逆じゃないの!?、まさかまさか「milky way」より前にてっちゃんが作詞を手掛けた楽曲があったとは、今はじめて知りました。今回メドレーの中の楽曲で唯一の歌モノとなっており、メタルサウンドを中心としつつもメロディラインが聴きやすいです。実は意外とスルメ曲かもしれません。歌詞は「笑顔の裏に隠れた狂気とその罠にハマり錯乱状態に陥る主人公」がストレートに描かれており、てっちゃんソロで見られるシリアスなリリックの片鱗が見えます。
(5)「FROM HELL」(作詞:hyde 作曲:hyde)
4曲目が終わり、時間は約5分。そこから無音状態になり「17分」の収録時間がバグか疑い始めた「16分2秒目」からまさかの5曲目が始まります。かなりスローにズッシリと来るヘヴィメタルなサウンドが始まったと思いきや「FROM HELL」と叫んで「17分」にも及ぶこのショーがフィナーレを迎えます。
<2010年>
「I Love Rock'n Roll」(作詞:Jake Hooker・Alan Merrill 作曲:Jake Hooker・Alan Merrill)