2005年 5月14~15日
コメント・5月14日
神岡に赴く前は、いつもの探索とは違うテンションの高さを感じる。これまで神岡は真夏に1回晩秋に1回づつ行っているが、今回は大型連休が終わり梅雨が始まるまでのもっとも天候が安定しているとされる次期を選んで出かけることとなった。
当日の天気は全国的に晴れとなっていて、探索には申し分ない。いつものように早朝4時に自宅に迎えに来てくれたK氏(これまではM氏と表記していたがHNの頭文字を使うことにした)の車に荷物を積み込み定時どおりに出発。
途中で燃料補給や小休止を挟みながら、中央高速を改装するK氏の4WD。
勝沼を通過したあたりで猛烈な睡魔に襲われたので、「眠くなったら交代するから、それまで体力温存させて」という手前勝手な理由で自分は寝てしまった。
そしてかなりの時間がたったあたりで、K氏に起こされる。
周りを見渡すとすっかり明るくなっていた。どこかのパーキングに停まっているようだった。
K氏は何をしているかというと、ナビモニターを見つけて考え事をしている。
「ここどこ?」と聞くと、K氏は「分からない・・・」という予想外の返答。
T「え・・・・ナビの案内どおりに来たんじゃないの?」
K「そうなんだけどさ、なんかいままでのルートと違うんだよね。もしかしたらもっとショートカット出来るルートを教えてくれているんじゃないかと・・・」
T「そう?そうなの?じゃぁ聞くけどちなみに岡谷ジャンクションはもう過ぎちゃった?」
K「もうかなり前に通り過ぎたと思う」
T「え!じゃぁへたすると木曽福島とかも過ぎちゃったわけ?」
K「ううむ・・・それがはっきりせんのだよ・・・」
一気に眠気が覚めた。
どうやらこの車は岡谷ジャンクションを長野道へと行かずに、中央道をそのまま名古屋方面へと南下してかなり走ってきてしまったようなのである。
確かに神岡は長野県の向こう側、松本ICからも1時間以上は楽勝で掛かるほどの辺境の地にある。
考えようによっては名古屋方面からどこかしらショートカット出来る道路があるのなら、そちらを使えれば時間の節約になるに越したことは無い。
そのまま行ってみましょうという事で車は走り出した。
しかし走りなれたルートではない場所からのアクセスとなると、不安なないわけではないので、その間も自分はナビをあれこれいじって、目的の場所を探してみた。
そしてナビが案内している目的地の場所を見て愕然とした。
ここゴルフ場じゃねぇかYO!
ナビが反乱をおこした。
そう判断するまでにそう時間は掛からなかった。
案内している場所は神岡とは全く関係の無い、愛知県のとあるゴルフ場にその「GOAL」を示す旗が立てられはためいていたのである。
さて、どうしようかという事で改めて別のPAに車を停めて目的地を設定しなおす。
「ここ・・・いったいどこよ・・・。でもってここから神岡までどんくらい走るんだ?」
「・・・・・・・・」
2人してナビのモニターを凝視する。
やがて、ナビが目的地までのルートを決定し案内を始めるアナウンスを発した。「ルート案内を開始します。実際の交通規則にしたがって安全運転してください」
「おお・・でたでた、でもって距離は・・・?」K氏がすばやくナビのリモコンを操作する。すると・・・・
神岡まで250キロかYOOO!
しかも到着予定時刻は午後2時過ぎ。こりゃぁ無茶苦茶だ。へたすると今日は茂住も満足に見て回れないかもしれないという予感が頭をよぎった。
とにもかくにも出発だ。その後はとてもここでは言えないようなペースで移動を開始する。
しかし状況は思わぬ形で好転した。
新しい高速道路の出現である。その名も「東海北陸自動車道」まだ全線開通までは当分先であるが、出来たての真新しい高速国道のお陰で絶望的なタイムロスをかなり改善することが出来てしまった。
結局、神岡の町に入ったのは正午という、あの致命的なルートミスを最小限のダメージで収めることが出来たのである。
午後1時過ぎ。神岡鉱山茂住坑前の駐車場に到着。
ここで今度は自分が今夜の宿の電話番号を控えてくるのを忘れて来たのが発覚して、再び顔面蒼白。
僅かばかりに残された記憶を頼りに直ぐ近くにあった公衆電話のイエローページをめくって電話をしてみる。
すると電話の向こうの人が「はい、T様のご予約承ってますよ」というお返事。またまたガックリと疲れる。
そしてようやく本当にようやく茂住坑に突入する体制が整った。
ここにくるまでにエライ長い道のりを着たような気がする。いや実際に今朝だけで500キロ近く走ってしまったのだから、道のりは実際に長かった。
茂住探索後記
いつもだったら新平湯温泉の過去に2階ほど泊まった事のある宿と決めていたのだが、マンネリ化しつつあったというのも少々あったので今回の探索にて利用した温泉宿は、新穂高温泉の某旅館とした。
今までの新平湯温泉の宿もかなりポイントが高かったが、今回の宿も予約して大正解だった。
宿の主人の応対はむさくるしい素性の怪しい男二人組みという組み合わせにも関わらず、非常に丁寧で親切。料理も山奥の旅館としては無理に海産物を取り入れない内容でOK、そして特筆すべき点は風呂にあった。温泉は透明で癖の無い物なのだが、露天風呂が建物を出た外にあり、自分以外に利用客が居ない場合には時間制限はあるものの24時間貸切に出来るという事だった。
新穂高温泉は神岡へのアクセスもよく、温泉旅館も沢山あるので選ぶ選択肢は広い。
今回の宿も十分及第点はクリアしていたので是非次回もと思っているが、実は川向にある巨大な温泉旅館が本命だったので本年の晩秋の時期に行くとしたらそこに決めてしまうかもしれない。
いやぁでも泊りがけの廃墟探索というのは、なんどやっても快適そのものだ。
どこかのサイトの管理人がやっていたような「鉄人レース」まがいの廃墟めぐりオフとは違って、悲壮感も無いし体力も気力も充実して探索に臨めるから事故防止にもなる。ウマイモン食って旨い酒を飲み、温泉にドップリとふやけるまで浸かる。極上の気分だ・・・・・これだから探索は止められない。
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今宿の目玉は、露天風呂にあり。
この画像は朝風呂に入っている自分だが、
他に先客居なかったので、貸切となってしまった。
被っている菅笠は、露天風呂の壁に掛けてあり
雨の日はこうして被れば冷たい思いをしなくて澄む。 |
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露天風呂の眺め |
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同上・・・お約束のケロリン桶、計っていないので
分からないがこの桶は関東サイズなのか関西サイズなのか・・・。 |
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湯温は内風呂に比べると少々ぬるめなのは仕方ないが、
長湯できる温度なので、時間制限(あくまでもマナー上の問題)
があるのがなんとも・・・。
心行くまで入りたければ深夜に入るしかないだろう。 |
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それから、ここの宿の主人がチェックインの時にこう強調なさっていた。
「うちの温泉は完全掛け流しですから!!!!!」と。
それは実際に風呂に入ってみればよく分かった。
確かにオーバーフローしたお湯はそのままこの先にある蒲田川に流れていくようになっていたからだ。 |
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中身の肴の名前は忘れてしまったが、それを包んでいる茶色の
物体は飛騨地方ならではの朴葉だ。
味噌の味が染み込んでいてまさに絶品。 |
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ちなみにこれは朝食膳の風景である。
朝からこれだけ食わせるという宿の姿勢は如何なものか?
お陰で体調は絶好調である。
これで天気がよかったら言う事無かったのだが・・・。 |