2023年の関門地区で特に注目を集めたのは、10月の115系3000番台瀬戸内色の復活でした。一方で役目を終えた鉄道車両の解体も進み、下関地区でも一時期活躍していた117系との別れもありました。12月30日に公開した総括記事の後編をまとめました。

 

 

 

117系の定期運行終了と解体

JR西日本下関総合車両所では今年も117系の解体が行われました。まず3月20日に吹田総合車両所京都支所のS1編成が廃車回送されてきました。有料撮影会での展示を兼ねたもので、別れを惜しむファンが遠方からも訪れました。

 

117系は7月21日の岡山地区を最後に定期運行を終了しました。同地区で活躍した車両の中には、2005年から約10年間下関に配置されていた100番台も含まれていて、いずれの編成も12月頃までに解体されました。一時代を築いた名車の退役は「国鉄」が遠くなってきたことを改めて実感しました。

23.5.69.2など掲載)

 

廃車回送され下関総合車両所に取り込まれる117系S1編成

 

 

 

下関貨物駅で貨物鉄道輸送150年イベント

今年は貨物鉄道輸送150年を記念したイベントが各地で開かれましたが、下関でも5月14日に「JR貨物フェスティバルin下関」が開かれました。普段あまり脚光を浴びない下関貨物駅や入換用小型ディーゼル機DB500-1ですが、この日はコンテナ貨車の入換実演などがあり、多くのファンや家族連れでにぎわいました。(23.5.14掲載

 

コンテナ貨車の入換実演で注目を集めたDB500-1

 

 

 

つり下げ型の駅名標 下関駅などで撤去

鉄道風景には欠かせないアイテムの一つであるつり下げ型の駅名標ですが、JR西日本管内では撤去の動きが広がりました。下関駅でも7月頃に姿を消し、壁などに取り付けるタイプに変わりました。山口県内では新下関駅や新山口駅などでも同様に撤去されました。(23.7.47.15掲載

 

撤去された下関駅のつり下げ型の駅名標

 

 

 

「鉄道の祭典」EF81とED76展示

九州鉄道記念館(北九州市門司区)で開かれる「鉄道の祭典」。10月7日には人気の電気機関車EF81 303とED76 1017が展示されました。ブルートレインのヘッドマークを付けた懐かしい姿に、多くの人がシャッターを切っていました。(23.10.8掲載

 

ブルトレ時代の姿で展示されたEF81 303(左)とED76 1017

 

 

 

115系3000番台 瀬戸内色が復活

JR西日本の「懐鉄シリーズ」第3弾として、山口県内の山陽本線で活躍する115系3000番台1編成を登場時の瀬戸内色に復刻。鉄道の日の10月14日から運行されました。当時を知る世代には懐かしさを、若い人たちには新鮮さを呼ぶ企画で、沿線はにぎわいを見せました。運行ダイヤはJRおでかけネットで公開されています。(23.10.1111.4など掲載)

 

復活した瀬戸内色の115系3000番台

 

 

 

下関総合車両所4年ぶりフェスタ

下関総合車両所を一般公開する「鉄道ふれあいフェスタ」が4年ぶりに開催されました。鉄道ファン向けに行われる有料撮影会とのすみ分けで車両展示は縮小されましたが、外観がきれいに修復されたクモハ42001などが姿を見せました。キハ47形の車体つり上げなどもあり、多くの人が鉄道工場の雰囲気を楽しんでいました。(23.10.14掲載

 

外観がきれいに修復されたクモハ42001も展示

 

 

 

2023小倉工場まつり

JR九州小倉総合車両所(北九州市小倉北区)では10月15日に「2023小倉工場まつり」が開かれました。885系特急形電車の運転室見学には長い列ができたほか、JR貨物の電気機関車ED76 1022も展示され、懐かしい「丸富士」など多彩なヘッドマークが取付けられました。(23.10.1510.19掲載

 

小倉工場まつりで丸富士マーク付きで展示されたED76 1022

 

 

 

初代門司駅遺構の発掘調査

JR門司港駅(北九州市門司区)近くで進められた初代門司駅遺構の発掘調査。1891(明治24)年に開業した九州の鉄道の原点と言える場所で、機関庫の基礎や初代駅舎の外郭とみられる石垣などが確認されました。現地は複合公共施設の建設予定地で、今後の対応が注目されます。

 

門司港駅そばで発掘調査が進む初代門司駅の遺構=10月

 

 

 

北九州貨物ターミナル駅 開業20周年記念祭

北九州貨物ターミナル駅の開業20周年を祝う記念祭が11月19日、北九州市門司区の現地で開かれました。EF510形、EH500形の展示など多彩なイベントでにぎわいました。

(※私は当日外せない仕事があり、訪問を断念しました…)

 

 

 

 

今年の関門地区は山陽本線のワンマン化、ICOCAサービスの開始が特に大きなニュースで、車両自体は415系鋼製車が引退した2022年に比べると動きは少なかったように思います。

 

一方で、役目を終えたベテラン車両は次々と姿を消しています。来年以降はEF510形300番台量産機の登場に伴い、ED76形など九州の電気機関車に変化が生じそうで、その動きが注目されることでしょう。

 

 

 

今年も当ブログ「れきてつ」と姉妹ブログ「歴鉄2番線」をご覧いただきありがとうございました。皆さまからのアクセスが励みとなり、2022年より充実した活動を送ることができました。

 

皆さまもどうぞ良いお年をお迎えください。

 

 

 

※本稿の前編は以下の記事をご覧ください