「STEALTH/TESTUYA」レビュー | brilliant-memoriesのブログ

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ドエルさんでもあり、V系好きのギャ男でもあり、60〜00年代の音楽好きでもある私がお送りするこのブログ。アルバムレビューや自作曲の発表、日常、ブログなどいろんなことをします!

「新年を前にバタバタしていましたが、なんとか間に合ったー!来年2024年は遂にラルクのライブ!楽しみです!」

 

お疲れ様です。今回はTESTUYAの3rdアルバム「STEALTH」のレビューをしていこうと思います。2021年発売と言うことで、前作から10年ぶりの発売となった今作はてっちゃんの様々な楽曲が注ぎ込まれた素敵なアルバムとなっております。今作は10年の間に出されたシングル曲とアルバム曲でかなり楽曲の世界観に変化が起きていて、そこが最大の注目ポイントとなっております。今回は<初回限定盤>のレビューをするのでボーナストラック2曲のレビューもやっていきます!

 

アルバム「STEALTH」のポイント

 

・実験的なサウンドに挑戦した1作目と自身のカラーを全開に表現した2作目のそれぞれの要素は勿論、シングル曲が多い中で、近未来的なデジタルサウンドにチャレンジしたアルバム曲の存在が光ります。歌詞は今作に収録にするにあたり、「明るい歌詞が多いシングル曲に対して、バランスを取るような4曲にしたかった」とのこと。

 

・タイトルの「STEALTH」は自身が展開するアパレルブランド「STEALTH STELL’A」から取られていると言われています。実は当初は「STELL’A」にする案も出ていたそうですが、星では無いとのことで「STEALTH」になったとのことです。

 

それではいってみましょう!

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青→シングル曲 黒→アルバム曲)

 

1.「REGRET」(作詞:TETSUYA 作曲:TETSUYA)

 

神々しいストリングスの音色からイン。その後になだれ込む本編はデジタル要素が印象的で、かなり神秘的な世界観が広がっています。歌詞は物事を終えて後悔し、絶望に堕ちていく人の様子が描かれています。何がとは書かれてないので「恋愛」とも取ることが出来ますし、「社会」とも取ることもできます。重要な箇所をあえて空白にすることで、聴き手の方々によって様々な考察ができる仕掛けですね!

 

2.「Make a Wish」(作詞:TETSUYA 作曲:TETSUYA)

 

9thシングル。10thシングルと同時発売。インタビューでは「5年ぶりの新曲だから1番得意な王道のキラーチューンを出したかった」と答えていたように、キラキラしたポップロックサウンド、4つ打ちモータウンビートのサビ、夏のような爽快感といったてっちゃんカラー全開の必殺キラーチューンに仕上がっています。歌詞は恋心を抱いているが行動に移せず、空白な時間を過ごしてしまっていた主人公が決心し、勇気を出して飛び込んでいくまでのシチュエーションが描写されております。

 

3.「I WANNA BE WITH YOU」(作詞:TETSUYA 作曲:TETSUYA)

 

EP「I WANNA BE WITH YOU」の1曲目。アーティスト、バンド、アイドル、歌い手、Vtuber...、様々なジャンルの方々が主題歌を担当してきたアニメ「シンカリオン」のEDに起用されました。土曜の朝に流れるということで、まさに子供たちを意識したような、純粋且つキャッチーな歌メロが煌めくポップロックナンバーとなっております。歌詞には、希望を糧に夢へ突き進む主人公が描かれています。歌詞と音楽が化学反応を起こし、背中を押してくれる応援ソング、勇気が出てきますね!

 

4.「誰かのために鐘は鳴る」(作詞:TETSUYA 作曲:TETSUYA)

 

中田ヤスタカサウンドを彷彿とさせる洗練されたデジタルサウンドが特徴。加工されたヴォーカルが交差する間奏は特にPerfumeっぽさを感じます。歌詞は自分の傲慢と自分勝手さで仲間を心身的に殺して再起不能にする王様(笑)に向けての皮肉が描かれていますね。確かに、こういう奴に限って手なずけ方は一丁前なので、囲いが多く、嘘や醜を数で押し通し、真実でさえも塗りつぶすといった減少が起きてしまう訳ですね。かなり鋭いです。

 

5.「白いチューリップ」(作詞:TETSUYA 作曲:TETSUYA)

 

12thシングル。Aメロの真っ黒な絶望に染まった闇の中に、Bメロで一筋の光が差し、サビで神々しく光が舞う、この展開を音楽で再現。ピアノとストリングス、ウェーブベルを前に出したサウンドと耳に残るメロディラインが絡み合った名バラードとなっております。タイトルになっていますが歌詞には出てこない、白いチューリップの花言葉は「失われた愛」、その意味が込められた歌詞は、死別してしまった恋人(友人)へむけてのメッセージがテーマとなっています。別れから日々を得て、大切だった日々が思い出になっていく中、もしもまだ生きていたなら...と想像するシーンは、タイトルと相まってかなりウルッと来ます。

 

6.「FATE -Album ver-」(作詞:TETSUYA 作曲:TETSUYA)

 

EP「I WANNA BE WITH YOU」の3曲目。デジタル要素を全面に押し出したサウンドとなっており、凄く近未来的です。音色面やブツ切りで生まれる空白も上手く使っており、かなりカッコいいサウンドとなっております。サビの終盤の迫ってくるようなゾーンも注目ですね。歌詞は「誰かのために鐘が鳴る」と同じく、「夢」の為に相手のの傲慢と自分勝手さで心身的に殺され、再起不能になってしまった主人公が虚無に吠える内容となっております。

