東海道・山陽本線を走ってきた貨物列車が九州に向かう際、電気機関車の付け替えを行う幡生操車場(山口県下関市)。直流機のEF210形から交直流機のEH500形へのリレーが日常的に見られます。見学できる場所で午後のひとときを過ごしてみました。

 

 

幡生操車場に到着したEF210-901(右)がEH500-47、70と顔を合わせる

 

 

幡生操車場で入換中のEH500-47

 

 

 

幡生操車場は山陽本線の本州西端に当たる幡生ー下関間にあります。関門トンネルを抜けた門司駅構内から交流電化となるため、東京・大阪方面からの直流機は下関貨物駅に向かう列車を除き、ここで交代します。

 

下り貨物列車の機関車交換は幡生駅から約1㌔南の、JR貨物幡生総合鉄道部の社屋付近で行われます。気軽に見学できるのは上り本線側にある道路で、鉄道ファンはもちろん、鉄道好きの子どもたちも見かけます。

 

 

幡生操車場の下り貨物列車の見学ポイントは手前に山陽本線上り線があり、115系をはじめ、山陰本線から乗り入れてくるキハ40系を見ることができます。周辺はちょっとした散策路になっています

 

 

 

下り貨物列車が幡生操車場に到着すると、まずけん引機のEF210形は片方のパンタグラフを下げて引き揚げていきます。

 

その後、待機していたEH500形が現れ貨物列車に連結。定刻になると、九州に向けて静かに発車していきます。

 

 

幡生操車場に到着した1063レのEF210-901(右)。この日は6時間以上遅れていました

 

 

すぐに切り離されて機留線へ移動します

 

 

入れ替わりで待機していたEH500-67が連結されます。場所と機関車は違いますが、昔の下関駅でのブルートレインの機関車交換シーンを思い出します

 

 

しばらくすると隣に63レのEF210-328が入線してきました

 

 

 

門司機関区のEH500形は、貨物列車の運行状況や時間帯によって全く見かけない時もあれば、2両並んで待機するなど数両来ていることもあります。

 

 

幡生駅寄りで待機するEH500-47と70

 

 

下関駅寄りの留置線ではEF210形とEH500形が顔を合わせます

 

 

九州方面から単機で回送されてきたEH500-49

 

 

 

幡生操車場に到着したEF210形は、上り貨物列車で折り返すまでの間、機留線に並んで待機します。多い時には十数両見かけます。

 

職員が手作業で洗車するシーンも見られます。東海道・山陽本線のEF210形は一晩かけて走る運用が多くあり、その分「顔」に虫をくっつけることが多いようです。

 

 

運用の合間に休むEF210-337。この日留置されていた機関車は少なめでした

 

 

洗車されるEF210-328。この日は次の運用まで約10時間お休みしていたようです

 

 

 

かつての幡生操車場は吹田機関区のEF66形(0番台・100番台)をはじめ、岡山機関区のEF65一般形、新鶴見機関区の1000番台PF形、門司機関区のEF81形など、電気機関車は多彩な顔ぶれでしたが、現在はEF210形とEH500形のみとなりました。

 

それでも機関車交換シーンは見応えがあります。現代の主力機もいつか懐かしくなる—。私もそんな思いで令和の日常を記録しています。

 

幡生操車場は鉄道現場を気軽に見られるスポットとして、これからも親しまれそうです。