最初にちょっと述べておきますが、コンセントという言葉は海外では通じません。
なぜ日本ではコンセントと言うかというと、明治大正時代に外国から入った電気製品のconcentric plug(「同心構造のプラグ」の意)という言葉が「コンセント」と「プラグ」になったそうなので、外国人に意味が通じるわけがありません。
コンセントに該当する言葉はElectrical Outlet、Electrical Socketですが、ちょっと技術屋っぽく格好つけてElectrical Receptacleなどと言っても通じると思います。
フィリピンで市販されている家電の電源プラグには次の3種類があります。
- US2ピンプラグ:日本と同じ形状
- US3ピンプラグ:電力線は2ピンと同じだが、 グランドライン(アース線)がついている。
- EUプラグ :ピンが平型ではなく丸形
一番ポピュラーなのは日本と同じ形状のUS2ピンプラグですが、US3ピンも少なくありません。
温水器のようなハイパワー機器や洗濯機のような水回りの製品にはUS3ピンが使用されます。
東芝はなぜかUS3ピンが好きで、我が家の東芝製冷蔵庫や給水機はUS3ピンです。
またEUプラグの機器も少なくなく、ECサイトで電気機器を買う際には注意が必要です。
一般的にフィリピンの家庭で部屋の壁に使用されているのはこのタイプです。
US2ピンプラグにもEU2ピンプラグにも使用できます。
10アンペアまで使用できますから、2.2キロワットくらいまでOKで、ケルヒャーの高圧洗浄機のハイパワーな上級機種でもOKです。
日本の場合は100V/15Aなので最大1.5㎾ですから、日本に輸入されるケルヒャーの高圧洗浄機の上級機種は、残念ながら1.5㎾以内に収まるように電力を下げています。
なおバスルームの「温水器用コンセント」はさらに高容量で、かつ安全のためにUS3ピンタイプのコンセントとなっています。
但し建築時に見張っていないと、本当にグランドライン(アース線)が配線されているか疑問ですが?
3年くらい前に私の奥さんの友人の建築中の家を見せてもらいましたが、室内のコンセント全てに使用されていたのが写真のコンセントです。
旦那さんが電気関係の技術者なので押さえるべきところはしっかり押さえており、これならUS2ピンプラグもUS3ピンプラグもEUプラグも使え、しかも安全のためのアース線も配線済みです。
しかも16アンペアまで使えますが、この地域の電圧が220Vですから3.5㎾くらいまでOKで、このままでもエアコンに使えそうです。
これからフィリピンに家を建てようと思う方は、このコンセントがベストです。
メーカーに拘らなければ価格は半額くらいで買えます。
但し施工時にしっかり見ていないと壁の中にグランドラインは配線されない可能性もありますが。(¯―¯٥)💦
いろいろなプラグがありますので、延長コードや電源タップ用のパーツもこのように増えてしまいました。
- 写真上の電源タップはUS2ピン・3ピンプラグ、EUプラグに使えます。
- 写真下左端はUS2ピンのコンセントに3ピンのプラグを差し込むためのアダプターですが、グランドラインはダミーです。
- その隣はUS3ピンプラグですが、この相方のソケットで延長コードを作って、先日買った東芝製冷蔵庫に使用しています。
- その右側はUS2ピンプラグとEUプラグの両方に使える延長コード用ソケット。
- 右端とその隣はUS2ピンのプラグとソケットです。
■日本のエアコン用200Vはどうやって作っている?
■フィリピンの電圧
ボーイングなどの旅客機の電源は115Vー400Hzですが、115Vはアメリカの一般的な電圧から来ているのだと思います。
アメリカの一般家庭は電圧が110~120Vですが、オーブンなどは倍の220~240Vを使用するとのことですが、原理は日本の100V/200Vと全く同じです。
かつて米国の統治下だったフィリピンは場所により電圧が220Vから240と異なりますが、240Vのパンパンガ州を例にとると、下図のようにLine1、Line2の二本の電圧線とNeutral線があり、「Line1(2)とNeutral間」は120V、「Line1とLine2間」は240Vとなります。
日本の屋内配線は電圧線と中性線で、スイッチは電圧線につきますから、スイッチを切れば電気は来ません。
ところがフィリピンの屋内配線はどちらも電圧線で、スイッチは普通片方の電圧線だけです。
だから壁の照明スイッチを切れば照明は消えますが、片方の電圧線には電気が来ており照明スイッチを切ったから電気は来ていないと思って作業すると感電する恐れがあります。
ですから作業をする時には必ず大元のブレーカーを切る必要があり、日本のつもりで横着をすると非常に危険です。