 

7.「愛されんだぁ I Surender」(作詞:TETSUYA 作曲:TETSUYA)

 

11thシングル。グラムロックを下地にしており繰り返すギターリフが印象的ですが、歌詞やシンセ音で見事にアイドルポップのような世界観に昇華させてしまった楽曲。この曲に関してはタイトルから歌詞からMVから見事にアイドル・てっちゃんモードですね。ライブではクラップで参加することによってより盛り上がることができますが、少しいじわるな場所に手拍子が入るリズム構成になっているため、間違えないように覚えましょう!このMVのロケ地がお台場のヴィーナスフォートなのですが、閉館してしまったので、あのヴィーナスフォートと「黒猫」を観たいよ!って方にもオススメです。

 

8.「READY FOR WARP」(作詞:TETSUYA 作曲:TETSUYA)

 

EP「I WANNA BE WITH YOU」の2曲目。夏を感じさせる疾走感のあるポップロックナンバーとなっております。ラルクの43thシングル「FOREVER」(てっちゃん作詞作曲)とかなりそっくりな箇所が幾つかあり、「FOREVER」発売時のインタビューで曲の原型の話をしていましたが、もしかしたら原型はこの曲だったのではないか?と今では想像してしまったりもします。歌詞は恋人へのやりとりを映していますが、後半では宇宙を巻き込んだ壮大な世界観に変貌します。恋って凄い...

 

9.「ARIGATO」(作詞:TETSUYA 作曲:TETSUYA)

 

「TETSUYA LIVE 2012 "THANK YOU"」にて、「THANK YOU」として演奏されていた楽曲。バンドサウンドを中心としたポップロックナンバーとなっており、様々なギターの音色に注目してほしい楽曲です。歌詞は一見すると、ライブのエンディングを意識したような感じにみえますが、インタビューによると、どうやら音楽活動をリタイヤしたかった頃の気持ちが綴られているとか。サビの「ありがとう さようなら」というこんなにもシンプルな言葉が捉え方次第でここまで変貌してしまいます。恐ろしいですね。

 

10.「Time goes on~泡のように~」(作詞:TETSUYA 作曲:TETSUYA)

 

10thシングル。9thシングルと同時発売。ラルクの9thアルバム「SMILE」に収録された自作曲を、まさかまさかのセルフカバー。原曲のキラキラとしたシンセ音をストリングスに置き換え、全体的にバンドサウンドを強めとしたアレンジとなっております。夕方のイメージが強かった原曲に対し、このアレンジはこれから一日が始まるという期待が広がる朝焼けのイメージがあります。勿論原曲には原曲の良さがありますが「ロマンチック」成分が強い印象です。一方でこのセルフカバーでは原曲以上の「ワクワク」なパワーを感じます。

 

11.「Eureka」(作詞:TETSUYA 作曲:TETSUYA)

 

エンディングは元気なポップロックナンバーでフィナーレ。バンドサウンドを中心としたアレンジとなっておりますが、よくよく耳を澄ますとティンパニやシンセパーカッションの音色が彩りを添えているのが確認できます。タイトルの「エウレカ」は何かを発見・発明したときに使われるギリシャ語だそうです。歌詞はもう一度夢へ突き進む主人公が描かれています。

 

<初回限定盤のみの収録>

 

12.「milky way~砂時計~Link[Live]」

 

「TETSUYA LIVE 2019 "THANK YOU" 4950」のライブ音源。ラルクのてっちゃん曲を3曲メドレー方式で。「milky way」は「P'UNK~EN~CIEL」でのカバーは沢山聴いていた物の、原曲に沿ったアレンジのセルフカバーはかなり貴重です。「砂時計」は改めてピアノとストリングスが雰囲気を創り出していたか、ライブの音響だからこそその2つの楽器の存在に感じる物がありました。そして「砂時計」~「Link」の曇天空から一気に晴天が広がるこの瞬間が1番のハイライト。歓声も相まって会場のボルテージがスパークする瞬間を聴く事が出来ます。サビではみんなで楽しくジャンプしている客席を想像したらさらに楽しいです。

 

13.「瞳の住民[Live]」

 

こちらも「TETSUYA LIVE 2019 "THANK YOU" 4950」のライブ音源。名曲「瞳の住民」のセルフカバーでキーは1下げとなっております。かなりの難曲ですが、感情を込めて最高音も難なくこなすてっちゃん。本当に素敵な音源で、いつか生で聴ける機会があったらな...と思いきや、自分が初参戦したてっちゃんのバースデーで再び披露!会場は黄色に染まり、幻想的な世界観を演出。客席にいた私は気づいたら号泣していました。今でもその感動は覚えています。

 

というわけでいかがでしたでしょうか。10年の間に様々なシングル、王道のポップロックが集まったEP、近未来的なアルバム曲が生まれて、それぞれ世界観が異なるために、かなりバラエティな要素を感じられるアルバムだなと思いました。特に「白いチューリップ」はかなりの名曲でした、今のてっちゃんソロの集大成となっているので、ラルクファンの方、そして皆様にも聴いて欲しいアルバムだなと思います。

 

さて、今年最後のレビューとなりましたが、沢山の方々に自身のレビューを読んでもらえて、凄く嬉しかったです。来年以降も様々なアルバムをレビューしていく予定なので、読んでいただけたら嬉しいです!

 

それでは皆様、よいお年をお迎えください。来年もよろしくお願いします!