手塚治虫のドラマ | 高井戸の住人のブログ

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昔観たのは『鉄腕アトム』のテレビアニメ化(確か過労でスタッフがひとり死んだ)とお母さんにべったりの手塚の話が中心だったけど、今回は手塚の大きな転機となった『ブラックジャック』連載開始からで、編集者役の大島優子が1973年にタイムスリップして手塚の仕事現場に立ち会うというフィクションを混じえた話だった。

手塚治虫は他の漫画家より5倍仕事が早いが、複数の出版社から10倍仕事を引き受けてしまい『遅虫』とも呼ばれていたという。

漫画は創作だから描ける時は描けるが筆が乗らない時は描けない。
絵コンテが上がって来るまでスタッフも待ち状態。
原稿が上がって来るまで担当編集者も待ち状態。
納期が迫って会社に泊まり込むことももちろんある。
チャンピオンの毎週16ページ~20ページの漫画でその状態なので、手塚が『2時間アニメをやる!』と言った時には下請けまで含めてさらに大わらわ。
下請けが作業者を待たせていても絵コンテが上がって来ない。
アニメ映像まで出来ても手塚のチェックで撮り直し続出。
『もう堪えられません。辞めます。』と言うスタッフに手塚は『大丈夫です。僕にだって出来るんだからあなたにだって出来ますよ。』と。

手塚に次の3つのシナリオのうちどれがいいかと訊かれた大島は納期を気にして『早く描けるのはどれか?』と返答して一度機嫌を損ねてしまうが、手塚の漫画を面白いと褒めて、やる気を出してもらうことが重要と覚る。
それは頑張ってほしい人を応援したり支えたりすること。

現代に戻った大島は出版社に原稿持込みでいつもダメ出しされていた素人の漫画家に『面白くないです。。。。。でも前回のより面白くなってます。』と言う。
それを聞いて喜んで帰って行く漫画家。

いいドラマでした。



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